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木を森もみせる

「何をやっているのかわからない」「言われたことだけやればいいんですよね?」という残念な言葉を面談の中で聴くことがあります。ややもするとやる気がない、自主性がないという言葉で片づけられそうですが、人財育成の観点からすると、何をすべきかが届いていないのでは?という疑いの可能性があると感じています。部下指導や育成の際のポイントである「木も森もみせる」について綴ってまいります。

木を見て森を見ず

「木を見て森を見ず」というのは

物事の細部にとらわれると、全体を見失う

という意味のことわざです。目の前の木だけを見ていると、森全体をみることができないということから、些細なことにこだわりすぎると、ものごとの本質や全体像を見落とすことがあるという格言として使われます。

仕事の進め方など、小さなことにこだわりすぎて全体が見えなくなっていない時、自分の担当する仕事のみを考えて全体をおろそかにする場合の戒めの言葉となります。

しかし、特に人手不足が常態化している現場では、ひとまずやってほしい、埋め合わせてほしい部分のみのTo doを伝達して現場を穴埋めするケースは多いものです。いずれ、そのうちに...といううちに時間も経過し、長く在籍するだけでそれ以外を知らずに過ごすということも実は多かったりします。そうなると「何をやっているかわからない」や「言われたことだけやればいいいですよね?」なんていう言葉が飛び交うのは仕方ないかもしれません。

部下の指導や育成、いわゆる人財育成の観点からすると、小さなことや細部を意識することは知識や行動面においては特に重要視しますが、マインドセットや主体性を引き出す時には、全体像を意識することをポイントにしています。

木も森も見せる

部下指導や人財育成において、いわゆる木の部分、それぞれの部分の業務や役割を伝えるだけでなく、全体がどこに向かっていてそのうちのどの部分に位置している、そこが機能することで、全体へどう影響を与えるか、という森を見せること、その両輪を意識させることが大事だと感じます。

それが互いに関連しあっていること、つながりを見せることは、自身の役割を自覚させお役立ち感や貢献欲求の引き出しにつながるからです。関連づける、紐づけるチカラはリーダーや育成者にとっても重要なチカラのひとつです。「木をみせ、森をみせる。そして森をみて、木をみせる」これを繰り返して、自身の立ち位置や役割をより明確にし導くことがポイントです。

木も森も見えたら感謝が生まれる

人財育成は長期的な関わりが多いですが、イベント時のサポートといった短期的な関わりの場合においては、この「木も森も見せる」を常に意識することで、一事的な関わりという出会いから、継続的かつ長期的な関わりにつながることがあります。

たとえば、イベントの駐車場案内、会場受付といった一見誰でもできそうと軽く扱われがちな業務内容でも「木も森も見せる」ことで、来場者のイベントの満足度をあげ、自己肯定感や自己効力感があがり雇用されたことに感謝することにつながることも多々。一緒に働きたい、次回もエントリーしたい、そんな連鎖を生み出せるのが「木も森もみせる」ことの醍醐味ではないかと感じています。

今日もイベントオペレーションで2日間のみ雇用の数人のスタッフからもこんな声がありました。「こんな機会を与えてもらってありがとうございます。イベントの趣旨や関わる人の想いに触れられ刺激になりました!その上お金をもらえるなんてラッキーです」という喜びの声が。

長い人生からするとほんの一瞬の出会いや関わりであったとしても、何かひとつでも価値を感じたり、自己肯定感や自己効力感につながる時間をシェアできることはやっぱり楽しいなあと改めて感じました。

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