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「人間広告」になってみた。

今、私にできることってなんだろう?
考えろ、考えろ。


7月27日、札幌にて。この日は、弊社代表 前田高志さんの新刊『愛されるデザイン』の刊行記念イベントで札幌にいました。

紀伊國屋書店 札幌本店にて、札幌を代表するアートディレクター寺島賢幸さんと前田さんの対談イベントです。


書店さんにて開催される、書籍のプロモーションイベントは、ありがたいことにもう何度も経験させていただいております。しかし、今回は初の無料イベントでした。

無料だから、人が集まりやすくていいでしょう〜。

一見そう思えますが、どころがどっこい。そうでもないのですよ。有料イベントの場合は、書店さんに定期的に人数を教えていただいているので、予測がつきます。かたや無料イベントの場合。当時蓋を開けてみないと人が来てくれるかどうかわからないのです。だから、ある意味怖い!

札幌について、紀伊國屋書店 札幌本店へ。

トークイベントの会場も下見しました。なんて素敵な会場なんだ!! しかも広い…!!

不安な気持ちが膨れ上がりました。人…来て…くれる……よね!?
この広い会場に人が2,3人とかだったら…?


辛い、各方面に申し訳ない、というか悔しい。


快く対談を引き受けてくださった寺島さん。
イベントをセッティングしてくれた紀伊國屋書店さん、幻冬舎さん。
札幌イベントに向けて、並々ならる気合いで告知をしまくっている前田さん。

いろんな人の顔が浮かできました。

なにより、イベントのお手伝いに来ている私。
何のために私はここにいるのか?
私にできることって何のか?
何もしなくていいのか?
うぉぉぉぉおぉぉおおお!
立ち上がれ!


いてもたってもいられなくなりました。


もちろん、ノープランで来たわけではありません。
集客の助けになればと思い、チラシを社内で制作してもらっていました。

じゃーん!

ただ、これ。
どうやって配るよ?

最初に考えたのは、書店のデザイン書コーナーにいる人に声をかけることでした。しかし、書店さんにとっても声かけれる人にとっても迷惑すぎるのでこれはよくないなと。

次に、とにかく数や〜〜! ってことで、書店に来る人、あるいは、書店の前を歩いている人にとにかくチラシを配りまくることも頭によぎりはしました。しかし、これも一歩間違えばキャッチセールスと変わらない。書店さん、幻冬舎さんに迷惑がかかる。それは跳ね返って自分たちの首を絞めることにもなるから却下。


これらの考察からわかったこと。

1.迷惑をかけないこと。せっかくの機会が台無しになるようなことはしない2.興味を持ってもらっている人にチラシを配らないと意味がない
3.そのためには、このイベントに興味があるかどうかを可視化したい


でもどうすれば?

とりあえず、イベントがあることを示して、見てもらう、あわよくば声をかけてもらうことが大事。

チラシを拡大して、プラカードを作ることも考えました。でもこれも1の迷惑がかかるのにつながるからダメ。迷惑をかけずに目立つ方法ってなんだろう?


シンプルにチラシを服に貼るのはどう?
何かで使うかもしれないと、たまたま養生テープを持っていました。ゼッケンのように前後ろに貼ったら目立つかな?

いや、でも意外と服と同化してスルーされる気がする。
何より、迷惑までは行かないけど、そう言う人に話しかけられたら、ちょっとやばいやつと思われるかもしれない。

うーん、うーん。
いろいろ考えて捻り出したのが、プラカードを身にまとうことでした。つまり人間広告になることでした。

前田高志さんの投稿画像をお借りしました。


よし、100均を探そう。

私のプランはこうでした。クリアファイルを用意し、透明のテープで横の空いている部分を塞ぐ。そして、サイドに穴あけパンチでクリアファイルに穴を空けて、リボンなど適当な紐で首にぶら下げる。

クリアファイル
穴あけパンチ
透明のテープ
リボン

合計400円でできるはず。

そう思いながら、札幌の中心部で100均を探したんですが、意外と遠い。ちなみにイベント準備時間までに私に残された時間は1時間程度。いくらすぐにできる工作とはいえ、買いに行くまでに時間がかかりすぎる。あかん!

