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よしもと劇場「反社闇営業の巻」を読み解く

■ 2019年7月20日(土)
 「謝罪会見記事を読んで」

2019年7月20日付日本経済新聞 

(以下一部転載。)
反社会勢力のパーティーで会社を通さない「闇営業」をしていたとして、吉本興業との契約を解消されたお笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之さん(49)と、謹慎処分中の「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮さん(47)が20日午後、東京都内で記者会見を開いた。…

#NIKKEI

わろてんかの吉本せいさんならば今回の一件に対してどんな対応をするのでしょう?

Q. 「会社のマネジメント側の立場の方たちは、せいさんならばどんな対応をすると思いますか?」
Q. 「吉本に所属する芸人さんたちは、せいさんならばどんな対応をすると思いますか?」

恐らく、マネジメント側と芸人さん側双方の答えの間に大きなギャップがある事が問題だと私は考えます。


■ 2019年7月21日(日)
「宮迫さん亮さんの会見を見て」

ざっくりとながら、記者会見や会見に至る概要を拝見しました。結論から言いますと、私がマネジメントの立場ならば、

「反社会的勢力との関わりがあるという事実が判明した時点で、芸人さんたちを即解雇します。謹慎にはしません。」

それが会社の方針であり、組織内に会社の方針を徹底するためです。

補足を加えますと、芸人さんたちにとっての会社とは「吉本興業」だけではありません。芸人さんたちにとって、会社の方針や理念、フィロソフィーが自分と合わないのであれば、自分に合う別の会社を選んで貰えばいいだけの話です。

吉本興業の方針の一つとして、芸人さんたちをファミリーとして扱う方針を大切にしているそうです。ファミリーと言えども「家族ならば絶対に解雇しないから何でもあり」という訳ではありません。
例えば、トロッコ問題の副題として次のような議題について議論されることがあります。

Q. 「あなたの家族が殺人を犯した場合に、あなたは殺人犯の家族を警察から守りますか?」

答えは、千差万別です。
法律に従うならば、警察から家族を守るのは間違いであると答える人が多いかもしれません。しかし、法律も人が作ったものですので、法律自体が間違っている可能性もあります。中には、家族を守ることを優先すると答える人もいるかもしれません。法律に従う選択だけが必ずしも正しい答えとは言えません。つまりはどちらが絶対的に正しいというものでもありません。

この答えのない問題に答えを与えるのが、会社の方針であり、理念であり、フィロソフィーです。これらは会社それぞれによって異なります。会社の方針として、芸人さんたちをファミリーとする会社ならば、例え会社側が解雇した芸人さんであったとしても、別の会社で活躍出来る環境を作ってあげることも親側としての役割の一つであるとも言えます。具体的には、他社を紹介する、或いは、芸人さん自身での独立をバックアップするなども選択肢の一つです。

他方で、子側の芸人さんたちの多くは、吉本興業という一つの会社しか知らない人が多過ぎるように私には見えます。世の中に会社は沢山あります。同様に家族も沢山います。自分の家族だけではなく、他の家の家風を知ること、つまりは他社の方針を知るというのも芸人さんたちにとっては重要なことです。

今回のケースにおいて他の会社ならば解雇はないかもしれません。吉本興業が間違っているのかもしれません。吉本興業が間違っていると思うならば、自分がこの会社は正しいと思う会社を選べば良いのです。

仮に、私の方針のように即解雇とするならば、芸人さんたち自身の危機管理意識が自ずと高まり、自らで率先して反社会的勢力が近付いて来ないような発言や行動を心掛けるようになるのではないでしょうか。


翻って、今回はいくつかある問題をミックスして一つの問題としていることで問題の本質を見えなくしています。今回の問題は、大別すると以下の3つに分かれます。

①芸人さんが反社会的勢力から金銭を受け取った事実があった。
②芸人さんが事実とは異なる嘘を流布した。
③吉本興業が芸人さんに記者会見をさせなかった。

先ず、分かりやすい③の吉本興業が芸人さんに記者会見をさせなかった問題に関しては、事前に②の芸人さんたちが事実とは異なる嘘の流布をした事実がありますから、会社の立場としては事実を話すか定かではない芸人さんたちに会見をさせないという判断は決して間違っているとは言えません。

次に、①の芸人さんが反社会的勢力から金銭を受け取った事実があった事に関しては、会社としての対応は分かれるところでしょう。
私ならば、即解雇ですが、吉本興業では一部解雇、その他は謹慎という判断になったようです。

最後に、②の芸人さんが事実とは異なる嘘を流布したということが、会社側と芸人さんの間の溝を大きくした最大の問題であると私は考えます。ここで第三者的立場の私としては一つの疑問が生じます。

Q. 「芸人さんが事実と異なる嘘を流布したのは、今回が初めてなのでしょうか?」

1度目ならば、情状酌量の判断もあるかもしれません。
あくまでも遠い第三者的立場にある視聴者の一人でしかない私の記憶する限りでも、残念ながら同じような光景をこれまでに何度か目にした記憶があります。あくまでも推測の範囲ですが、仮に身近な立場の人であるならば、これまでに嫌という程、目にしているのではないでしょうか。

加えて、芸人さんたちの記者会見を見て私が気になったのは、問題のすり替えが行われていたという事実です。今回のケースにおいては、吉本興業が記者会見をさせなかった事が問題ではなく、反社会的勢力と接点を持ち金銭を受け取った事実、更には、その事実を隠そうとした事が、根本的な問題です。

