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「ちっぽけな僕を、世界に置いて。」(詩)

大きな世界。


それは宇宙。


銀河、星雲、星団。


果てのない空が広がって。


その隅に、ぽつんと僕がいた。


地球は広い。


人間の身では

歩き詰めても14年間かかるらしい。


そんなひとつの国の中。


県、市、街、町、村。


その座標を指した位置に、僕はいた。


光の花束が彩る夜にいた。


ひとりきりで、僕は歩く。


通学路、行事の終わり、

自転車での帰り道。


人生。


……ここには、誰もいなくて。


ひとりきりで、僕は歩いている。


孤独感が心地よい。


夜の街を歩く充足感。


満たされていて、幸せで。


移動中。


走る電車のカタコトと

揺らぎはただ、落ち着いて。


僕は静かに、瞼を落とす。


目を瞑ると

世界には僕だけ。


広大な世界には、

ちっぽけな僕がただひとり。


大地は揺るがせない。


宇宙も揺るがない。


一人の僕が出来ることなんて、

所詮はたかが知れてるけど。


風は揺らぐ。


心は、揺らがせる。


独りが寂しい人の側にはいれる。


一人の僕が出来ることなんて

……たかが、知れてるけれど。


脳裏に過る365日。


いつも。


他人から見る僕は、

歪な形をしているけど。


大きな世界が、全てを受け入れるように。


誰かを受け入れ、愛して。


珈琲のような、慣れない孤独の苦さも。


カップの横に置いてある

スティックシュガーみたいに癒そう。


「広大な世界を、恐れないで。」


ちっぽけな僕らを受け入れる

安らぎと、可能性に満ちた。


「太陽」みたいな優しさを……


「忘れないで……」


……泣きながら、誰かが呟いていた。

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