自宅でひと手間レシピ10　キーマは気まぐれ

冷蔵庫の余りもの救済策、キーマカレー。

見えないあいつのせいで世の中の仕組みがすっかり変わってから、せめてもの皆様のヒマつぶしになればと書きはじめたこのレシピごっこも、早くもなのか、とうとうなのか10回目を迎えることができました。これもフォロワーの皆様のおかげです。いつも励みにしております。ありがとうございます！

さて、日々おうちでごはんを作っていると、なかなか使いきらない野菜が中途半端にちょっとずつ冷蔵庫に蓄積していきませんか？　そんなときにお手軽に在庫整理できる優れものメニューが、みんな大好きキーマカレーです。

キーマカレーに関しては過去にも一度書いているので、そちらも、もし気が向けばご参照あれ。今回はまあ、その焼き直しです。キーマだから炒め直しか。大体は同じこと書いています。今回は調理中の写真も入れて、ポイントをもう少し整理して書いていくことにします。

・ひき肉（鶏・豚・牛・合挽き　何でも可）→一人50〜100gぐらい
・野菜＝ピーマン系→２〜４個、トマト→１個程度、タマネギ→１個程度　
　他はぶっちゃけあなた次第→好きなだけ（適量）

・ニンニク、生姜→一片　
・唐辛子→一本　
・バター→ひとかけ　
・ヨーグルト（無糖）→大さじ３（なくても可）

・スパイス＝カルダモン、コリアンダー、クミン、ターメリックなど→適宜
　（ただしそこまでやる気のない人はカレー粉があればOK）
・あったらいいスパイス＝マスタードシード、フェンネル、シナモン、
　などなど（まだまだ勉強中）

・隠し味っていうか味のベース＝濃縮めんつゆ

大事なのはトマトと乳製品（そしてめんつゆ）。

キーマカレーは、一言でどんなカレーかと言うと、挽き肉をトマトと乳製品で炒め煮にしたカレーである、と個人的には思っている。トマトと乳製品（バター、ヨーグルト）は必須。逆に言うと他の野菜はまあフィーリングで何を入れてもそうそう失敗しない気がするなあ。

今回チョイスしたのは、豚ミンチ、酸っぱくておいしくないミニトマト、ピーマン、玉ねぎ、タケノコ。全部細かく刻む。分量の目安としては、自分のお皿にどれぐらい入っていたら嬉しいか考えて、それを人数分でかけ算するとわかりやすいかも。

あとは順々に炒めていくだけ。

まずはニンニク、生姜（ストックできます）、唐辛子を刻み、油で熱して香りを引き出す。勝手に一方的に尊敬している東京カレ〜番長の水野仁輔氏はたしかこんなことをおっしゃっていた。「カレーとはスパイスの香りを油にまとわせること」だと。ちょっと文言違うかもしれないけど。

このとき、手元にマスタードシードとかクミンシードとか、ホールのシードのままのスパイスがあれば一緒に炒めておく。原則として、ホールのスパイスは先に炒め、パウダーはあとで煮込む、という感覚。たぶん。

で、豚ミンチ、玉ねぎ（タケノコも）の順に炒める。大体この順。香辛料、肉、野菜。

トマトと乳製品（バターやヨーグルト）を追加投入してさらに炒める。実は本場インドの人は乳製品めっっちゃ好きで、唖然とするほどバターぶち込んだりします。もちろんスパイスもアホほど入れるんやけど。

気になったのが、インドで大勢の人が信仰しているヒンドゥー教って、ご存じのとおり牛を神聖視していて、神様の使いか何かだから殺して食べたりしちゃいけないんですよね。バター（ギイと呼ばれる上澄みの油も）、ヨーグルトなんか食べてもいいのかなと思ったら、肉じゃなければいいんですって。むしろありがたがってんのかなあ。とにかくとてもたくさん消費します。

基本の味はもう、この際めんつゆで。

このあいだ、濃縮めんつゆ１ℓが安かったので、いろいろおうちごはんが増えそうだからと購入したら、家にすでに1本ストックしてあったのを流しの下から発見。とほほ。そんな個人的事情でめんつゆジャンジャン使おうキャンペーン開催中。

だもんで、ここでめんつゆをジャーっと回しかけて、味を調えちゃう。いったんかなり和風の味になるけど、カレーの隠蔽力はすごいのでご心配なく。あとできっちりカレーになる。むしろ、スパイスにない部分の甘みやコクなどの中味を補ってくれるので、めんつゆ、かなりいいです。

個人的にはあまり色が悪くなるとイヤなのでピーマン系はこのへんのタイミングで入れる。しなしなが好きな人は早めに投入も可。トマトがつぶれて、ピーマンに程よく火が通るまで炒める。

あとはカレー粉。

もういい加減面倒に感じてきた人は、カレー粉を入れて塩コショウで味を調えて完成。

なんだけど、スパイスカレーに憧れるあまり私はいろいろターメリックとかカルダモンとか、コリアンダーとか買っちゃっているので、目分量でそれらをミックスして入れている。なんかいまだにベストの比率はわからない。あまり真面目に突き詰める気もない。

ターメリックは入れすぎると真っ黄っきになるので注意。小さじ１とかで充分じゃないかなあ。

全体にカレー粉がなじんだら出来上がり。カレー粉を入れて少なくとも１〜2分炒めたほうが粉っぽさがなくなります。

いつもながらカレーは偉大。そして、煮込んでいる時間のない昼食にはキーマは本当にいい仕事をしてくれる。そのうえ、冷蔵庫で余っている半端者の野菜たちも行き場を見つけることができるという幸せメニュー。

余談だけど大阪はスパイスカレー文化が今アツい。旧ヤム邸やコロンビア８などの名店のキーマカレーは、塩味、甘み、苦味、酸味、香り、コク、全てのバランスが絶妙で、具材のチョイスも独創的で、もはや芸術の域。

くぅー、早く食べ歩きに行きたいなあ。

それまで、自家製キーマでがまん、がまん。