摂食障害の長い長いトンネルを抜けて～元摂食障害当事者からのメッセージ～368

「私は、きっと無意識のうちに自分のことぐらい思い通りにならなくてどうするの、ぐらいに思っていて、だから何で出来ないんだろう、って悩んで、イライラして、自己嫌悪に陥ってしまうんです。そんなことをずっと繰り返してばかりいたんです。でも、確かに友達の言うように自分のことだってなかなか思い通りにはならない。もし思い通りになるのなら、食べることだって、痩せることだって、仕事だって、彼氏だって、思い通りになるはずなのに、実際は何一つ思い通りになんかならないし、悲しいけれどそれが『現実』なんだなぁ……って思うんです。その『現実』を認めないといけないのかもしれないですよね」

そうですね。『現実』を認める……言葉にするのは簡単ですけど、実際に認める、というか『現実』を受け入れるということは、なかなか簡単なことではありません。特に、あなたのように摂食障害になってしまった人たちには、いわゆる『完璧主義』な方々が多くいらっしゃいます。そういう方々は、例えば『○○でなければならない』『○○であるべきだ』『最低限、○○が出来ていなければいけない』などという、個々に『マイルール』を設定している場合がほとんどで、どちらかというとご自分の健康状態や精神状態、あるいは置かれている環境に関わらず『マイルール』を最優先してしまう傾向にあります。ご自分の状態や環境によっては相当高いハードルだとしても、何としてでもやらなければ、という思いが非常に強いので、出来なかった時に、その『現実』を認めて、今の自分を受け入れて、仕方がないとご自分を納得させる、ということは、ある意味自分の中の何かを手放したり、諦めたりする『勇気』が必要なのです。もちろん『マイルール』が良くないということでは決してありませんが、ご自分の状態や環境などとの『バランス』を考えたり『落としどころ』を見極める、ということが必要になると思いますよ。

「そうですね、そうかもしれません。何かを手放したり、諦めたりする『勇気』や『バランス』や『落としどころ』……どれも『完璧主義』からは遠く離れた言葉ですね。だけど、ほんの少しずつでもそういうことが出来るようになっていかないと、自分の首を絞めることにもなりますし、辛く、苦しいのはほかでもない自分なんですよね。結局、自分が自分を許して、解放しなければいつまでたっても同じことの繰り返しになってしまいますよね」

今日もありがとうございます。