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マルドゥエネルギーを通したタイムレス雑感

8月中旬から同月末まで半月近くマルドゥエネルギーを回し、ダイヤ2からミシック200位台まではこのデッキで駆け抜けてきた。多くをスマホでプレイしたため、戦績が収集できおらず(untappedが使えてない)、感覚的なところも多分に含まれているが、自分なりにマルドゥエネルギーというデッキを振り返っていく。


1.デッキ全体の特徴(全体像)

私が回しているリスト。一般的なものとは若干異なるがその所以は後述。

テーブルトップではヴィンテージのみ許された最強格の相棒である《夢の巣のルールス》を相棒にとり、環境における屈指の低マナ優良カードを叩きつけ、「エネルギー」というキーワード能力を軸にシナジーさせることで、マナ以上の強さを発揮していく、真正のフェアデッキ。アーキタイプとしてはアグロよりのデッキと考えられるが、優秀な採用カードらによりミッドレンジにも立ち回ることが可能。

エネルギーシナジー(というより、もはやエネルギー使ったパワカ)

「真正のフェアデッキ」であるがために、アンフェアな動きに弱く、カラーリング上、アンフェアへの対策は黒を中心としたハンデス、白を中心とした妨害クリーチャー、置物に割かれるが、デッキの本筋であるアグロ戦略を阻害させる動きとなり、相手に妨害を対処させる時間を与えてしまうが、その間で差し切れるかどうかというゲーム観になる。

一方でフェアデッキとしては環境最強格であり、低マナから早期に展開することで生み出されるシナジーは脅威的な押し付けであり、雑多なデッキについては蹂躙が可能。除去コンに対してはこちらの生物を綺麗に捌かれてしまっては厳しい場面もあるが、相棒であるルールス、2マナのエネルギーエンチャント《黄泉がえる悪夢》を活用したリソース回復手段も用意されており、継戦能力は高い。生物が横に広がりやすい、本体火力を飛ばせるPWが存在する、相手の除去に合わせて生物を火力(1点)に変換できる等、ライフの詰め方も一辺倒ではなくコントロール相手に対処の難しさで迫っていく。

2.採用カードの評価

<4枚枠>

《魂の導き手》
・デッキの軸でもあるエネルギーを稼ぎ出す数少ないクリーチャーであり、後述する《オセロットの群れ》とのシナジーを形成する、デッキの中でも最重要格カードの1つ。
・並べて誘発効果を複数出しても強く、稼いだエネルギーの注ぎ先も自分で有するという自己完結のカードであることが強い。場に残りにくいのでケースとしては限定的だが、《敏捷なこそ泥、ラガバン》に飛行を付与して、宝物や相手のカードを得続けるという展開もある。

《オセロットの群れ》
・先述の《魂の導き手》との強シナ。重ねて引けば誘発の効果は更に倍率ドンで、序盤のブン回りに役立つとともに、1マナクリーチャーの課題とも言える、序盤に来なかった場合の弱さも《魂の導き手》の誘発効果によってクリアされている。
・タイプが「猫」である点も非常に優秀。先制攻撃があるとは言え1/1/1は貧弱なサイズであるが、後に《ナカティルの最下層民、アジャニ》を添えてあげると、アジャニの変身を嫌うような場面を作れば、実質アンブロとして機能し、その後場にトークンを増やしてくれる。
・エネルギー吸収マンこと《陽光浄化者》を相手が場に出し、こちらが対応に苦慮している場面でも《魂の導き手》とシナジーを形成してくれる、エネルギー軸とはズレた戦術の1つとして活躍してくれる。

