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家庭料理の極み? キャベツとニラのカレー鍋。

いろんなことが起こりすぎて、なかなか過ぎ去っていかない2020年も気がつけば10月に入り、いよいよお鍋のおいしい季節の到来ですね。我が家でもさっそくいそいそと土鍋を火にかけ、この秋最初の鍋料理と洒落込みました。

いや、洒落込んだのか? あまり深く考えずにそう書いたけどそんなに気取ったものでもないですね。というのも、作ったのは自己流もいいところの家庭料理の極み、カレー鍋なのだった。それもめんつゆとカレー粉で作れる超手抜きメニュー。いつだったか適当に冷蔵庫にあるもので作って、まあまあ悪くないと思ったので、そこからレパートリーに加えたような記憶がぼんやりある。

ここに開陳することで誰かにマネしてもらったり、感心してもらえるような工夫もこれといってないんだけど、何というかすごく人んち感のある料理だと思うのでヒマつぶしにでも目を通していただけたら幸いです。

材料は博多名物「もつ鍋」にちょっと似ている。

カレー鍋05

野菜は、玉ねぎ、キャベツ、ニラ。博多名物のもつ鍋を彷彿とさせるようなラインナップ。あと写ってないけど木綿豆腐も入れます。個人的にはこういうふだんカレーに入らないような野菜の組み合わせをカレー味にしてしまうところが気に入っている。

カレー鍋06

豚肉はいつもの庶民の味方、切り落とし肉。塩コショウ、酒をなじませておくのは少しでも味に奥行きが出ればという儀式のようなもの。冷蔵庫から出して少し置いておき、常温に戻しておくと土鍋にこびりつくにくい。これポイントです。

スパイスを炒める。たぶん省略できるけど、したくない。

カレー鍋07

土鍋に油を熱し、刻んだニンニク、唐辛子、生姜、クミンシード、マスタードシードなんかを炒める。分量は適当。

このへんも少なからず自己満足というか儀式のようなところがあって、省略できなくもないとは思う。最低限ニンニクと生姜、唐辛子は必須、と言いたいところだけど、まあどれもこれも省略してめんつゆとカレー粉だけで作っちゃうとおいしくないかと言われると、それなりにいけるんじゃなかろうか。むしろ味がすっきりしてそっちの方がおいしいという結果になる可能性も、なきにしもあらず。

でも楽しいからやる。そしてきっと味や香りに深みが出るはずと思いたい。

豚、玉ねぎの順に炒め、めんつゆで煮る。

カレー鍋09

スパイスがあったまっていい香りがしてきたら豚肉を炒め、玉ねぎを加える。玉ねぎがしんなり透き通ってきたら水をひたひたに注ぎ、めんつゆを大胆に3回しぐらいかけて煮込む。これ以降塩分は加えないので、この時点で味見。ちょっとしょっぱいぐらいがちょうどいい。

カレー鍋10

頃合いでカレー粉をどぱーん。スプーン1〜2杯見当なんだけど、カレー感をどこまで出すかはお好みで。

野菜とお豆腐を加えてできあがり。

カレー鍋04

キャベツを入れ、しんなりするまで煮る。追って豆腐も入れ、芯まで熱を通す。仕上げにニラを載せて、シャキシャキのうちに召し上がれ。

ニラを散らさずに並べ、飾りにニンニクと唐辛子を散らしてみたら、まずまずのもつ鍋もどきに仕上がったのが面白いなと、ひとりニヒヒと笑う。

鍋でもあり、カレーでもあり、そのどちらでもない。

カレー鍋03

味はですね、たぶんご想像の通りです。正直に言って鍋としてもカレーとしても中途半端、どっちつかずの料理だと思う。スープカレーとも違う。でも味は太鼓判。きっとみんなが大好きな味である。

いつも目分量で味つけしているけど毎回それなりに安定した味になる。そのへんはカレー粉とめんつゆの魔法でもあるのだろう。キャベツや玉ねぎの甘みが全体を調和させてくれている、というところも大きい。

カレー鍋02

豆腐がいることでかろうじてこれは鍋料理なんだというビジュアルになって、どうにか落ち着く。もちろん、豆腐もカレー味にすんなり染まって違和感は全くない。

家庭料理の極み、だと思うのです。

カレー鍋01

いろんな料理のルーツや系統を度外視して、肩肘張らず、チャチャッと適当に作る。これはある意味家庭料理の極み、醍醐味ではあるまいか。たとえば朝から「ようし今日はあれ作って食べるぞう」という気合いを入れることもなく、かえってその気軽さゆえに、気がつけば毎シーズンそれなりにローテに登場してくるという絶妙なバイプレイヤー感。

この秋冬も、きっとあと2、3回は作って食べるんだろうなあ。

もしこういう類いのカレー鍋、うちではやってみたことないわ、という方がいらっしゃったら頭の片隅にでも置いておいてくだされば幸せです。

ごちそうさまでした。


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