言語化能力を高める
自分の中にある、言いようのない感覚、感情を言語化できたらいいと思う人は多いようですね。
今回は、私が思う、言語化能力の高め方などを含めて、お話していきたいと思います。
(タイトル画像は、言語化というキーワードだけで選んだため、本文とは関係ありません。面白さで選びました)
◆言語化を高めるために
□語彙力を増やす
基本的には、言語化を高めるためには、土台として、語彙、言葉をたくさん知るのが良いと思います。
語彙、ボキャブラリーが豊富でないと、どうしても、表現の幅が狭くなってしまいます。
4字熟語や、ことわざなどは、知っておいて損はないですし、教養として良いと思います。余談ですが、4字熟語のクロスワードパズルなどを、スマホのアプリなどでやると、知らない4字熟語がわんさか出てくるw
語彙力を増やすには、本や新聞、講演を聞くなどが良いと思います。
ただ、専門用語を増やすのと、語彙を増やすのは、若干違うと思っています。専門用語は、知ったかぶりになりがちなので、注意。
□代名詞の使用を減らす
「これ、それ、あれ、どれ」・・・「こそあど」言葉で有名な代名詞。
電話やZoomなどで、人にスマホなどの画面操作の説明をすることがあるのですが、
「ここをこうして」みたいな表現はなるべく避けるようにしています。
「画面の右上の、何々のマークをポチッと押して」と言っても、
「マークがなんだか、わからなかった」と返ってくるぐらいなので、
そうなると、
「黄色い、コインみたいなマーク」ともっと細かく説明していきます。
それぐらい、「ここ」にたどり着かせるために、たくさんの具体的な言葉が必要になってくるのです。
これをたいていの人は省きたくなるので、会話の中では、
「あれがさ~、これがさ~」と平気で言っていくわけなんですね。
言語化のためには、言葉を省かない【努力】が必要になってくるわけです。
むしろ、言語化を簡単にするために、画像を送るなどして、パッと理解させる工夫もアリです。
あくまでも、細かい表現を厭わないことですかね。
◆右脳と左脳の行き来をスムーズにする
カウンセリングの現場では、「ミラーリング」という手法が使われます。
これは、クライアントさんの話していることを全く同じように、コピーして返すということ。
厳密に言うと、このスキルも、ただマネすればいいというものではなく、クライアントが「そうそう、それを言いたかったの」と、「カウンセラーさんが分かってくれてる~」という感覚になることが目的です。
1つは、ラポール(信頼関係)の形成と言われています。
ラポールが形成されることによって、「この人には、もうちょっと話していいかな。心の扉を緩めてもいいかな」とクライアント側の心理が動きます。
もう一つは、繰り返し言ってもらうことによって、「右脳と左脳」の情報がスムーズに行き来できるというメリットがあります。
なぜ、このことを書くかというと、
例えば、クライアントが
「昔、犬に嚙まれたことがあるんです」と言ったら、
ある人は、大型犬に嚙まれたのをイメージするかもしれないし、
ある人は、小型犬に嚙まれたのをイメージするかもしれない。
もっと言ったら、甘噛みだったのか、酷く吠えられて、嚙まれたのか、わからないので、聞いた方は勝手にイメージが膨らみます。
でも、話している人からすると、イメージは浮かんでいる訳です。
そこで、聞き手のカウンセラー側では、自分のイメージを横に置きつつ、「昔、犬に嚙まれたことがあるんですね」と、一回返してみる。
「そうなんです、今思うと大して大きくない犬だったかもしれないけど、小さい頃の自分にとっては・・」と、話が進んでいきます。
こうなると、クライアントも、スムーズに情景を話してくれたり、もっとその時の感情、気持ちを言語化することが簡単になってきます。
ところが、下手にカウンセラーさんが「犬に噛まれたことがあるんですか?大きくて怖かったでしょうね?」と余計なことを言うと、
そこでクライアント側では、
「いやいや、そうではなくてですね・・」
と「犬のイメージ」を伝えることに必死になり、その時の感覚・感情を思い出すことが止まってしまうのです。
そうなると、過去の心傷風景に繋がるよりも、正しいことを伝えなきゃという別の感情・感覚になり、カウンセリングは、うまくいきません。
つまり、同じ「犬」であっても、右脳の方に描いているイメージは、人によって違うんですね。
このミラーリングがうまくいくと、人は、もっと深く、もっと詳しく話せるようになってきます。
つまり、【右脳(イメージ)】と【左脳(言葉)】がスムーズになった瞬間というか、スイッチが入るのです。
このスイッチがうまく働くと、ドンドン、イメージ(右脳)⇒言葉(左脳)の流れがスムーズになり、言語化がしやすくなる。
一人でやるのは、なんとなく、やりにくいかもしれません。
(一人オウム返し?)