《思考囲い》
一般的なリストとの最大の相違点。一般的なリストに入れられている《巨大戦車の行商人》2枚、《電気放出》2枚を排し、その代わりに《思考囲い》4枚採用したもの。
・一般的なリストではメインからのハンデス手段として《巨大戦車の行商人》が採用されているが、なるべく1マナで細かく動きたいことに加え、《色めき立つ猛竜》を最大限強く使えるために空うちになりうる除去のカードはもう少し少なくしたいとの考えから。
・デッキの構造上、アンフェアに対しては不利であるものの、環境のアンフェアデッキは2枚コンボであることが多いため、片割れとなるカードを落とし動きを遅くしてあげると、こちらの方にも勝ち目はある。ただ、2マナである《巨大戦車の行商人》は+1マナとは言え、このデッキには重く、売り飛ばされた戦車は相手に《信仰無き物あさり》や《渦巻く知識》にてしっかり別リソースに替えられてしまう。
・アンフェアに対しては有効なカードだが、フェアであるミラーにおいても動きは及第点。様々なシナジーを形成するこのデッキにおいて、ハンデスはシナジーの形成を妨害することが可能であり、逆に相手の除去カードを抜くことでこちらのシナジー形成も可能となる。2点ルーズが気になるかもしれないが、ミラーにおいてもライフレースというよりどちらが先に強固な盤面を形成できるかという盤面上での攻防が優先されるため、そのボードアドバンテージで優位に立つ(ボードに繰り出される前のリソースを弾く)、という点でハンデスは上手く作用してくれる。
・とは言っても、ハンデスで覗いたら抜きたいカードが複数ありテンポとして上手く作用しないというのはあるあるなので、「及第点」としか言えない。ミラーではサイド後に若干減らしても良い。

《色めき立つ猛竜》
恐らくこのデッキで最も強いカードであり、最も弱いカード。最も強くするためのプレイングが求められる。
・デッキの全体像で説明したとおり、本デッキは環境屈指の低マナ優良カードが集められており、本カードは疑似的に「環境屈指の低マナカード」+「2/2/1先制攻撃の赤クリーチャー」となる、テンポもリソースも取れる最も強いカード。
・逆に最も弱くなる場面としては、相手に生物がいない場合での除去カードの空うちになること、《色めき立つ猛竜》自身が捲れてしまうことである。後者についてはやむを得ないが、前者については、除去したい生物が相手の場にいる場合に唱えたり、私のように構築段階でそのカバーをする(除去を減らしてハンデスを入れる)ことが求められる。とは言え、低マナをテンポよく唱え続けたいデッキではあるため、除去が捲れないようにとお祈りしながら唱える場面もあり得る。
・最も弱いカードになりうる最たる例は、相手の場に《陽光浄化者》がいる場面。それでもデッキに限られた「赤いパーマネント」であることから、相手が《陽光浄化者》を入れてるからと言って抜くにはデッキの構造が崩れてしまいかねないことから、《陽光浄化者》を対処する札を備えておくことが重要となる。

《オークの弓使い》
・説明不要の強カード。相手が盤面を逆転するためにうってくるドロースペルに対してプレッシャーをかけられる。
・本体はもちろん、横に広がる軍団トークンも強力で、《魂の導き手》とシナジーすることはもちろん、《ゴブリンの砲撃》と上手く組み合わせると、トークン出る→砲撃で1点飛ばす→トークン出る→砲撃で1点飛ばす…と直接火力への変換も可能。
・相手がなかなか対処してくれない猫クリーチャーに本カードで1点飛ばすことでアジャニをブチ切れ(変身)させることも可能であり、意外とシナジーの形成に一役買ってくれるカードだ。

《ナカティルの最下層民、アジャニ》
・《魂の導き手》同様、デッキの中でも最重要格カードの1つ。エネルギーギミックが強力なボロスカラーに迎合するかのようにボロスカラーで強さを発揮するカード。伝説のクリーチャーでありながら、重ねて使うと1枚は変身し、1枚は場に残り、トークンは追加されるという、何枚引いても嬉しいカード。
・デッキの特徴としてクリーチャーが横に並びやすく、忠誠度能力0の火力飛ばしが強力。強力にするためにデッキ内の赤いパーマネントをある程度担保しておく必要がある
・《ゴブリンの砲台》を先に置ければ、即変身可能。相手が除去を構えてそうな場合は、変身のタイミングをずらすことも考える必要がある。

