「ズケズケ座談会」Vol.1-肩書きとは志だ!-
問題提起として意見を発信するマガジン「ズケズケ」。
先日更新予告をしたとおり、豪華ゲストお二人を招いてチャット座談会を行いました。
進行、編集は私、ライターの浜田綾この3名で話をしました。
今回の座談会のトピックスは3つあります。
・【肩書きについて】
肩書きってなんだろう?
奇をてらった肩書きってどうなの?
自分にとって肩書きとは?
・【デジタル絵について】
デジタル絵=ペンタブ一択じゃなくてもいいと思う。
ペンタブはアナログよりも逆に難しい!?
・【SNSについて】
SNSの付き合い方について。
本音でやりとりしよう。
信用が大事。
「いいね」の意味ってなんだろう?
上記3つのトピックスは前田さんからの提案だったので、前田さんの発言多めです。未定ですが、同じように世良さん発案、浜田発案の座談会も開催できたらいいなと思っています。
いずれも白熱議論でそれなりのボリュームになったので、
3回に分けてお届けします。
ーーー
浜田
「ズケズケ」座談会。よろしくお願いします!
世良
はーーーーい。
前田
よろしくお願いします。
世良
さて今日のお題は?
浜田
こないだ提案していただいたものについて、1個ずつ意見を言い合う感じで行きましょうか?
では「肩書き」について、思いの丈をみなさんどうぞーーー!
肩書きってなんだろう?
前田
SNSなど見ていると、とにかくいろんな肩書きが多いですよね。
変わった肩書きでもあっても、中身が伴っていればいいと思うんですよ。
浜田
そうですね。中身ですよね。
その肩書きにふさわしくあろうと努力をしているかどうか。
世良
よくネットで、「これからはハイブリッドの時代」とか言って、例えば
"デザイナー + 占い 占いデザイナー"のように、何でも組み合わせて売ればいい、と言う人もいますね。
趣旨としては、私もそれでいいと思うんです。
たしかに1個の職業で差別化するのはもう難しく、
"医療 + ライター 医療に強いライター"って得意分野を磨くのはいいことだと思う。
でも中途半端なキャリア(かじっただけ)と中途半端なキャリア(かじっただけ)を組み合わせたら商品になる!とか教えてる例があるようです。
ネットビジネスって、この部分が完全に誤解されている気がします。
ちょっときつい言い方をしますが、それって見方を変えればただの「なにやってもできないひと」とも言えるんです。
そんな「新しい肩書」仕事でマネタタイズできるのか疑問です。
組み合わせ肩書がだめって言ってるわけじゃないんですよ。
中身が伴っているか。伴う努力をしているのかだと思う。
浜田
あーわかります。
組み合わせって、何かベースがあるからこそ成立しますもんね。
そして中身の伴わない肩書きは、私もあかんと思います。
組み合わせ肩書などの新しい肩書きって、そもそも定義が曖昧です。
だからその肩書きの仕事内容がなんなのかが、まずわからない。
新たな肩書きを名乗るのこと自体は、私も大いに結構だと思います。
ただ自分できちんと肩書きの定義しない限り、周りから見たら何をしてくれる人かわからないと思うんですよ。
前田
SNSを見ていたら、組み合わせの肩書きって本当に多いですよね。
ちょっと奇をてらってるようにも見えます。
世良
本当に"医療に強いライター"ならいいわけだけど、
中途半端を掛け算したハイブリットだと、浜田さんが言ったようにそもそも何をしてくれる人かもわからないよね。
前田
奇をてらっていても、田中泰延さんの「青年失業家」とかいいなぁって思います。
世良
へ―、どういう意味なの?
前田
言葉の通りです。無職なんです(笑)
浜田
あーわかります!
以前イベントに参加したのですが、田中さんめちゃくちゃおもしろいですよね!
世良
へー、チェックしてみよ!
このあたり、コピーのセンスが問われているのかもね?
浜田
あーそうですね、田中さん元電通のコピーライターさんですからね。
前田
コピーライターらしいユーモアがあふれています。
世良
そう考えると、肩書きって本当の意味での知性が試されているのかもしれませんね。
浜田
ですね。
資格や試験のいる肩書きじゃなければ、肩書きっていうのは覚悟であり志ですよね。
その努力が足らんのに過剰な肩書きを名乗ると、あとで自分がしんどくなるんじゃないかと。
私も「ライター」って、資格のいらない肩書きを名乗ってます。
伝わる〇〇制作委員会のプロフィールページで「コピーライター」「エッセイスト」も名乗りました。基本はライターで行きますけどね。
名乗る以上は、その肩書きにともなった志を持ち、努力しないといけないって思っています。
世良
そうだよね。
でもさ、今って変わった肩書きが流行りなんだよね。
だからますます今後も「ハイブリット肩書」が増えるんでしょうね。
肩書き=ブランディングではない。
前田
肩書きがブランディングになっていると思ってる人がいるように見受けられますが、ちょっと違うと思うんです。
世良
特にデザイン系はよくわかってないだけに、勝手に肩書きつける人多いですよね?そのあたり前田さんどう思いますか?
前田
デザイン系は、「デザイナー」と幅広く言ってる人もいるし、普通は「グラフィックデザイナー」ですかね。
ある程度キャリア積むと、「アートディレクター」、「クリエイティブディレクター」となっていきますね。
世良
実はね、私が会社やめてWEBの学校に通っていたとき、
・就職するときに、クリエイティブ職の就職で書いている肩書でやる仕事を勘違いしないように
・この肩書きの人はこんなことする人ですよ~
ということを教える授業があったんです。
そうやってわざわざ教えるってこと自体、肩書きがわけわかんなくなっていることの表れですよね。
「企画営業=ブラック企業の営業」って言う場合だってあるようなんです。全然違うのに(笑)
浜田
へー、わざわざ授業まであるんですね!肩書きの(笑)
世良
うんあったのよ、これが。
だからね、アートディレクターってデザイン業界では普通にある肩書きだけど、なんぞや?って世間一般的にはみんな知らないんじゃないかなぁ。
浜田
ああ、確かに。私そういう業界とはこれまで無縁だったので、前田さんではじめて「アートディレクター」という肩書きを知りました。
前田さん、「アートディレクターとは、こうだ!」の思いの丈を言ってください!