そうだ。紀伊國屋書店 札幌本店さんのすぐ近くにヨドバシカメラがあった。ならばきっと文具もあるだろう。よし、いざヨドバシカメラへ。向かいながら考えます。

クリアファイルはまだしも、穴あけパンチはきっと100円では買えないだろう。家にも会社にもあるし、そんないらないんだよなぁ。他の作り方ないかなぁ。私は、こういう雑工作をしばしばするんですが、その際のポリシーは3つ。

・無駄なものを買わない
・無駄な時間を使わない
・上記を満たした上で、最大の効果を出す

だから、どうでもいい細かいことなのですが、穴あけパンチ買うか否か問題が、私の中では大問題でした。

ヨドバシカメラに着きます。

穴あけパンチを買わずに済ますためには、穴を空けずに首にぶら下げる仕組みを考えないといけない。穴が最初から空いてるクリアファイルってあるんだろうか? パッと見た感じない!

それからリボンも。100均でリボンを買ったことあるんですが、いわゆる文具コーナーにあるのか。

あ! これ使えそう。
社員証です。これなら首からぶら下げられる。この社員証が入る部分をもっとデカくしたい。


ぐるぐる文具コーナーを歩き回った結果、これを発見しました。
ソフトカードケース!これいいじゃない。

クリアファイルは手軽ですが、サイドの空きを塞がないといけないし、そのためにテープを買わないといけない。しかも、クリアファイルの場合、角が尖ってますよね。

私はこれをぶら下げて歩くつもりです。私はせっかちです。慌てて行動した結果、意図せず人にぶつかって傷つけるようなことがあってはならない。だったら最初から両サイドが塞がれていて、柔らかいソフトカードケースの方がいい!!


社員証とソフトカードケース、準備はできたがどうくっつけようか…。


超絶雑なのですが、とりあえず時間がないし、目的を達成できれば細かい部分はよい。ということで……。

社員証をソフトカードケースにペタリ。セロテープを貼り付けました。
完成です…!!

この中にチラシを入れれば、中にある社員証は全く目立ちません。

完成です。

これを首から下げると、ちょっと違和感が生まれませんかね? 
「あれは何?」みたいな。

その視線を感じたらしめたもの。
「あのー、このあと17時からこのイベントがあるんです。無料なのでよかったらぜひ聞きにきてください」と言いながらチラシを配るのだ!! 頭の中でのイメトレは完璧です。


さぁ!みんな見て!

そこそこ視線を感じましたので、チラシを配りました、ヨシ!
でも、やっぱりちょっと小さいからかな。そこまでは目立たない。しまった…。

でも、これを見た人の心に火が灯ったのを感じました。

まず、前田さんが喜んでくれました。「だったらもうちょっと気を引くために何かした方がいいかも」と言って、イベント会場受付付近にあるホワイトボードに絵を描いてくれました。この絵を見て立ち止まる人が結構いたので、かなり効果あったと思います。

次に、書店の方も喜んでくれました。「こんなのあるんですね!すごい!」と。「(私が首から下げてる姿が)可愛い」と声をかけてくださり、心配していた迷惑になってないか問題もクリアできた気がします。ここから会話が増え、持参したチラシをイベント会場の受付の机に置いてくださることに。いい関係を作るきっかけになりました。

ホームランとまえではいかないけれど、塁に出ることはできたんじゃないでしょうか。よかった。


さてさて、肝心のイベントですが、結論私の心配は杞憂で、大盛況でした。なんと80名もの人が足を運んでくださいました。

これは、ひとえに対談のお相手の寺島さんの力がかなり大きい。事前に知人に声をかけてくださっていたのです。来る人の多くが「寺島さんに声かけられたのよ〜」と言ってました。寺島さんの大きな信頼をお借りできて胸がいっぱいです。