<3枚枠>

《静牢》
・ソーサリータイミングとは言え、1マナで土地以外のパーマネントに触れるのは非常に優秀。厄介な相手のクリーチャーはもちろん、厄介な相手の非クリーチャー(砲台、ネクロ系、PW)にも触れることが可能。
・維持コストがシビアになる場面も多く、場に2枚並ぶとかなり厳しくなる。便利ではあるが、1ゲームに1枚、多くて2枚使えたらという観点でも3枚が適正だと考えらえる。
・《色めき立つ猛竜》から捲れ、何も対象に取れないことがたまにあるが、とりあえず場に出して置きエネルギーを得、次ターンでエネルギーを支払わず自壊させれば、後に相棒のルールスからテンポよく出せる除去として活躍できる。

《ゴブリンの砲台》
・これまで述べてきたとおり、《ナカティルの最下層民、アジャニ》等、デッキ内の様々なカードとシナジーする重要なエンチャント。《オセロットの群れ》で増えた猫トークンを砲台に詰め込むことも良くある(心は痛い)。
・タフ1が多いこのデッキにおいて、相手の《オークの弓使い》から生物を守る(守っては無い)ためにも使える。対象にとられた際に砲台に詰め込んで火力に変えれば、相手の《オークの弓使い》のトークン生成をフィズらせることが可能。大抵の場合は対象に取られたクリーチャーを砲台に詰めて、相手の《オークの弓使い》を除去することになる。
・環境にエンチャントを触るカードが少なく、頼もしい置物として最後まで残り続けることが多い。
・デッキの中でもかなり強いカードで1枚は引き当てたいのだが、重ねて引いては意味が無いという点が痛く、ゲーム中1枚引ければ良いという3枚採用の理論に基づき、3枚となっている。

《敏捷なこそ泥、ラガバン》
・アリーナで唯一使えるフォーマットであり、有名なパワーカードではあるが、採用に最も頭を悩ませている枠
・書いてある能力はただ強なのだが、どこまでいっても1/2/1。相手から《オセロットの群れ》を返しに出されただけで殴れない場面はあり、環境に多い《オークの弓使い》の格好の的。
・4枚枠で説明した《魂の導き手》や《オセロットの群れ》と異なり後半で仕事をしにくく、非常に腐りやすい。疾駆により不意をうてることはあるが、2マナで場に残らないのはこのデッキにとってテンポロスの側面が大きい。
・それでも3枚入れている理由としては、赤いパーマネントであることが大きい。《色めき立つ猛竜》や《ゴブリンの砲台》では不足の感があり、最悪、殴れなくて止まっているとしても《ナカティルの最下層民、アジャニ》の0能力の火力に貢献できるのであれば仕事はしている。相手から止めないといけない危機として残るのであれば除去の的にもなってくれる。
・苦手デッキであるショーテルに強いという点も特筆すべき点。ショーテルは除去が少ないため、ラガバンを放置されることが多く、もちろん相手のカードはほぼ使えないのだが、生み出される宝物1が非常にありがたく、こちらの細かいアクションの追加の動きとして役に立ってくれる。

<2枚枠>

《剣を鋤に》
・白最強格の除去。《静牢》と違って生物にしかあたらないこと、《色めき立つ猛竜》の空振り要素でもあることから、メインから多く採用することはできないが、ミラーはもちろん、《超能力蛙》、《火の怒りのタイタン、フレージ》、ソリンから出される強力な吸血鬼生物等、対処したい生物は多く、相手によってはサイドから追加で取り、4枚とすることもある強力なカード。とは言え、苦手デッキであるショーテルには腐りがちなので、メインは2枚に抑えてある。

《電気放出》
・除去としては《剣を鋤に》に劣るが、《色めき立つ猛竜》から捲れたときに少なくともエネルギーを増やしてくれるため、という消極的な採用。もちろん、3エネ生んでタフ1、2を対処することで、後に必要なエネルギーの貯金として使う、PWにも飛ばせるという点でも《剣を鋤に》に勝る点もあるが、個人的には対処できないクリーチャーがいること、《陽光浄化者》の前では完全な無力と化してしまうことから、2枚採用に抑えた。