でも、こういう体験を重ねていくことで、右脳⇔左脳の情報の行き来がスムーズになり、言語化能力が高まると、私は思っています。
たぶん、過去に、そういう体験をしたから、私の言語化能力は、普通の人よりは、あるのかもしれません。
◆言語化は、完璧ではない
言語化は、完璧ではないです。
というのも、無理に言語化をしようとすることで、その時に感じていた微細な感覚・感情がどこか消えてしまうことがあるからです。
微細な感覚を感じ続ける方を優先するか、言語化を優先するかは、人それぞれで良いと思います。
私も、聞かれても答えられない感覚などはありますし、特にスポーツなどの競技を行っていると、昔の長嶋監督のように、
「シュッと来て、バーンと放つ」みたいな、擬音語でしか、伝えられない感覚優先のこともあります。
また、人間国宝なみの技術者ともなると、言葉で伝えるより、「見て覚えろ」としか、言いようのない世界というのはあると思うのです。
空気感、力の入れる場所、息遣い。
一子相伝にするしか、無理な感覚。勘所。
超一流になればなるほど、言語で伝えられるのはごく一部。
もちろん、文字や言語化することができれば、その技術などは、他の人にもトレースしやすくなる。
よく、有名シェフが、
「やった!ついに長年の研究が実った。究極のソースが出来上がった!」と喜んだとします。
それを、一般の人が再現するには、どれぐらいの時間が必要ですか?という問いに、ソースのレシピがあれば、2~30分でできてしまいます、というオチ。何も、同じように年月を掛ける必要がないというのが、レシピや言語化の良いところなのかもしれません。
再現するには、確かに、言語化能力は便利。
でも、それは、あくまでも、ベース(基本)を伝えるためのもの。
人には、理屈ではない何かも、あると思っています。
理屈ではない、何か?を表現するには、言語化は限界があるんです。
だから、言語化に囚われないでくださいね、というのが、私からの一言。
◆感覚、感情は、無理に抑えない
たぶん、感情に振り回されるのが、嫌という方が、言語化できたらいいだろうに。。と思うのかもしれません。
言いようのない怒りだとか、若いときには、どうしようもなく、モノを投げたりして、お気に入りのペンをダメにしたりした記憶もあります。
まぁ、そうやって、モノに当たってみても、別の悲しさを生むということもわかったということも、いい経験だったなと思うのです。
怒りや悲しさ、虚しさ、いろんな負の感情があると思いますが、それを味わいきることができるのは、人間ならでは、だと思います。
だんだん、その負の感情を記憶として、持っておけるようになると、他の人の負の感情もなんとなく理解できるようになってきます。
そこに、言葉はいらないと思うのです。
「あぁ、今、この人は、こんな感覚、こんな感情なんだろうなぁ」って。
そういうことが積み重なってくると、人としての深みというか味わいが多くなってくるんだと思います。
懐の深い人というのは、いっぱい、いろんな感情や感覚を味わってきた人だと思うんです。
机上の学問ができる人よりも、人といっぱいぶつかって、いろんな感情・感覚を味わってきた人に、皆、人が集まってくるのも、なんとなくわかるんです。
◆うまく表現しようとしなくても
変な話、うまく表現できなくても、うまく言語化できなくても、「伝わる」ことってあるんですね。
逆の言い方をすると、
「うまく伝えているつもりが、まったく伝わってないことがある」んです。
「伝わる」と「伝える」は全く別物。
この価値観を、きちんと押さえてないと、指導力や、育成力は高まりません。
「伝えたんだから、伝わっているはず」が、一番、教育現場では、危険なこと。
だから、「できる人」が人を育てられないということが起きるんです。
スピーチなどでも、感極まって、言葉が出ない場面てあると思います。
でも、「伝わってくる」ものがあるから、言葉だけじゃない「感動」が生み出されたりすることがあるんです。
「何を伝えたいのか、わからなくなったら」 の記事の中の「◆伝え上手になろうとしない」のところでの、私のエピソードも、まさに、そんな感じで、伝え上手じゃなくても、伝わる体験だったシェアをしています。
◆結局、言語化は良いの?悪いの?
言語化を高める方法を伝えておいて、言語化は完璧じゃないとか、高めなくても伝わるとか、書いているけど、結局のところ、どっちなの?という声が聞こえてきそうです。
個人的には、どっちでもいい、という感じです。
というのはですね、私自身は「言語化が好き」なだけなんですよね。
そして、結果として、人よりは言語化がどうやら、できるらしい。
そういう認識です。
でも、言語化ができようが、できまいが、「私という人間の価値には、何の影響もない」というのが、正直なところです。
だから、もし、あなたが、言語化が好きでもないのに、無理やり言語化能力を高めようとするのも、違う話だし。
言語化能力が高くなくても、美味しいお菓子を作れるとか、おしゃれな洋服を作れるとか、漫画やアニメのことを語らせたら右に出るものはいないとか。
「あなたが、あなたらしく表現できるものを、高めていけばいいんじゃないでしょうか?」というのが、私のお伝えしたいところ。
その上で、「でも、この部分をうまく言語化したいんだよなぁ~」と思えば、最初の方に、書いた、語彙を増やすとか、代名詞を減らして具体的に言う方法を取るとか、オウム返しを使って、イメージ⇒言葉⇒イメージ⇒言葉の連想ゲームをスムーズにさせるというのは、大事だと思います。
前々回に書いた記事にもあるように、「感覚は多次元」と思ってまして、多次元情報を3次元に下ろすのが「言語」と言うとらえ方を、私はしています。
だから、多次元の情報をどれだけ3次元にインストールすることができるか?
その遊びをしているだけ、というのが、今の私の感覚です。
そして、できることなら、言語よりも多次元に繋がる感覚の方を、大事にされていって欲しいなと思っています。
(あえて、優先順位をつけるなら?という意味でです)
将来的には、感覚も言語化も高まってきたら、面白いと思うのです。
あなたが、あなたらしくあるために。
あなたの人生のヒントになれば、幸いです。
あなたの人生が良くなるよう、心から応援しています。
今回も記事をお読みいただきありがとうございました。
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