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[詩]「崩壊」

人はみな

そうらしい


沿うように

職について


添うように

恋をして


その中で抱いた

願いのために


輝くような

熱に狂い


崩壊するらしい


けれど


「私だって」


なんて幻想だ


人はみな

違うから


辿る末路は

違うはずだ


それなのに


繰り言を

吐いて


同じ過ちを

繰り返し


恐怖に縛られ

動けなくなる


そして


削られていく

精神力の果て


苦痛をくべた

囲炉裏の側で


命の結晶は


針でつついた

水風船みたいに


破裂していく


鮮血が散る


見開いた目が

絶望を捉える


それでも


生きていたいのは


まだ


心臓の鼓動を

感じたいから


生きていられるのは


まだ


やり直せると

信じてるから


心の崩壊


初めての死に


納得出来ないなら

終わらないで


受け入れるなら

終わっていて


人生の分岐点


ただ一つの

言葉の手向け


どうか自分を

手放さないで


ビルの屋上


自宅の風呂場


踏み切りの先


貴方が死ぬ夜


切に願った

星空の夢



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