《黄泉がえる悪夢》
・黒のエネルギーという珍しいカード。デッキの多くが2マナまでの生物なので大抵の場合はリアニが可能。並ぶだけで意味を成していない1/1クリーチャーをリアニの種に変換できる他、アジャニをブチ切れさせるためにも使われる。1度対処されてしまったルールスをリアニできるカードでもあり、ゲームレンジが長期化し消耗戦となった際に真価を発揮する。序盤で引いてしまってもテンポが喪失されてしまうだけの可能性もあるため、2枚採用に留めている。

《サイドボード》

《夢の巣のルールス》1枚
・説明不要の相棒枠。そもそもではあるが、ルールスを採用しないで《血染めの月》や《火の怒りのタイタン、フレージ》を採用することも考えられるが、黒をタッチして優秀な《オークの弓使い》を採用している以上、マルドゥカラーで3マナ以上のパーマネントを採用する必要はないものと考えられる。軽さは正義。

《静牢》1枚
・除去を多くとりたいなと考えるミラーでも採用。瞬間的ながら《陽光浄化者》を対処できるカードでもあるため、《電気放出》との入れ替え枠にもなる。

《剣を鋤に》2枚
・メイン欄で記載したとおり。最大4あっても良い。こちらも《陽光浄化者》が入れられそうなマッチアップでは《電気放出》と入れ替えの枠にもなる。

《苛立たしいガラクタ》3枚
・苦手なショーテルへの対策用。ショーテルへの対策は置物で行っていくが、そこに《活力の力》を当てられ、返しにショーテルされてしまうので、その《活力の力》を抑えるためにも採用されている。
・実際のところは母性樹で割られることもあれば、最もよくあるケースとして《夏の帳》によって《苛立たしいガラクタ》の上から通してくる可能性があるため、妨害効果は限定的だと考えており、見直すべきサイド枠と考えている。
・そんなこんなで、現在はサリアをお試し中。

《巨大戦車の行商人》2枚
・ショーテル等のアンフェアなデッキに対してサイドインするもの。先述したとおり売り飛ばした戦車を有効活用される場合があるが、肉であるという点が重要であることもあり、サイドから2枚採用。
・もしかしたら《強迫》、あるいは《大洞窟のコウモリ》でも良いのかもしれない。

《未認可霊柩車》2枚
・《変容する森林》から《全知》を出してくるショーテルやリアニメイトをしてくる黒単SCAM等にも入る。
・ディミーアルールスとのマッチアップにおいて、置ければ戦局を有利に進められるキーカードでもある。

《攪乱のフルート》2枚
・《一つの指輪》を使ってくるコントロール系の相手や、ソリン・《ネクロポーテンス》、《変容する森林》の起動型能力を抑えるためにも使用。
・相手のショーテルを指定して使用を遅らせるためにも入れられる。

《陽光浄化者》2枚
・ミラー用。旧ヒストリック環境と比べ、《剣を鋤に》もあるので、過信は禁物。刺さってくれたら良いなという気持ちで送り出す。

3.環境の主要デッキとのマッチアップ

《ディミーアルールス》

まずはディミーアルールスの有識者であるくろきさんのnoteを参考にしてみよう。

エネルギーに対しては、当初不利と感じながら、今では有利と感じるようになったとのこと。私としても「当初は有利と感じ、今では微有利程度」との認識。ちなみに現在のリストになる前にくろきさんとラダーで当たったが、惜敗しているので大きくは言えないところではあるのだが…。一応、私の現在のリストの場合だと《思考囲い》がメインから4枚取られているため、構えがちなディミーアルールス相手には上手く立ち回れている(くろきさん以外の使い手狩ってるだけの可能性はあるが)。
負け筋はやはり消耗戦の末の《宝船の巡航》。アーキタイプは異なれどフェアデッキ同士の対決ともあって互いのカードを交換し合う展開が続くと、《宝船の巡航》を有しリソースの回復ができる上に、《神秘の聖域》によりトップ操作が可能なディミーアルールスに分が上がってしまう。もちろん、こちら側も《色めき立つ猛竜》や《黄泉がえる悪夢》といったリソースを取り返すカードはあるが、ドロースペルを有し、フェッチが《神秘の聖域》になるディミーアの方が有利と考えられる。
勝ち筋としては、先述の消耗戦になる前に先にこちらで強固な盤面を築き上げ、早期にライフを削りきること。言うは易しで、手札にあるカードを叩きつけていけば勝てるという訳ではなく、以下なのようなプレイを心がけている。

