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ミュージックビデオ

短くまとめられた作品に詰まってる物語。
現実はショートムービーじゃないから、もっとずっと雑多なことにまみれがちだ。
それでも、記憶はいつも意味合いを含んで鮮やかに蘇る映画のよう。
過去になる前から鮮やかな、瞬間の煌めき。
めいっぱいに葉脈を走らせる葉と葉の合間からのぞく、突き抜けるような空の青。
イヤホンから言語野に届く、歌詞の余韻。
進化を続ける街の、天に高くそびえるビルとビル、光を受けたガラスはダイヤ。
歩道橋からのぞむ車の流れは大河のように都市をつなぐ。
人の造る、ビオトープみたいなジオラマの郷。
どこにも辿り着けない僕たちは、夢で見た地図を片手に歩いて行く。
飽食の空虚感から逃れて、まばゆい夕陽を浴びながら、歌いながら、笑いながら。
走りだして躓いて、照れ笑いも可愛くて。
花よりも、魚よりも、人と触れていたいから、やっぱり焦がれてしまうんだ。
恥ずかしげもなく、性懲りもなく。

夏の名残はグレープフルーツの月明かり。
積乱雲の深夜、鳥の寝言と異国の調べ。

映像と文章は、仲睦まじく、それでいていつまでも譲り合わない。

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