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きっかけの話 ~ 46歳。一人暮らし、はじめました。②

46歳になって、始めて一人暮らしをした私の話。前回の内容は以下のURLから読めます。

https://note.com/happyfamilyplan/m/me72bdc1fc941

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私の収入はずっと少なかった。今も少ない。結婚もしていないのに、私の収入は「扶養控除の範囲内」ぐらいの額だった。何故そんなに少ないのか。それはまた別の機会を書こうと思う。

今は派遣社員として働いている。この派遣の仕事で「扶養控除の範囲内」以上の額をやっと手にすることができた。それでもかなり収入は少ないが、この仕事を得たことで「あれ?一人暮らし出来るのでは?」と思えた。だが、お金の問題がクリアになったからと言って、すぐに私は一人暮らしを考えた訳ではなかった。

収入の少ない私が住める部屋は、どのくらいのものなのか。賃貸サイトで1番安い家賃の部屋の間取りを見ては、かなり古く狭い部屋に住むことを覚悟しなければと思っていた。
実家に私の部屋はあるが、決して広々とした部屋ではない。ベットと机(学習机ぐらいのサイズ)を置くと、体を横にしてしか歩けない。私の収入で住める部屋ならば、これ以上狭い部屋に、私と私の荷物全てを詰め込まねばならないだろう。そんなことできるのかと不安だった。
しかしコロナ禍を機に机を捨てたら、これはヨガが出来るぞ、と思う程のスペースが部屋にできた。これにより、あれ?私の荷物ってそんなに多くない?と気がついた。これなら狭い部屋でもそこそこ快適に住めるかもしれない。「もしかして、一人暮らしできるかも?」と思える材料が、もう1つ増えた。

一人暮らしで気がかりなのは、やはり家事。掃除、洗濯、そして食事。だが掃除はそもそも自分の部屋は自分でしていた。母が亡くなってからは台所とトイレと風呂の掃除が加わった。
食事も同様に夕食のみだが、父と自分との2人分を毎日用意していた。洗濯だけ父に任せてしまっていたが、自分の寝具やカーテン、セーター等は洗っていた。ここに日々の生活で使用しているタオル等が加わったとして、それがもの凄い負担になるとは考えにくい。
「あれ?一人暮らしできるんじゃない?」と自分が家事を出来る力を持っているのに気がついた。

とは言え、一人暮らしには初期費用が必要だ。少ない収入でどうやって貯めたら…と思っていたが、コロナ禍でどこにも行けない日々が続き、お金を使わない日々も続いた。これならもの凄く辛い節約をしなくてもお金が貯められそうだ。「あれ?本当に一人暮らしできるんじゃない?」と私は初期費用を貯めることにした。

こうして「一人暮らし出来そう」と思える事実とその根拠を少しづつ積み重ねて「もう実家で年を越さない」とぼんやり思い浮かべた。私はこの言葉をゆっくりと消化し、自分の頭に染み込ませて行った。同時にこの言葉を強く決心したり、意気込んだりはしないようにした。私は自分を信じていないから。

行動をする時、自分を信じている人は「衝動」がブースターになるのだろう。「気合い」が更に後押しするのだろう。それで前に進める人々は美しく輝いていると思う。
だが自分を信じていない私には、自分の「衝動」と「気合い」は全く当てにならない。私が私を動かすのに必要なのは、「事実とその根拠」だった。

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