・《ゴブリンの砲台》やサイドからの《未認可霊柩車》のような相手が触れにくい置物は、通りそうなタイミングで優先的に唱える。《呪文嵌め》は厄介だが先手なら2ターン目に唱えたいところ。
・相手が《マナ吸収》を構えているであろうという時はなるべく1マナのカードを展開し、2マナのカードを差し出すのは控える。手札に2マナしかない上、ダブルアクションが困難な場合は、2マナを唱えず現況の盤面でライフを削っていくこともある。ただし、《オークの弓使い》は瞬速持ちなので、相手のエンド時に唱え、仮に《マナ吸収》されてもその後の展開が強く動ける(単にパーマネントを並べるだけでなく、ハンデス+パーマネントという展開も)のであれば、唱えることもある。
・全除去が《毒の濁流》を採用しているものが多いため、少しでもライフを削るために《魂の導き手》の強化能力はタフ2の生物(多くの場合は自分自身)に注いでいく。もちろん、相手の《オークの弓使い》ケアとしてもかくあるべき。
・こちらはあまりドローしないので、ライフを削る展開に支障が無いのであれば《オークの弓使い》は放置可。フェアマッチなのでリソースを増やされる《超能力蛙》になるべく除去は当てられれるようにする。

細かいプレイが大事になるが、それでも負ける時は負ける。相性については五分の体感

想定されるサイドボード
《OUT》
《敏捷なこそ泥、ラガバン》×3
《黄泉がえる悪夢》×1(お好みで2枚)

《IN》
《剣を鋤に》×2
《未認可霊柩車》×2
(お好みで巨大戦車の行商人1枚)
⇒《オークの弓使い》に弱い《敏捷なこそ泥、ラガバン》はもちろん抜け、招きたくない消耗戦で使う《黄泉がえる悪夢》は1枚減量、徹底するなら2枚でも肯定されるかもしれない。

《スゥルタイショーテル》

今度はショーテルの有識者である久代さん(茂里さん)のnoteを参考にしてみよう。

最強デッキとのこと(私もそう思い始めてはいる)。
真正のフェアデッキであるマルドゥエネルギーでは分が悪い。3ターン目にショーテルから全知を決められるとそのままフィニッシュまでいかれてしまう。メインは相手がショーテルと全知・アトラクサを揃える前に、こちらでライフを詰め切るしかない。

想定されるサイドボード
《OUT》
《電気放出》×2
《剣を鋤に》×2
《ゴブリンの砲台》×1
《黄泉がえる悪夢》×2

《IN》
《苛立たしいガラクタ》×3
《巨大戦車の行商人》×2
《攪乱のフルート》×2

サイドからはショーテルを妨害する置物を中心に展開しつつ、ハンデスでも妨害を目論見、ライフを早期に削ることを目指す。言うは易しでライフを削りたいが妨害ばかり引いてしまったり、ライフを削るカードばかりで妨害を引けなかったりと、ドロースペルが無いこのデッキでは思うようにプレイできない難しさはあるが、愚直にプレイしていくしかない。

《黒系SCAM》

Tier1をマルドゥエネルギー、青黒テンポ、ショーテルとすれば、Tier1外とはなるが、ダークホース的な立ち位置ながら、環境随一のアンフェアデッキであり、ブン回ったときは手が付けられないし、先手で事実上の1ターンキルを決めてくるデッキでもある。

通常のマルドゥエネルギーであれば、微不利ではあるが、私の《思考囲い》4のデッキは相手から見れば既にサイド後のような構成をしており、カードの絵合わせが必要な黒単SCAM系にとってはハンデスがしっかり効いてくれる。とは言っても、もちろんトップで解決されることもままあるので、相性は運次第(五分…?)