前田さんの思う、「アートディレクター」の定義
前田
アートディレクターは簡単に言うと、「世界観構築」と「クオリティ管理」なんです。
世良
ほうほう、でもデザイナーって書くと「下請けでデザインする人」に見えるから、そこを回避する意味でアートディレクターを名乗る人も多いでしょうね、
浜田
コンセプト考えたり、全体のクオリティを見てますもんね。
LPのプロジェクトでも、毎回やってくださってますよね。
世良
デザイナーの上位職なわけですから、そうなりますよね。
前田
社会での肩書き的な意味でいうとアートディレクターはデザイナーの上位職になってますが、役割としては実は公平なんです。
ディレクター(広い視野で管理する人)と、デザイナー(深く掘り下げる人)。
世良
へーーーそれは知らなかった。
ちなみに一般企業であっても名前と定義がめちゃくちゃっていう、ケースはあります。
新入社員が企画に配属されると、まだ美大の人はいいとして普通の大学からきて、全くデザインみれなくてもその日から「ディレクター」と呼ばれたりする事例もあるんですよ。
浜田
わ、即ディレクター!って驚きですね。
今の世良さんの話の意味で言うと、どっかの会社の役職で「ディレクター」とか「アートディレクター」をやったことがあるから、それをそのまま使うってケースもあるのかもしれませんね。
世良
人によっては、営業から来た仕事をまるままデザイナーに丸投げしているのに「ディレクター」って役職がついてましたよ。
まぁでもそうやって怒られながらも勉強して、名実共に「ディレクター」になっていく人もいますから、全部がだめとは言いませんがね。
やっぱり志、そこへ向かう努力があるか?じゃないですかね。
前田
たまたま、仕事でついた役割がアートディレクターだっただけで、役割としてはディレクションしてない場合もあるようです。アートディレクターって上位職に感じるから、使ってるという場合も。
世良
そうだね。
アメリカはこのあたりの肩書に対する見方が厳しいらしいよ。
だから企業のえらいさんが、「このデザインにせい!」と言っても、専門家ではないからデザイナーの言うことは絶対だったりするって話を聞いたことがあります。
前田
僕にとって「アートディレクター」を名乗るのは、すごく勇気がいることだったんです。クオリティ低いものは提供できないように、戒めとして、あえて名乗っています。
浜田
前田さんレベルで勇気がいるって…。
前田
グラフィックデザイナーは、僕のキャリアだと逃げだと思ったんです。
浜田
だからやっぱり、相当の覚悟と志があってのことですもんね。
世良
いまはMacとコピペで誰でもデザイナーになれちゃいますからね。
名乗った時点で。
前田
だって、僕にとってアートディレクター=大貫卓也なので、勇気いりますよ。
浜田
大貫卓也さんが憧れだ、と以前ブログに書いていましたよね。
志が高い!
前田
志が高志くん!
浜田
わわわ!!!
wwwwオヤジギャクきた(笑)。
世良
前田君…(笑)。
浜田
名が体を表していますね!
「志が高志くん!」
世良
でも確かにその通りです。
はじめて前田君にロゴの仕事お願いしたとき、安い値段で受けてくれてました。それ以前はもっと安くお試しでやってたから、デザインだけかとおもいきや?企画書までつくって「色はなぜこれなのか?」などなど細かいことまで書いて、完璧にアートディレクターの仕事してたから「ぎゃっ」って思ったの。
「まさかお試し価格のときもここまでやってたの?」と思ったら、ほんまに全員に妥協なく、肩書き通りの仕事してたから驚きました。
前田
誤解を招きそうな発言しますが、企画書は、はったりでどうとでもなりますよ。プレゼンテクニックみたいなものがありますから。
デザインの検証と選択が本質ですね。
浜田
えーーーでも前田さんの企画書って、毎回すごそうですよね。
世良
そうだよね。
言っていることと、デザインが一致してるから私はすごさがわかるわ。
企画書だって、ただのはったりを使いまわす人もいると思うしね。
浜田
えー、そうなんですか?使い回し企画書!ひどい!
前田
うんちく並べたり、企画書がすごい割にアウトプットがあんまりという場合もありますね。
使いまわし企画書は、代理店は多かれ少なかれやってるんじゃないかな。ただこれは彼らがどうというかではなく、限られた時間で企画をあげないといけない業界の体質の問題だと思っています。
浜田
なるほど、確かにやりたくてやっているわけではないでしょうからね。
では肩書きに関しての話は、こんなところですかね。
まとめ:肩書き=志
どのような肩書きをなのるのか、もちろんそれは個人の自由です。
ただし、肩書きを名乗って商売する以上、その定義がわかりやすくないと誤解されることもあるかもしれない。
何か肩書きを名乗る以上は、その肩書きらしくあろうとする志や、努力はあった方がいいのではないか?
そんな内容の1回目の座談会でした。
みなさんは自分の肩書きについて、どんな想いで使っていますか?
また肩書きに関するこだわりなどはありますか?
noteのコメント欄やSNSでのご意見お待ちしています。
さて、次回は【デジタル絵について】です。
美大出身のお二人が熱く語りますので、乞うご期待。
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浜田 綾(コトバノ):ライター
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