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~もっと知ろう児童養護施設~ 子供の町チャリティーフェスティバル 2018

MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ:2018年7月9日付


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昨日、2018年7月8日(日)にふれあいキューブ(東部地域振興ふれあい拠点施設)1Fにて、「~もっと知ろう児童養護施設~ 子供の町チャリティーフェスティバル」が始めて開催されました。

子供の町チャリティーフェスティバルについて今回始めて耳にされた方も多いのではないでしょうか。

なぜこれまでなかったイベントが開催されるようになったのかと申しますと、その発端は、昨年の6月にそれまで子供の町の理事として長きに渡りご尽力されていた三州製菓社長の斉之平伸一さんが、後任の理事長として就任されことによる要因がその一つであると言えます。斉之平さんは、2009年には内閣府規制改革会議専門委員として参画、2016年には渋沢栄一賞受賞、同年内閣総理大臣賞 「男女共同参画社会づくり功労者」受賞など、地域産業と繋がりが深いだけではなく、地域の人々から尊敬され、慕われ、信頼される方であるため、これまでになかった支援の輪が広がりを見せ始めたという要因が大きいと言えます。

私と子供の町のご縁は、昨年のことになりますが、子供の町の夏祭りにグローバルファミリーの一人として参加させて頂いたのが始まりです。それ以前に、斉之平さんのご講演などから子供の町の支援を行っていることは伺っていましたので、私も何らかの形で出来ることをしたいなとは以前から思っていましたが、一方的な慈善活動願望の押しつけ(善意の押し付け)は、受ける側にとってはかえってありがた迷惑の負担になってしまうこともあり、ご迷惑になってしまってもいけないと考え、ちょうどいい機会を見計らっていたというのが実際のところです。

夏祭りの際に、会場で斉之平さんをお見かけしご挨拶させて頂くと、理事長に就任されたと伺い、これは出来る範囲で何かをしようと更に思うようになりました。これまで長きに渡り実直にご支援されてきた方々には、厚かましく申し訳ございませんが、私も私なりに微力ながら出来得る範囲で、負担や苦にならない程度の支援をさせて頂きたいと考えております。基本的には、「楽しみながら」支援させて頂きます!勝手ながら楽しくなくなったら無理はせずに止めようと考えています。そんな姿勢が、子どもたちにとっても、子供の町の皆さんにとっても負担とならずに良いのではないかと私は考えております。


昨日のイベントでは、子供の町施設長の根岸昇さんの講演の拝聴を中心に参加させていただきました。当日の根岸さんの講演内容は以下のような内容になります。


子供の町施設長の根岸昇さんの講演資料

(以下、当日配布資料をテキスト化。※の注釈はnakayanさんが補足を追記)

もっと知ろう児童養護施設
子供の町チャリティーフェスティバル
講演: 「児童養護施設の今」  語り:根岸昇(子供の町施設長)

はじめに

1 .児童養護施設とは
児童福祉法第41条に基づき、保護者のない児童・環境上養護を必要とする児童を児童相談所からの委託によって養育し、自立支獲・退所後の支媛を行う。

◆法人=春日部市 ◆施設入所(措置)=埼玉県 ◆運営費(措置費)=国
(※厚労省が運営費の99%を負担。)

2. 児童養護施設のイメージは?
1 9 4 9年:子供の町開設 戦災孤児の収容施設 「孤児院」 
(※かつては孤児院と呼ばれその名の通りの施設だった。)
1 9 8 0年代:高度経済成長の社会的歪みが家庭・子どもにしわ寄せ
崩壊/欠損家庭  「非行問題を抱える子ども集団? 」 
(※悪いイメージが強くなってしまっていた時期もあった。)
(※当時は社会的な歪みにより親の「蒸発」が原因の家庭崩壊が急増していた。)
2000年代:手ども虐待への社会的関心の高まり・法整備
「児童虐待防止法」 「虐待を受けた子どもたちの保護施設」
2016年:改正児童福祉法(子どもの権利条約の反映)
①家庭養育原則 ②特別養子縁組・里親 ③施設における家庭的養育

◆「幼児から高校生まで年中無休・24時間子育て機関」
(※2才から18才まで)

3. 入所児の約70%は虐待被害体験を有し、心身が傷ついています。
今年:東京都目黒区の5歳女児の死亡事例
(※参考資料:結愛(ゆあ)ちゃんの事件 朝日より https://www.asahi.com/articles/ASL663D72L66UTIL00H.html
2 0 1 1年8月16日:春日部市内の5歳男児死亡事例
急性硬膜下血腫・食道破裂があり救急搬送先の病院で死亡。
(※参考資料:埼玉県児童虐待重大事例検証委員会より http://www.crc-japan.net/contents/verification/pdf/saitama2012_05.pdf

◆江戸時代にも子どもの虐待はあった。 「間引き=赤子殺し」
1 6 6 3年7月 会津藩の藩祖: 保科正之公 「日本の福祉制度の父」
「間引き (生まれた赤ん坊を殺す)禁止令」(3 5 5 年前)
(※保科正之公は徳川3代将軍家光公の腹違いの兄弟と言われている。)

子供の町初代会長: 松平信子の夫「恒男」氏は松平容保公の四男である。
(松平恒忠 子供の町後援会長の祖母)

4. 子どもの虐待は誰でも起こしうるものです。
Child Abuseは親として「誤った方法」で子どもを養育する(子どもに対応する)こと。身体的虐待よりもネグレクト・心理的虐待の方がダメージは大きく長期間に及び、生き辛さは生涯に影響する。

