中高年ひきこもり――支援の鍵は

2019年9月22日(日)、2019年9月23日(月)、2019年9月24日(火)

中高年ひきこもり――支援の鍵は(上) 「SOS」待たず出向く

大阪府豊中市社会福祉協議会 勝部麗子さん 断られても何度も接触

#COMEMO #NIKKEI

(以下一部転載)
社会から孤立した中高年の人をどう支えるかが問われている。推計ではひきこもった状態の40~64歳が61万人に上る中で、福祉の最前線で問題に向き合う専門家に支援の鍵を聞いた。…

「8050問題は内閣府が3月、自宅に閉じこもる40~64歳が全国で推計61万人いるという調査結果を発表して一気に関心が高まった。地域福祉の現場を見てきた経験から見れば、この調査の結果は意外ではない」…

恥ずかしさや自身を責める気持ちなどを理由に、成人した我が子の問題を周囲に打ち明けられない親も多く、支援を難しくしている

「行政などは福祉の相談窓口を設けているが、家庭の問題で困っている人は自ら助けを求められないことも多い。支援する側から何度も接触を試みる『アウトリーチ』の姿勢が大切だ」…

――接する上で配慮すべき点は。

「ひきこもり状態の人を訪ねる際、自分が大切にするのは『支援ではなくスカウトする』意識だ。絵や工作など対話の中でその人が好きなことを見つけて引き出していく」…

支援する側がSOSを待つのではなく『助けさせてください』と歩み寄ることができるか。相手の目線に立った根気強いアプローチが重要だ」


中高年ひきこもり──支援の鍵は(中) 気軽な相談窓口を

愛知教育大准教授 川北稔さん 情報共有し長く見守る

(以下一部転載)
愛知教育大准教授の川北稔さんは支援現場の研究を通じ、年老いた両親がひきこもる中高年の子どもを抱え込む姿を見てきた。…

「親の介護を通じて初めてひきこもり状態の子の存在が家族以外に知られる例が増えている」

「2019年に行った調査で、高齢者の介護に携わる全国の地域包括支援センターの約8割が『無職の子と同居する高齢者の支援をした』と答えた。介護サービスを拒否する高齢者のなかには、自宅にひきこもる子どもの存在を隠している人もいる

「子どもの存在を知ったケアマネジャーらが情報を抱え込まず、行政の各部署で共有する仕組みを作っていくべきだ。複数の機関が連携して家族を見守ってほしい」…

「各組織の支援の枠組みに当てはまらないからといって関与しなくなれば、せっかく相談に訪れた人を再度、孤立させることになりかねない」

「まずは中高年の抱える生活の問題全般について、親や本人が困りごとを気軽に相談できる窓口を増やしたらどうか

「『市民課』のような対象を問わない部署が最初の接点を担当し、様々な問題の専門部署や機関につなぐ仕組みならば当事者との関係も継続しやすいはずだ。各組織の情報共有も進め、連携も深めてほしい」…


中高年ひきこもり――支援の鍵は(下) 自分出せる居場所作る

青少年健康センター理事 井利由利さん 外への一歩焦らず準備

(以下一部転載)
青少年健康センター理事の井利由利さんは、学校や職場に行くのが難しい人の居場所「茗荷谷クラブ」(東京・文京)の運営に20年以上関わる。社会への扉を開くため、段階を踏んだ回復の大切さを訴える。

――家にひきこもる中高年の思いは。

社会から長年孤立して自分の人生に自信が持てず、働いていない自分を責めがちだ。いじめや職場の人間関係で傷つき、他人への不信感があるため誰かと一緒に過ごすことに慣れない人が少なくない」

「家族など周囲の期待に応えるために頑張りすぎて、気持ちが切れてしまった人が多い。まず『こうあるべきだ』という固定観念からいったん離れ、自分の気持ちに素直になれる場所が必要だ」

――外に出たい人はどうすればよいか。

「国などの支援策はこれまで就労というゴールに焦点を当てたものが中心だった。だが、やみくもに就労を目指しても途中でエネルギーが尽きてしまう。まずは誰かと定期的に会い、人間関係をつくることが第一歩だ」

「茗荷谷クラブではそれぞれの人の趣味を知ることから始め、徐々に他人とかかわる場を設ける。活動内容を決めず、部屋を開放してのんびり話すだけの時間もある」

「20~30代からクラブに通い続け、40歳を超える人もいる。『中高年が集う場所がない』との声を受け、2016年度からは40代以上が鍋を囲む会を開く。他愛のない会話だけでも誰かと定期的に会い、つながる意味は大きい。居場所で安心して自身を出せると、ほぼ全員が次の段階として就労を意識し始める

――就労に向けて大切なことは何か。

経済的な自立だけを目指して焦らないことだ。空白のある履歴書で就職活動をしたり、フルタイムで働いたりする負担は大きく、不安がまた高まることもある。茗荷谷クラブでは企業の協力のもと、月1回など、まずは短時間の就労体験ができるようにつなげる」

居場所づくりは専門職でなくても、誰でも担える。ひきこもってきた人が社会に一歩を踏み出そうとした時、その存在をおびやかさず、何事も強制せずにただ話を聞く。そんな役割を担う人が社会に増えてほしい」



Good-bye days ~2012 ver.~ / YUI


YELL~エール~ / コブクロ


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この記事の良さに気付くとは流石です!!ありがとうございます!!
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1978年東京生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
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