見出し画像

[詩]「Overclocking」

時計を割って


狂気を見せた


ここは何処か


夜の街を

バスが往く


道中の旅路は


暖かい光で

満ちている


信号が変わる


頭によぎる


恐れを為す

心の乱れ


身体すら

害してしまう


もう顔すら

見たくない


大嫌いな

貴女の記憶


浮かび上がる

二つの選択肢


赤と白


私は白


そう


信じてたから


あの日


あの時


あの街から

抜け出した


後悔はないよ


例え誰が

否定したって


狂気に委ねる

日々よりはマシ


電車に乗って


バスに乗って


知らない景色を

通り過ぎて


辿り着いたの


未知の土地へ


私の新居で

目が覚めれば


知らない言葉の

雑踏に紛れて


照りつける光

街へと溶け込む


嗚呼!


心の底から

安堵した


あの日


あの時


貴女を殺そうと

しなかったこと


貴女ごときで

時を失わなかった


そんな事実を


嗚呼!


心の底から

安堵した


あの日


あの時


貴方を友達に

選んだこと


貴方と時間を

共に生きたこと


連れてきてくれて
ありがとう


心の底から

幸福に思った


焦がれた銀閃を

フードに隠して


私の一生を

赤く染めなくて


ざまあみろ!


地獄の門は

閉じたまま


それでいいんだ


たとえ


心のモヤモヤが

消えてくれなくても


時計を撫でて


笑顔を見せた


ここは既に

私の故郷


心の中で

停車したバス


ようやく

辿り着いた


私だけの

心の平穏



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?