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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~419


食べる幸せ、友達と過ごす幸せ。どれも、特別なことじゃない。日常でも感じられる幸せ。摂食障害真っ只中の時には感じることが出来なかったけれど、これからはそんな幸せを感じることが出来るかもしれない。いや、それこそが私が探し求めていた、私にとっての『幸せ』なのかもしれない。

「そうそう、そうだと思うよ。どんな小さなことでも、紗希がそこに幸せを感じるならそれでいいんだと思う。他の人がどう感じるかは紗希にとっては関係ないことだし。幸せって、何も特別なことじゃなくて、例えば何も変わったこととか嫌なことがなかったとか、昨日と変わらず平穏に過ごせた、ってだけでもそれはそれで幸せなことなんだと思うよ」

そうか、今の私にとっては『食べること』や『痩せること』に一日中振り回されないで済んだ、ということだけでも幸せなことなのだから、何も特別なことがなかった、ということが何よりも幸せなことなのかもしれない。

「陽子、今の私にとっての幸せって、もしかしたら『何もない』ことなのかもしれない。痩せることに拘らない、痩せることに囚われない、食べることに悩まない、食べることに迷わない、嫌なことが特にない、困ったことが特にない、辛いことが何もない……そんな、特別なことが何もなくても、穏やかで、とりとめもない日常が淡々と過ごせること。そんなことが私の幸せ、のような気がする。私、もう何年も特別なことがあり過ぎて、疲れちゃったの。だから、平凡でも、つまらなくてもいいから『何もない』穏やかな日々が続いてくれれば、それでいい気がするの」


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