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頭の怪我はたくさん血がでる。

今朝、1歳6ヶ月の息子が救急車に乗った。

椅子から転落し絨毯の上に落ちていた積み木にぶつけ頭を切った。そして血が止まらなかった。

止血するタオルがどんどん血の色に染まり、押さえていた手にはべったりと血がついた。

髪の毛から首元を伝ってTシャツのえり元まで真っ赤になった。

いてもたってもいられず、近所に住む義母に連絡する。繋がらない。

少し悩んで119番した。大泣きする子どもの声で電話口の声がほとんど聞き取れない。

どんな様子か聞かれていたが、途切れ途切れにしか答えられなかった。

色々と聞かれて答えにまごついていると「お母さん、とりあえず救急車もう向かってますからね。タオルでしっかり押さえるだけでいいです、ドア開けて待っててくださいね。」と言ってくれた。

救急隊が到着して傷を見てもらった。切り傷ではなかったが思ったよりも範囲が広かった。血腫が出来ているから念のために医師に診てもらった方がいいと言われた。

最低限の荷物をもって救急車に乗る準備をした。母子手帳が入ってある手帳ケースに保険証と診察券もひとまとめにしてある。私も息子もはじめて救急車に乗った。怖い。

マスクをつけて救急車に乗って搬送先を探してもらう。少し離れた救急病院へ行くことになった。搬送先を探している間、近所の人や近くの店の人が出てきた。ざわざわと救急車の方を見ている。外からは見えないが中からは意外と見えた。

色々と器具がつけられてモニターに息子の酸素濃度や心拍が表示される。救急車が走り出した。とても揺れる。

交差点に進入する時はピーポーではなくウーと音が変わる。いつもなら30分はかかる病院へ10分もかからず到着する。救急車直線ですごくスピードを出す。

外を見ていると通行人がすごく見てくる。目が合った気がした。私も今まで救急車が通る時は見ていた、その時に目が合っていたのかもしれない。

中から見る街は異質だった。早く病院へ着いて欲しかった。

走る救急車の中で夫に事情を説明した。出勤したばかりの夫は慌てて病院へ来た、診察を待っている間に到着した。

救急隊から病院看護師へ引き継いだらすぐに引き上げていった。きちんとお礼を言えなかったのが申し訳なかった。

救急科は何人か患者がいるのに静かだった。付添人もたくさんいた。ドラマのような大声を張り上げる救急病院ではなく普通に病院だった。みんな落ち着いている。息子が泣くたびに看護師が診察までの間何人か声をかけて落ち着かせてくれた。

頭の怪我は軽傷だった。血はたくさん出たが縫わなくて済んだ。頭の怪我は思った以上に出血量が多いと医師も話していた。

処置の間は廊下に出るように言われた。痛い思いをする時に両親が近くにいるとなんで助けてくれないの?と息子との信頼関係にヒビが入るから近くにいないようにお願いしていると教えてくれた。

その間に洗浄し軟膏を塗り傷口をガーゼで覆い、ネットを被せられた息子はやはり大泣きしていた。

処置が終わり抱っこするとしがみついて離れなくなった。相当怖かったのだろう。痛い思いをさせて申し訳なく思う。

血液が髪に付いてサビたような匂いがした。固まっていてザラザラしていた。

会計を済ませて薬をもらって帰宅した。まだ生傷なのにネットを嫌がり取ってしまった。再度被せようと悪戦苦闘するも両親とも惨敗。

近くの薬局で色々買ってきて試すもすべて赤子の前では無力だった。

寝転がる時に清潔なタオルをすかさず敷くようにすることで決着した。

とりあえず今夜の風呂が怖い。

無印良品のポチ菓子で書く気力を養っています。 お気に入りはブールドネージュです。