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たった10分?もう10分?

最近、上司が変わって、なんとなく気持ちに余裕が出てきたのを感じる。

前の上司はとても優秀で仕事が早かった。
つまり、せっかちなので、締め切りの数日前から、あれどうなってるっけ?と何度も確認するタイプ(どちらかというと私もこっち、夏休みの宿題は7月中に終わらせておきたい派)。やると言ってしまったことへの責任感がムダに強く、締め切りに遅れると自分がとても不快になってしまう私は、当然のように締め切りの数日前にはドラフトを準備し、上司のレビューをお願いしていた。
仕事の時間術みたいな本にもよく書いてある。80%の出来でいいから提出物は必ず締め切り前に出して、上司の頭の中にある成果物とのすり合わせをする時間をとったほうが評価されやすい。確かにその通りだと思う。これで仕事はうまく回ることが多い。こうだっけ?ああだっけ?と自分一人で悩んでけっこう時間を費やした成果物が大きく否定されることは(ほぼ)ない。
私にとってはこれが普通で、締め切りを守らない人の心理がはっきり言ってよく分からなかった。

でも、子育てをする中で、いろんな子(親)がいるなー、ということを本当に実感する。たぶん、私が今まで育ってきた環境が狭すぎて、私が他人に興味を持たなすぎて、あんまりきちんと見てこなかったことが、ちょっとだけよく見えるようになった。
そもそも、時間の概念が相当違う。同じ出来事を見ても、
「たったの10分でできた!」と思う人たちがいて、
「もう10分もかかってしまった!」、と思う人たちもいて、
さらに、かかった時間とかまったく気にしない人もいる。

この時間の概念に正解はない。今の世の中ではこう思うほうが生きやすいよね、というのはある気がするけど、それは今、現時点のみの正解で、1年後の正解ではないかもしれない。
たったの10分、と思う人は、
俺はできる!と思って自信をもつことができるかもしれない、でも、これ以上何の努力もしないかもしれない。
もう10分、と思う人は、
自分はダメだ、これは苦手だと落ち込んでしまうかもしれない、でも、頑張ればもっとできる思って練習に取り組むかもしれない。
時間って気にしないといけないんだっけ?、と思う人は、
周りからは煙たがられるかもしれない、でも、時間で評価せず別の視点から見たいいところを伸ばせるかもしれない。

仕事の世界にいると、基本的にルールは1つ。お金がもっと増えること、時間を節約できること、はいいことでしかない。
でも、それだけだと続けていくのは難しい。心の余裕がなくなるから。
心の余裕がないところでは、新しいことや変化することに対応できない。ただひたすら、今を続けることしかできない。続けた結果どうなるかを考える余裕がないから。

なんとなく気持ちの余裕が出てきた、と感じるのはとてもいいことかもしれない。自分の時計の進み方と、他の人の時計の進み方が違う、ということにもっと気を配ってみようかな。



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