想定されるサイドボード
《OUT》
《電気放出》×2
《ゴブリンの砲台》×2
《黄泉がえる悪夢》×2
《静牢》×1

《IN》
《巨大戦車の行商人》×2
《剣を鋤に》×2
《攪乱のフルート》×1
《未認可霊柩車》×2
⇒出されてから対処のカードである除去より、事前に弾くハンデスや妨害で先回りして対処していく。

《ボロスエネルギー(ジェガンサ型)》

ほぼ同じデッキだがこちらの《オークの弓使い》、《黄泉がえる悪夢》と相手の《火の怒りのタイタン、フレージ》、《鏡割りの寓話》、《血染めの月》が差分要素。
ゲームレンジが長くなると相手のフレージに制圧されてしまうため、なるべく序盤で詰めていく。序盤において互いの盤面を形成するにあたっては《オークの弓使い》を有するこちらが有利。この序盤でのレンジを意識出来れば、相性は微有利であると考える。
当然ではあるがフェッチから沼と平地をなるべく早く持ってくる。1マナだけでも色マナが出れば十分に戦える。デッキに白が多いため優先度は平地。

想定されるサイドボード
《OUT》
《敏捷なこそ泥、ラガバン》×3
《電気放出》×2
《思考囲い》×2

《IN》
《剣を鋤に》×2
《静牢》×1
《未認可霊柩車》×2
《陽光浄化者》×2 
⇒黒が無い分、エネルギーにギミックが寄っていることもあり、《陽光浄化者》は上手く効いてくれる。逆に相手も《陽光浄化者》を繰り出してくるため、対処できなければ完全な死に札となる《電気放出》はアウト。除去を《陽光浄化者》が出ても活きる札へと変えていく。相手もクリーチャーが多く並ぶため《敏捷なこそ泥、ラガバン》は全抜き。フレージの脱出は形成を大きく劣勢とさせるため《未認可霊柩車》で脱出を防ぐ。

《ミラー》

どちらが先に強固な盤面を作れるかという攻防において《思考囲い》がキーになるというのは触れたとおり。サイド後は除去を増やし、相手の盤面妨害も積極的に行っていく。ミラーである以上相性は五分だが、ハンデスが多いこちら方が適切なプレイをできることもあり、一般的なリストでのミラーであれば有利な展開にもっていけることが多かった。

想定されるサイドボード
《OUT》
《敏捷なこそ泥、ラガバン》×3
《黄泉がえる悪夢》×1
《電気放出》×2

《IN》
《剣を鋤に》×2
《静牢》×1
《陽光浄化者》×2
《未認可霊柩車》×1
⇒《オークの弓使い》に弱い《敏捷なこそ泥、ラガバン》はもちろん抜け、相手の《陽光浄化者》で機能不全とならないようにエネルギーが無いと厳しいカードは抜いていく。《静牢》はエネルギーのカードながら《陽光浄化者》に触れられる他、《ゴブリンの砲台》にも触れられるため増量。

4.総括

3.環境の主要デッキとのマッチアップで振り返ると、多くのデッキで五分以上の体感はあるものの、ショーテルに対しては分が悪い。同じくTier1格であるディミーアルールスがショーテルに対して強ければ、少しくらいはマルドゥエネルギーを握る理由が出てくるが、ディミーアルールスを使い込んだくろきさんすらショーテルに対しての分の悪さを感じている。Tier1をマルドゥエネルギー、ディミーアルールス、ショーテルと仮定するとショーテルの独り勝ちになっているとも考えられる。

半月近く回してきたこともあり、マルドゥエネルギーに愛着も沸いてはいるが、現状、ショーテルを上手く克服できる戦略を見出すことができていない。このデッキを使ってきたからこそ、ショーテルを使うのが肯定されることはよくわかる。

ただ、一種のコンボデッキである以上、悪目立ちすれば対策を多く積まれ、立ち位置を悪くするデッキでもある。私自身ショーテルはエアプ状態なので、予選までの期間、実際に使用もしてみて、ショーテル側の立ち位置も改めて確認することとしてみたい。


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