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大切な家族

初めて見たときはおもちゃのぬいぐるみが動いているとしか思えなかった。

小さな体が温かく、黒い目がいつもこっちを見ていた。

新参者のくせにほかの家族のだれよりも遠慮なくまとわりつき、甘え、怒り、遊ぼうと誘ってきた。

おまえ、ほんとに犬なのか?うちに来るなんて、なんか縁があったのかなあ?

いなくなっても、まだいるような気がして、うちに帰ってドアを開けると玄関まで走って来る音が聞こえそう。

キラキラした黒い目が忘れられない。

絵 マシュー・カサイ「大切な家族」油彩F0     *売約済み

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