虐待を受けている子どもは虐待に気付けない
虐待って受けたことのない人には全く別世界の出来事なんですよね。
そして初めて虐待被害に遭うのは圧倒的に家庭内。
私も大きくなってから「あれって虐待だったんだ…」って思うことだらけでした。
これ全部虐待です!
実体験の他、↓こちらを参考にしています。
身体的虐待
世間の虐待のイメージは大体これじゃないでしょうか?
ニュースに取り上げられているのも身体的虐待が多いです。
証拠が残りやすいので発覚しやすいという面もありますが、直接命に関わるようなものも多いです。
例:殴る、蹴る、刃物を用いて切る、水や湯に無理やり顔をつけさせたり首を絞めたり呼吸手段を奪う、アイロンや煙草を押し付けてやけどをさせる、戸外に閉め出すなど。
心理的虐待
心理的虐待って見えにくい分、厄介です。
私の場合も大半はコレ。
外ではニコニコしてる母が豹変するのが恐怖でした。
例:大声を出す、拒否的な態度を取る(無視など)、著しくきょうだい間で扱いを変える、自尊心を傷つける言葉を繰り返し使う、親の大喧嘩やDVなどを頻繁に目撃するなど。
性的虐待
子ども相手に性的な行為に及ぶことを指します。
家庭内で起こることが多いため、本人の訴えが発覚のきっかけになります。
しかし子どもの話を真に受けない・分かっていても家族が気付かないふりをするなどで表面化しにくいことも問題です。
例:子どもへの性交、性的な行為の強要・教唆、子どもに性器や性交を見せるなど。
ネグレクト
ここ何年かでものすごくメジャーになった言葉ではないでしょうか?
保護の怠慢、養育の放棄・拒否がそれに当たります。
例:保護者が子どもを家に残して外出する、食事を与えない、衣服を着替えさせない、登校させない、家に閉じ込める、無視して子どもの情緒的な欲求に応えない、病気なのに病院に連れて行かない(医療的ネグレクト)など。
私の場合
家庭では身体的虐待(叩く、蹴る、首を絞める)・心理的虐待(大声を出す、泣き出す、きょうだい間で著しく対応を変える、無視、私に聞こえるように家族に私の悪口を言う、「お前はダメな子」と否定するが多かったです。
他にも躾と称して食事を与えない、戸外への締め出し、外出制限、友人や恋人の制限などなど……。
「家は家、よそはよそ」の威力
幼い頃からそう言われて育った私は本気で信じていました。
例えば家は早くから当番制を導入していました。
私は保育園年長には風呂掃除当番でした。
その後食材の買い出し、食器洗い、洗濯物の取り込みなど家事に深く関わるものが追加されていきました。
しかも私が当番をこなせなかった時……
・お風呂タイムなし
・食器が片付いてないと洗い物が終わるまで次の食事の用意はしない
・雨が降ったりで洗濯物が取り込めなかったら生乾き臭のする服を我慢して着る
家族にも迷惑がかかる形にし「今日はななしがやらなかったからね」と全員から冷たい目を向けられるよう仕向けられました。
お風呂に入れないのも食事が出てこないのも臭い服を着なければならないのも全部「ななしのせい」。
共通の敵ができると人間って団結するんです。
家族の共通の敵は私でした。
ですが、成長すれば自然と世界は広がります。
「◯◯ちゃんはこんなにお手伝いしてないらしいよ」
「お手伝いしたらお駄賃もらえるんだって」
精一杯の抵抗をした時に言われたのが
「家は家、よそはよそ」
でした。
そして「そんなに金が欲しけりゃ好きなだけ持って行けよ!!」と母の財布の中身をぶちまけられ、空になった財布を投げつけられ……泣きながら拾ったお金を母に返しました。
その時に「対価を得ること」に恐怖心を抱き、社会に出てお給料をもらう時ですらビクビクしていました。
銀行口座を見るのが恐ろしく、自分のためにお金を使えない私の貯金額は20そこそこで驚くほどになりました。
しかし正しいお金の使い方が分からず、のちに一文なしになるという地獄を味わいました。
あれ?と思ったら
冒頭に記した通りなかなか気付けないのが虐待です。
でも些細な違和感は逃げ出すチャンスです。
今はインターネットも発達し、虐待への理解も昔よりは深まりました。
是非勇気を出してSOSを。
自分にできなかったことを勧めるのはおかしな話かもしれませんが…早ければ早いほど傷は浅くて済みます。
今傍観者の立場にいらっしゃる方は勘違いだったとしてもいい。
何かしらの助け舟を出してあげてください。
虐待は案外身近に潜んでいます。
手遅れになってからメディアに詳細を語れるほどの情報を持っているのならそうなる前に声を上げてください。
虐待を受けていた人間からの切実な願いです。
お気に留めてくださり、ありがとうございます。 サポートいただいた分は今後の執筆活動を充実させるため、有効活用していきたいと思います。