◆全国の児童相談所に寄せられた虐待相談件数(16年度は速報値)
2 0 1 4 (H 2 6)年度: 88,931件 母救済!(虐待者のSOS)
2 0 1 5 (H 2 7)年度: 103,260件 父さんに禄無し(父親の経済的困窮)
2 0 1 6 (H 2 8)年度: 122,578件 いい夫婦に(里子)来ないや
(※2014年あたりからは、母親の子どもへの虐待が急増。半数の約50%にまでのぼる。その要因は、父親の経済的困窮から母親への悪影響が挙げられる。)

◆養育者(実父母・継父母・養父母など)が子育てに困った挙句の虐待
◆子どもの声
*幼児「わたし、一日3回ご飯たべたの久しぶり!」
*中2年(緊急一時保護) ユニットのお米をビニール袋に少しずつ貯めていた。家に帰って食べ物が無い時に食べるため。

5. 子どもたちを支援する職員は専門職の資格を持っています。
保育士・小中高教員資格・社会福祉士・社会福祉主事・臨床心理士
栄養士・調理師・看護師
◆子どもたちが安心して暮らせるように、そして日々の衣食住の生活支援・学習支援と心身の健康を保持・増進できるように専門職が支援しています。子どもたちが精神的に安心して生活でき、威圧や極度の緊張から開放されてのびのびと、自然や人間社会のあらゆる分野・領域における物事に興昧・関心を持ち学び、生きる力を育むように子どもたちに寄り添える営みを実現したい。

6. 子どもらが「集う」「憩う」「学ぶ」ところよ 子供の町
◆子供の町(エンジェルホーム)に希望して入所する子どもは一人もいない。児童相談所の措置決定による入所。子どもは施設を選べない。
(※時折、子供の町に自分の子どもを入所させたいと直接の相談があるそうです。しかし、子どもたちは特定の施設を選んで入所は出来ません。児童相談所が決めることですので、先ず児童相談所に相談してくださいとのこと。どこの施設に入所するかは、ご縁でしかないそうです。)

◆親がいない子はいない、約60%強は親がいる。しかし交流できるのは30%強。
本来、親子交流は親子関係修復・何気ない日常生活の再獲得が目的ですが・・・
(※最近は親は健在だが親子関係が上手くいかないための入所が増えている。)

◆近年は高校卒業後に短大・専門・大学に進学希望者が増えつつある。
国の貸付制度(卒業後の就労5年継続で返済免除) ・授業料免除する養成校増加
(※国の支援を受けずに生活ができ、更には税金を納めることができる自立した人になることが条件とも言える。)

*社会的養護全国進学率27% *全国高卒者進学率76% 
*子供の町後援会:奨学給付金毎月3万円
(※全国の高卒者進学率と比較すると、養護施設出身者の進学率はまだまだ低いのが現状である。子供の町は昭和35年から進学支援を行っている。)

子供の町実績:・小学校教員・児童養護施設職員・保育所保育士
(※子供の町の子どもたちも、社会の一躍を担い活躍できる存在へと育ちつつある。)


nakayanさんのまとめ


これまで私を含めた市民の皆さんは、児童養護施設と密に関わってこられた方は少ないのではないでしょうか。

施設の存在を知っていた、或いは、ご自身も何らかの支援をしたいと考えていたとしても、実際はどのように関わっていいのか分からなかったという方が大半ではないでしょうか。

先ず、施設の背景をきちんと知ること、そして理解することが重要ではないでしょうか。施設の背景を理解することで特別視することがなくなるのではないでしょうか。

加えて、スタジオジブリの宮崎駿さんはかつて自然保護のあり方への思いを次のように語られていました。

「金のある人は金を」
「知恵のある人は知恵を」
「力のある人は力を」
「時間のある人は時間を」
(宮崎駿さん)

私たちができることは人それぞれであり、そのできることを無理なく負担なく、特別視するのではなく日常の一部として行動することが大切であると私は考えます。

子どもたちへ

君たちは、強くなる要素を沢山持っています!!
周りと同じではないことを悩み、考え、辛く感じる時も多いかもしれませんが、周りと同じではないことが、君たちの存在価値を高める時代がやってきます!!

「◯◯だから、私は幸せになれない。幸せになる権利がない」などとは決して考えないでください。幸せになれないのが当たり前だと考えていると幸せになれません。

君たちは幸せになるために生まれてきました!!幸せになるのが当たり前です!!必ず幸せになります!!

「私は幸せになるために生まれてきました!私は幸せです!!」
と毎日言っていると必ず幸せになれます!!

幸せは、幸せなことがあったときに口にするものではなく、幸せだと口にしていると、後から幸せなことが起こるようになっています!!

これは、不幸せも同じですので注意が必要です!!

大人たちがひ弱になった未来では、
君たちが、時代を変える時がやってきます!!

毎日の小さなプラスの積み重ねを意識してください!!

君たちが大人になるころには、小さなプラスの積み重ねが大きな大きなプラスの結果となって必ず現れます!!

私は君たちを信じています!!

(MBAデザイナー nakayanさん)


▼当日のイベントの様子。

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こちらは、武里小学校の若武たち^ ^(施設の子どもたちではありません)とても良かったです!!歌声にパワーを感じました!!今後も周囲の人々たちを元気にし、見ている人たちにそのパワーを分け与えられるように頑張ってください!!


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「サザエ!!^ ^」不思議なものでアートは子供たちの心が読み取れますね。
表面的な楽しさや明るさ、安心感はあるものの、内にある葛藤や迷いが伺えます。

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子供たちは、もっと「うるさく、ワガママで、自由で良い!!」「大人たちに笑顔を振りまき、気に入られようと良い子になる必要はない!!」「うるさければ大人たちに怒られると思いますが、怒られていい!!」 


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp

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