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デザインの視点・思考

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デザイン仕事を通じて心がけていることや気づいたことなど。デザインに関する思考とTipsを発信しています。 また、弊社(デザインスタジオ・エル)公式noteの関連記事も追加していき… もっと読む
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レイアウトデザインの視点を増やす 思考&Tips

はじめにこのnoteは、私がTwitterで発信した「デザインの思考&Tips」のなかから、レイアウトデザインに関する内容を編集してまとめたものです。普段のデザイン業務で私が意識している、webデザインを中心としたレイアウトの考え方やTipsを紹介します。 「レイアウト」といっても、ただ単にドキュメント上に要素を置くのは誰でもできます。どんな素材にするか、どんな動線にするかを考えて位置を決めていくのが「デザイン・レイアウト」。こちらがデザイナーの仕事ですね。デザイナーは、達

名刺交換を「コミュニケーションの場」にするデザイン

デザインスタジオ・エルは、今年6月の自社サイトリニューアルに合わせ、名刺デザインも一新しました。メンバー個々のイラストを中心に据えたデザインになっています。私たちは「らしさをデザインする」をテーマに取り組んでいる会社。自分たちが使うツールでも、メンバーそれぞれの個性を反映させよう、ということになりました。 イラストのタッチは、自社ロゴのカリグラフィーテイストに合わせることで、エルならではの雰囲気に仕上がったと思います。 サイトリニューアル、名刺デザインなどの詳細はこちらも

クリエイターの絶望と希望

日々感じる、クリエイターとしての絶望と希望についての小話をいくつか。 ある日のデザイン、絶望と希望のようす①10:00 うん!(こんなもんかな) ②10:30 う…ん?? ③12:00 うぬぬぬぅぅぅ… ④14:00 はぁぁぁ… ⑤17:00 ぉぉぉおお! ⑥09:00 ぉぉぉおお! or はぁぁぁ… <解説> ①で止まっていてはだめ ②違和感や物足りなさに気づく ③打開策を必死に考える ④手を入れるも、うまくいかない(絶望)  〜この時間が辛い〜 ⑤光差す(希望) ⑥一

デザインチェックは、「何度もプリントせよ」

若いころ先輩によく言われたこと。 「デザインチェックするときは、とにかく何度もプリントせよ」 画面で見てるといい感じなのに、印刷するとショボく見えるのがとにかく悲しく、自分にガッカリして落ち込んだこと、数知れずありました。 紙になったときの完成形をイメージしきれていないからなのでしょう。サイズ感が身についていなかったり、色の特性の理解不足だったり。 紙に出して気づく違和感。文字の1pt、余白の1mmも、実際プリントしてみて違いがわかりますよね。そう、客観視が大事。 「な

ナレッジ共有を習慣化させるコツと、定着への道筋

先日、「エルで働くライターの日記」シリーズで、ライターの神保が弊社の取組である「一日一力」について記事を書いてくれました。みんなにとって有意義なものになっているのだなぁと嬉しくなります。 さて、今日のお題は「#習慣にしていること」。この一日一力という取り組みは15年間で延べ19500件超のエントリーとなりましたが、投稿の内訳、毎日つづける習慣化のこと、そしてその情報・知識を定着させる方法について書いてみたいと思います。 ネタのジャンル内訳この15年の中でシステム変更なども

社名の由来と、ロゴデザイン

本日のお題は「#名前の由来」。うむ…。社名の由来について書いてみようと思います。もともとの表記はDESIGN STUDIO ELLEでした。フランス語で「彼女」という意味。1976年創業時、創業社長が某仏誌が好きでつけたと聞いています。が、その後大人の事情で使えなくな…(以下略) すみません、話が終わってしまったので、ロゴについて書いてみようと思います。。 初代ロゴについてこちらが初代ロゴです。創業当時から使われていたと思うので、1976年産でしょう。 僕は、地元・長野で

おすすめのフォント・書体・タイポグラフィ本 23選

デザインの仕事に欠かせないフォント・書体・タイポグラフィ。最近、社内のいくつかのプロジェクト・案件でメンバーとフォントについて熱く議論することが続いていることもあって、オフィスの書庫にあるフォント関連本と私物の本をまとめて、入り口にフォント本コーナーを作ってみました。 せっかくなのでその中からおすすめの本・大好きな本・ユニークな本をいくつか紹介したいと思います。書体選びに悩んだり、フォント調べたり、作字するデザイナーの方の参考になれば幸いです。 タイポグラフィの基本ルール

