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「気持ちいい」と「早い」は両立できる

「さて、一つ、気合いを入れて、行きますか」

最近、再び習慣化してきた朝のランニング。
朝の澄んだ空気が気持ちいい。

さっそうと一歩を踏み出したぼくの耳に、
穏やかな声が語りかけてきました。

待て、待て、
まだ始まったばかりじゃないか。
そんなに力を入れないで。
もっとリラックスして

ふぅー

ゆっくりと息を吐き出したぼくは
少し自分を取り戻す。

そうだった、そうだった。
今日のランの目的はリラックス。
最近、仕事で少し疲れ気味。
緊張する時間が続いていた。

だから、ゆっくり走る。楽しく走る。
そうして、心も体もリフレッシュ。
それが目的だったのに、
ついつい力が入ってしまう。

アプリに表示されるスピードも、
ぼくにしては、ずいぶんと早い。
いかん、いかん、
これじゃ、結局、頑張りすぎ。

もっとゆっくり、もっとリラックス。
アプリと睨めっこしながら、
スピードを調節する。

すると、またしても優しい声が語りかける。

何よりも大事なのは、
 あなたにとっての心地よさ

 数字じゃなくて、
 あなたの感覚を大事にして」

そうだ、そうだ、大切なのは、ぼくの感覚。
今、ぼくが、何をどう感じているのか、
これが一番大切なのだ。

えっ、ところで、
いったい、誰と話しているのかって?

いや実は、これ、
ぼくが最近お世話になっている、
ナイキのランニングアプリのコーチ。
走る距離や目的に応じて、
適切なアドバイスでランナーを導いてくれる。

今日のぼくのランの目的はリラックス。
だから、力んで走り出したぼくに、
コーチの彼が声をかけてくれたというわけ。

「今はウォームアップ。
 強度はあなたにとっての3でいいよ」

そんな彼のアドバイスに従い、
自分なりの「3」の強度で走り始めると、
周りの景色がよく見えたり、
朝のひんやりした空気を感じられたりと、
心と体が少し落ち着いたような気持ちになる。
せわしなく動き回っていた自分を離れ、
「今、ここにいる自分」を感じられる

しばらくすると、再び彼の声が聞こえてきた。

「もう少し強度を上げて、5まで上げてみよう」

よし、それじゃあ、ということで、
再び自分の感覚に従って、
ダイヤルを2だけ上げてみる。

どのくらいのスピードが出ているのか
気にならないと言えば嘘になる。
ついつい、スピード表示を見たくなる。
でも、そこはグッとこらえて、
感覚を解放する

景色の流れ具合、風を切る音、
足に伝わる衝撃、呼吸の様子、
喉の渇き具合、
そんなものを感じてみる。

そうやって、自分にとって「5」を目指す。
今の自分にとっての半分くらいを目指してみる。

なんて、自分に意識を集中していたら、

「よく頑張ったね。残りはあと2分
 最後は、あなたにとってのベスト
 そんな走りをして終わろう」

そんな彼の声が聞こえてきた。
そうか、もう30分のランが終わるのか。
心も体も軽くなったぼくは、
もう少しだけ、そうぼくにとっての「7」に
ベースを上げてみる。
流れる景色が、弾む呼吸が心地よい

おめでとう。頑張りましたね!!!

彼の声にスピードを緩める。
足に感じる軽い疲労が教えてくれる
達成感、充実感を味わい尽くす。

ふとアプリに目を移すと、
今日のランの距離、時間、
それから分刻みのスピードが表示されている。

ぼくはそれを見て驚いた。

最後の2分の「7」のラン、
ぼくの中では、ありえないくらいのスピード。
あんなに軽く、あんなに心地よく走っていたのに、
こんなにも早く走れるなんて……

ふと思った。

もっともっと自分の感覚を信じていいのかもしれない。

確かに、時計に表示される実際の数字は大切だ。
それは、ぼくたちの成長・進歩を「みえる化」して、
モチベーションを高めてくれる。

でも、それに完全に縛られてしまうと、
自分の可能性を閉ざしてしまうことがあるのかもしれない。

実際、今日のぼくもそうだった。

アプリと睨めっこしてたときは、
そこに表示される数字に縛られて自分を調整していた

別にそれが悪いわけじゃない。

わかっていることを、
わかっている範囲でやって、
予想通りの結果が出る。
文句はない。

でも、それじゃ、やっぱりぶっ飛べない
悪くないけど、予定調和で、つまらない。
知らなかった自分になんて出会えない

だから、そんなときは、
心や体が発しているサインに敏感になって、
自分の内なる声に従ってみる。

そして、そんなとき、
ちょっと大げさかもしれないけれど、
ぼくたちの中に眠っている可能性が、
花開くのかもしれない。

なんてことを感じて始まった一日は、
素敵な日になるんだろうな、
そんな風に感じている。

コーチングの力を借りて
自分自身を受け止めて、そして解放してあげる。
そんな感覚を体験してみたい方。
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いかがでしょうか。

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