介護予防は誰のもの?【筋肉の勘所その1;筋肉には色がある~】
今回のテーマは【筋肉の勘所~その1;筋肉には色がある~】です。
突然ですが、何の肉かお判りでしょうか?
左上から時計回りに、牛肉・豚肉・鴨肉(ネギがヒント)・鶏肉(ブロイラー)です。同じ肉でも色が違うことにお気づきでしたか?
上の写真の通り、豚と牛の同じ四つ脚動物でも、あるいは、鴨とブロイラーの同じ鳥類でも、筋肉の色が違います。同じ豚でも牡丹と呼ばれる赤味が強い猪と、家畜である白身が強い豚の肉の色も違います。
実は、色の違い=赤味の違いは生活スタイルの違いなんです。魚を含めた長距離を移動する動物は赤味が強い筋肉を多く持ち、長距離を移動しない動物は赤味の薄い=白い筋肉を多く持っています。
長距離を移動するクジラやイルカの肉は赤味が強いですし、マグロも同様です。一方で飼育されている鶏や豚だけでなく、近海魚のヒラメや鰻だけでなく、爬虫類のヘビ・ワニなどの肉(食べたことありますか?)は白味が強いのが特徴です。
実は、赤味の強い筋肉には筋肉細胞内にミトコンドリアが多く含まれています。つまり、筋肉の赤い色はミトコンドリアの色だったんです。ミトコンドリアは有酸素運動に関与するので、それ故に持久力が高い筋肉は赤味が強いうことです。
ちなみに、鮭のオレンジはミトコンドリアの色ではないそうです。
赤い筋肉(=赤筋)が持久力の高い筋肉ならば、白い筋肉(=白筋)はどのような筋肉でしょうか?
答えは、瞬発力の高い筋肉であり、有酸素運動が得意な赤い筋肉と比較するなら無酸素運動が得意な筋肉です。裏を返せば、素早い動きは得意ですが持久力はないことになります。ヒラメが砂地からパッと飛び出して、すぐに砂に潜る映像のイメージです。
赤筋と白筋について、私たちの普段の生活の中で考えてみましょう。
歩くことはヒトにとって欠かせませんが、すぐに疲れてしまっては歩くことがままなりません。つまり、1時間歩いても疲れにくい理由は、私たちの下肢の筋肉は赤筋が多いからだ、ということで説明できるのです。
一方、例えば橋や鉛筆をつかうときなどの指の動きを考えた時、細かく素早く動いています。これは瞬発力を用いていることであり、1時間も字を書いていると手が疲れてしまう理由は、同じく白筋が多いからだ、ということで、筋肉の特性として説明がつくのです。
私たちの身体は、このように進化の過程で必要な筋肉を必要な場所に配置するようにして環境に適応してきたのです。食品スーパーに並ぶお肉の色を眺めると想像が広がります。
次回は、寝たきり・閉じこもりなど(=不使用)、ヒトとしての活動を制限された(した)ときに起きる筋肉の変化について、発信したいと思います。
親が子供へ、子供が親へ、忙しさや気遣いでなかなかそれぞれの”おもい”を”カタチ”にしにくい、そんな気持ちの橋渡しとなれるよう、りはっぴぃ代表で理学療法士で団塊ジュニアの鹿島雄志が、理学療法士としての専門性と子を持つ親としての想いを通して、大切な親世代への応援・支援を少しずつカタチにしていきます。
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