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私がアンサンブルで大切にしていること

音楽は独奏を除くと二人以上のアンサンブルによって作られる。それは「自分の音楽」と「その他の音楽」を協働作業によりミックスしながら構築し広げていく形で制作される。

「自分の音楽」はそれぞれの内側で生成される。「自分の内側」にはそれまでの創作活動や人生での経験、それらに対する考察、また様々な音楽や芸術の研究を通して得た記憶や考えなどからも影響を受けた閃きにより生み出される。これはアドリブでメロディそのものを生成するjazzでも、譜面がありそれを基にメロディを演奏する音楽にとっても「自分の主体的な解釈、表現」をするという点で同じであると私は思っている。

自分の内側から生み出された音楽は、その人の自然体であり個性そのものである。
アンサンブルにおいてそれらがミックスされ、新たな形として生まれさらに発展する過程が音楽としての作品となる。

自然体の自分が生み出した音楽と他者のそれとは当然いろいろな面で共鳴や不協和音を生み出す。全く相容れない場面も生まれるだろう。。。そこで大切なのが、自分を貫きながら他者を認め受け入れる姿勢だ。

「自分を貫き、他者を認め受け入れる」姿勢を保つためにはまず、「独り」になれることが重要である。決して他者をコントロールしたり、されたりしない考え方だ。それにより偶発的に生まれるアートは大きく広がり、独りの人間の想像力の及ばない世界に到達することが出来るのだと思う。

もちろん「自分の音楽」を作り出すことがまず大変な作業であるので、そこが充実していない人同士のアンサンブルでは、残念ながらまだこれには当てはまらないと思う。しかし希望を持って勉強や研究を続け、自分にとっての「美しい音楽」を生み出し、その努力を実らせるアンサンブルの世界に勇気を持って飛び込むことがその先の道に繋がっているのだと私は確信を持って言える。

Miles Davisはそれを実現してみせた音楽家のひとりだと私は思う。




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