もちろん、ホワイトボードのイラストやチラシ、微力ながら私の人間広告を見て声をかけてくれ、足をとめて興味を持ってくださる人もいました。そこからイベントを見に来てくれた人も結構いました。

このイベント会場は、人が増えるたびにホワイトボードと受付の机をずらすことで増員対応ができるんですが、人がひっきりなしに増えるものだから、紀伊國屋書店のみなさまが、何度も机とホワイトボードをずらし、椅子を運んでいただくという事態に。

イベント開始前はこういう状態でした。右の柱と天井からぶら下がっている青いポスターの位置にご注目ください。柱は、ホワイトボードよりも前に位置してますよね。そして、青いポスターはホワイトボードはほ真上にある。

人が増えた結果…こうなりました。

柱と青いポスターよりもホワイトボードの位置が下がっています。つまり、ホワイトボードをそれだけ後ろにずらして、人がそれだけ増えたということなんです…!


満員御礼。書籍もたくさん買っていただきました。よかった、本当によかった。

別に私が動かずとも人はたくさん来たかもしれない。でももし人が来なかった時、何も手を打たずして後悔するのは嫌。これからも、いてもたってもいられなくなる衝動が訪れたら、私は結局動いちゃうんだろうな。だって仕事って、自分ごとにして踊ったもの勝ち。全力でやった方が絶対楽しいから。


さて、この話には後日談があります。


弊社株式会社NASUでは「マエデ」というクリエイターコミュニティを運営しています。マエデと、れもんらいふの千原徹也さんが主催する「Re:DESIGN SCHOOL」、セカイ監督が主催する「学ばない学校」3つのクリエイティブな組織が一堂に会するイベント「クリエイター交差展」が、9月6日(金)に原宿ハラカドにて開催されます。

左:マエデ主催 前田高志さん、中央:学ばない学校主催 セカイ監督、右:Re:DESIGN SCHOOL 主催、千原徹也さん


この交流会のドレスコードは「自分の作品を身につける」こと。ここで、前田さんがワタクシの雑工作を昇華した企画をしてくださったのです。嬉しい!


ロゴは千原徹也さん作。素敵!

ということで、来るクリエイター交差展に向けて、ドレスコードを用意する必要があると思います。身に付ける方法は自由とのことなんですが、一番簡単な方法を書いておきますね。


クリアファイルを用意します。前回の反省をもとに大きめをチョイスしました。

私イチオシのソフトカードケースもいいですね。これも100均にありました。A3サイズが欲しかったんだけど、断念。B4にしました。ハードケースでもいいんですが、穴を開けるのが難しい気がします。

あとは、首からさげる紐。なんでもいいです。

200円で用意できます!

レッツ工作!クリアファイルの場合、片方のサイドの空いてる部分を透明のテープで塞ぎます。私は強度が欲しいのでOPPテープにしましたが、家にない場合はセロテープでもいいと思います。

穴あけパンチで穴を空けます。肩幅くらいの位置がいいんじゃないでしょうか。

失敗しました>_<
でもまぁ大丈夫。

リボンや紐をつけます。これも好みですが、私的には紐は短い方がいいと思ってて、顔の真下くらいに広告部分がくるといいなと。その場合紐は56cmあれば十分です。

そうだ。これも好みですが、クリアファイルの場合、角をどうにかしたいですね。当たったら痛そう。テープか何か貼るでもいいんですが、角丸にカットしました。

あとは、穴を空けた部分に紐を通して結べば完成!!
注意事項としては、紐を結ぶと作品を入れにくくなるので、先に作品の紙をクリアファイルに入れてくださいね。


人間広告の私から、関西方面のみなさんに今一番伝えたいメッセージです。9月16日(月・祝)梅田蔦屋書店様にて『愛されるデザイン』の刊行記念イベントが開催されますよ!申し込みはこちら


前述した通り、これは一例であって、身につける方法は自由なので、いい感じにアレンジしてくださいね。

私も自分の作品集を作らなきゃ。たくさんの人と作品に会えるのを楽しみにしています!



バナー写真:前田高志

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