こんなにある!ドラえもんの目の表現

ドラえもんの目の表現についてツイートしたら、たくさんの反応いただきました。 自分含め、多くの方の新たな気づきだったのかなと思います。せっかくなので関連ツイートをnoteに記録しつつ、子供のころから憧れの存在だった藤子不二雄先生のすごさを噛みしめたいと思います。 表情の豊かさ描き出してみて最初の感想は「なんて表情が豊かなんだ!」です。この小さなスペースに、これだけのバリエーションをつくりだすクリエイティビティに驚かされます。ツイートのリプ欄でも「これは〇〇の回だ!」と、目を

デザインが好きだからデザイナーになったわけではない。という話

ぼくがデザイナーを目指そうと思ったのは大学3年のときでした。でも、その時点でデザインやったことなかったので「デザインが好きだからデザイナーになりたい」という動機はゼロでした。なぜデザイナーになりたいと思ったのか。それは「何をしたいか」と、デザインという手段が合致したからです。 作ることに熱中していた小中高時代小学5~6年生のころ、勝手に学級新聞を作って配っていました。クラスのできごとを記事にしたり、担任の先生をキャラクターにしたり、四コマ漫画を描いたり。きっとそのときは「た

打ち合わせ時に役立つ、スラスラとラフを描くコツ

先日、webサイトの骨格をラフ描きする様子を動画で投稿したところ、多くの反応をいただきました。新人研修時に、デザイナーに「こんな感じで描いてるよ~」と送ったものです。 反応を見ると「客先での打ち合わせのとき、スラスラ描けたらいい」という声も多く、デザイナー以外の人でもページ構成等を検討するのにラフを描く場面は多いのだなと思いました。 打ち合わせしながらスラスラ描くことによって検討が加速し、ある程度方向性を決められることも多いです。早く描けるのはひとつの大きな武器です。

デザイナーとしての「初心」を思い出す未熟でほろ苦いエピソード

デザインスタジオ・エル代表のハラヒロシです。デザイナー歴23年。新人にデザインを教えたり、学校で授業する機会をいただいたりと若い人との接点が多くなっている今日このごろ。思い出されるのは自分が同じ年齢ぐらいのときの経験です。 ちゃんとした勉強経験がなく飛び込んだデザインの世界。自分なんか…というコンプレックス・不安と、新しい世界に対する期待。そんな初々しい時代のことはけっこう記憶に残っているものです。 「初心」を思い出させる記憶の多くは苦い経験です。そして、そういった経験か

成長を後押しするデザインフィードバックの方法

web制作会社デザインスタジオ・エルのディレクター/デザイナーのハラヒロシです。私たちのチームではwebサイト制作の過程において、以下のようなデザイン・品質管理に関するチェック&フィードバックをしています。 デザインチェックはデザイナーからの提案を受けてディレクター陣が、クリエイティブチェックと品質管理チェックは、所定のフォーマットにのっとって開発陣とディレクター陣でやり取りしています。 これらのフィードバックは、デザインのクオリティを上げ、問題解決の手段を探り、webサ

土屋印店様webサイトができるまで

サイト制作の裏側を紹介するコンテンツ第二弾は、長野県須坂市の土屋印店さんのサイトリニューアルができるまでを紹介します。 リニューアルサイトでは、実印、銀行印、認印をオンラインで購入いただけます。ハンコ作りの技術を培うために彫刻した作品集も必見です。人生の節目に寄り添うはんこを丹精込めて作っている様子を、写真と文章で丁寧に紡いでいきました。 はじまり弊社サイトより1通の問い合わせメールが。 「ツッチー!」 送り主の土屋印店・土屋武志さんは、ディレクター・ハラの高校時代の同級

紬かけつぎ店様webサイトができるまで

MEFILASさんのWebサイトのつくりかたシリーズを読んで「自分たちもこんな発信をしたい!」と刺激を受け、わたしたちデザインスタジオ・エルも制作したwebサイトの制作の裏側をご紹介したいと思います。 記念すべき第1回は、愛知県一宮市でかけつぎ店を営む紬かけつぎ店さんのコーポレートサイトができるまでをご紹介します。 かけつぎとは かけつぎとは、衣類にできたキズや虫穴を、元に近い状態へ修復する技術のことをいいます。同製品の生地や糸を使用し手作業のみで修復していくため、非常