会見では事実を話すと言いながらも、芸人さんが話していることは本当に事実だったのでしょうか?あくまでも私個人が受けた印象ですが、事実の説明部分になると歯切れと記憶が悪くなっていた印象を私は強く受けました。

今回の会見を見る限りでは、宮迫さんはご自身で芸人としての生きる別の道を閉ざされてしまった印象です。亮さんは、宮迫さんの巻き添えを食らってしまった印象がします。しかしながら、ご自身で芸人として生きる別の道を閉ざされてしまった宮迫さんも、数年後には板東英二さん枠ならば復活の可能性も残っているかもしれません。

更に補足として、

Q. 「人はなぜ問題のすり替えを行うのでしょうか?」

全てに当てはまるとは言えませんが、それは自分に何らかの疚しさがある時にこれ以上追求されては困る問題の視点を変えさせる為に行うケースが多くあると言えます。これは意図的に行うケースもありますし、それが常習化している為に無意識下で行うケースもあります。


どちらもあまり宜しくないと私ならば判断します。



■ 2019年7月22日(月)
 「吉本社長岡本さんの会見前」

問題は、どちらか一方に問題があるから起きるというものではなく、双方に問題があるために起きると言えます。更には、問題に関わる双方が子供の場合には問題が大きくなると考えるのが妥当です。問題を起こした一方が子供であったとしても、他方が大人であるならば問題は大きくなりません。寧ろ小さくなります。似た者同士が問題に関わる時には、大きな問題になりやすいと言えます。


■ 2019年7月22日(月)
 「
写真撮影の問題に関して

「会社の偉い人たちから、怖い顔の人とは写真を撮る事は禁止って言われてるんです〜」と、芸人さんたちが反社会的勢力らしき人たちから簡単に距離を取れる口実を作れるようになると良いですね。

麻生太郎さんは困ることになるかもしれませんが^ ^

デザイナーの一人として「私は反社会的勢力ではありませんポーズ」 をデザインする必要がありそうです。本人に「私は反社会的勢力ではありませんポーズ」をして明確な立ち位置を宣言して貰えば、仮に「反社宣言ポーズ」をした人が実際は反社会的勢力の人であったとしても、本人が嘘を付いているだけになるので、一緒に写真を撮る立場の人に責任は及ばず写真撮影が楽になります^ ^

これを契機に、「宮迫です!!ポーズ」を「私は反社会的勢力ではありません宣言ポーズ」にしましょう!!^ ^

これがデザインにおける、アフォーダンスを変えるシグニファイアというものです。

「反社宣言ポーズ」には英語の手話「Love」の意味も込めましょう^ ^

知らない人と一緒に写真を撮る時は、これが「私は反社会的勢力ではありません宣言ポーズです!」と伝えた上で、「この反社宣言ポーズが出来る人となら一緒に写真を撮りますよ!」と伝えましょう!!^ ^



■ 2019年7月22日(月)
 「吉本社長岡本さんの会見を見て」

ガキ使などを見ていても感じるのですが、吉本の役員(or社員)はなぜに棒読みなのでしょう?^ ^ 伝統や社風なのでしょうか?

「流石ですね!!」吉本興業社長の岡本さんは見た目以上にタフですね^ ^
失礼ながらテレビで見ていたイメージが強かったので頼りないイメージもありましたが、テンポの異なる記者たちに対して長時間に渡りご自身のペースが乱れない強さがありますね。「なるほど!」という印象です。



■ 2019年7月23日(火)
「一連の吉本興業関連のニュースを見て」

2019年7月23日付日本経済新聞朝刊より

吉本興業の経営体制に問題があると感じる芸人さんたちは組織論的に考えるならば、社外取締役に自分たちの声を反映してくれる人を入れるべきですね。
現在の4人は大阪の弁護士、TMI弁護士、慶大教授、ビリギャル先生です。


今回の吉本興業の一件に関しては、基本的には、問題の履き違えが甚だしいと私には見えます。そもそも芸人さんたちが闇営業をしていなければ、一連の吉本興業側の問題は起きていないはずです。自分たちの行動を棚に上げて、吉本興業側の対応に不満の声を上げるのはおかしいです。

吉本興業は闇営業をして嘘をついた芸人さんたちへの対応がメーンのお仕事ではありません。この対応に不備が出るのはある意味問題ではありません。
会社を通したお仕事のフォローやマネジメントが本来のお仕事です。

ダウンタウンの松っちゃんが仰るように、吉本興業の中に芸人相談室(通常はお客様相談室)みたいな特別な問題処理専属の部署を作った方が良いかもしれませんね。そうすればイレギュラーな問題処理をメーンのお仕事とするプロたちが対応出来ます^ ^




■ 2019年7月23日(火)
「加藤の乱の記事を見て」

(以下一部転載)
…「大崎(洋)会長にも責任がある。役員も変わらなければいけない」と批判は人事にまで及んだ。「(会長の)大崎さんと(社長の)岡本さんを怖がっている。この体制が続くなら俺は辞める。この取締役が変わらないなら辞める。経営陣が変わらないなら俺は辞める」とまで言い切った。 …

「加藤の乱」は残念ながら不発に終わってしまう歴史があります。
傾向としては、乱の隙間から「変人」が登場してくる可能性が高いですね。

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photo source by ©フジテレビ


※こちらは2019年7月20日(土)から2019年7月23日(火)のnakayanさんのtwitterでの連続ツイートを読みやすいように補足・修正を加え再編集したものです。


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp




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