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月夜の散歩

一人で暗い夜道を歩いていた。夜風に吹かれて気持ちよく、あてもなくかなりの距離を歩いていた。

街灯もなく、誰もすれ違う人はいない。静かな夜だ。雲の間から月が顔を出して、周りがほんのり明るくなる。

月の青い光がふんわりと道を照らす中、やっと前方から人の歩いてくる気配がした。

子供か?かなり小さな影がペタペタと歩いてくる。やはり夜風を楽しんでるように、楽し気な歩き方だ。時々立ち止まっては上空を見上げている。

だいぶ近づいてきてお互いに目を見開いた。「フクロウだ!」向こうも「人間だ!」というような顔をしている。すれ違っても時々立ち止まっては振り返りながら離れていった。

月夜の晩には、ちょっとした不思議なことが起こる。

絵 マシュー・カサイ「月夜の散歩」油彩 F3


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