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1日3時間の読書タイムを確保

電車通勤中の読書タイムがなくなった

今年の3月から、人事異動により勤務地が変更となり、これまでの電車通勤から、車での通勤に変更になった。

私は本が好きだ。

私にとって、電車での通勤時間は貴重な読書タイムだった。

しかし、通勤方法の変更により、その読書タイムは消滅してしまった。


勉強ならインターネットよりも本

読書は社会人にとって、最も効果的な勉強法だと思う。

情報はインターネットでも収集できるが、質の高い知識や情報を、効率よく習得するのは、やはり本に分がある。


私がnoteに1つの記事を投稿するために費やす時間は、2〜3時間。(もっと早く書けるようになりたい)

もし、同じ内容を本にして出版しようと思えば、もっと綿密に下調べをして、もっと丁寧に推敲を重ねるだろう。さらには出版に関わってくれる人たちによる推敲や編集なども加わり、より内容の濃いものになるだろう。

もちろん、筆者が伝えたいことは変わらないのだが、本の方がインターネットの記事に比べ、より正確かつ論理的で、わかりやすい文章に磨き上げられていることが多い。


何より、インターネットと本で最も差が出るのは、信頼できる情報に出会える確率だ。

もちろん本が全て正しいわけではないが、前述したように本を出版する際には、何人もの目で内容のチェックが入るため、誤った情報は排除されやすい。


一方、インターネットの記事は、誰の確認がなくとも、筆者が自身でネット上に記事を公開できる。もし、その記事の中の情報が誤っていたとしてもだ。

つまり、作為的なデマも含め、インターネットには不確かな情報が無数に散らばっている。その中で、信頼できる記事を見極めるのは至難の技といえよう。

私の場合、インターネットからの情報の信憑性を判断する際には、「誰が書いたのか」を基準にしている。つまり、発信者を信じるか信じないか。

しかし、このような基準で情報のフィルターをかけると、どうしても自分に入ってくる情報や価値観が偏ってしまうのが難点である。


手軽さは、本よりスマホ

ある日、私が電車に乗って、他の乗客を観察した際、9割の人がスマホを操作していた。

朝の通勤電車では紙の新聞を読んでいる人も、チラホラ見かける。とはいえ以前に比べたら圧倒的に少ない。そういえば、分厚い少年向け週刊誌を電車の中で読んでいる人は、めっきり見かけなくなった。


私も電車に乗ると、ついポケットからスマホを取り出してしまう。

スマホを開ける必要性はなく、その動作は、ほぼ無意識の習慣に近い。


私の通勤鞄にはいつも本が入っている。

しかし、無意識で本を取り出して読んでいたことは、ない。


それだけ、スマホは手軽だし、中毒性がある。

本は意識しないと開けないが、スマホは意識しないと手放せない。


車通勤だと、本もスマホも開けない

2019年12月から、自動車運転中の「携帯電話使用等」いわゆる”ながらスマホ”に関しての罰則が強化された。

電車の中で無意識に手に滑り込んでくるのがスマホなので、運転中であっても、無意識に触ってしまうのは想像に難くない。しかし、運転中にスマホを見たり、操作したりするのは、本当に危険なので強い意志の力で絶対にやめよう。

そういえば、運転中の読書(ながら読書)による事故は聞いたことがない。もちろん私もやったことがない。

むかーし、交差点で(ながら読書)をしている人を見かけたことはあるけど。


では、運転中には何ができるのか。

車の運転において、何よりも大切なことは、車を安全に走行させること。自動運転が実用化されるまでは、何をおいてもこれが一番大事。

したがって、運転手の目と手と足は全て安全な走行のために使うことになる。

運転中は、本を読むときに必要な、目と手を奪われるわけだ。


通勤手段が変わったことにより、私の読書タイムは削減せざるを得なくなった。


残っているのは「耳」

運転中、あまり使用しない器官がある。耳だ。

もちろん、救急車の音や踏切の音などには注意をしなければならない。それでも耳は比較的自由に使える。

音楽好きの私は、今の車を購入した際、車種や車の色よりも、車内の音響にこだわった。アンプとなるカーナビ、そしてスピーカーを入れ替えて、車内で大好きな音楽をいい音で聴けるようにカスタマイズしたのだ。


運転中は、短距離でも長距離でも、車内では基本的にiPhoneをBluetoothでカーナビに連動させて音楽を聞いている。時々FM放送。

iPhoneではポッドキャストのお気に入り番組をいくつか登録し、毎週楽しみに聞いているのだが、これは駅から職場までの徒歩の時間にイヤホンで聞いていた。


今回の勤務地変更により往復の移動時間は3時間に増えた。音楽鑑賞は確かにいいのだが、1日3時間もその時間を取らなくてもいい。

私は1日6〜8時間寝るので、起きて活動している時間は16〜18時間。そのうちの3時間、運転しながらインプットもアウトプットもせず、ただ音楽を聞いているのはもったいない。


そこで、はじめに車内でポッドキャストを流してみた。これはこれで悪くない。いいインプットもできる。しかし、ポッドキャストの番組は長くて30分。番組の配信間隔が週に1回のものが多いので、長い通勤時間を全く満たしてくれない。


困った。


新しい読書との出会い

車通勤になって2週間が経ち、ナビがなくても職場にたどり着けるようになったころ、あるスマホ広告に目が止まった。・・・オーディオブック

オーディオブックとは、本1冊丸ごとナレーターが朗読してくれる音声メディアだ。電子書籍を購入するような感覚で、本を購入して、自分のスマホ端末にダウンロードするとネット環境がない場所でも聞くことができる。というのだ。


日本のオーディオブック業界は、株式会社オトバンクが運営する「オーディオブック」とAmazonが運営する「オーディブル」が二大巨塔だとわかった。

取り扱い書籍数は全世界でサービスを提供している「オーディブル」の方が圧倒的に多い。しかし、よく調べてみると、日本語の出版物に限ってみれば両者の差はほとんどないようだ。


料金体系やサービスの仕組みには違いがある。これは使う人の読書スタイルで選べば良いと思う。

私の場合は、1日3時間の通勤時間でほぼ毎日聞くことを想定し、1ヶ月750円で「定額読み(聴き)放題サービス」のあるオーディブルを選んだ。

聴き放題サービスで選べる本は限定されているが、ざっと見たところ十分すぎる質と量が揃っている。聴き放題サービス以外の本は、単品購入も可能だ。


新たな読書生活

早速、気になる本をダウンロードして、車内で再生してみる。

オーディオブックはコンピューターによる音声変換ではなく、ナレーター(人間)が朗読してくれるので、抑揚や間など、耳障りな部分は全くなく、スムーズに内容が頭に入ってくる。私はコンピューターの音声の抑揚や間などが気になって、内容が頭に入ってこないことがあるので、ナレーターによる朗読はとても心地いい。


もちろん、運転に注意を払っているので、聴き飛ばしてしまったり、気になる箇所があったとしても運転中は巻き戻しの操作ができなかったり、メモを取れないなど、通常の読書のようにはいかない部分もある。

けれど、耳でする読書には、本による読書に勝る効果もある。


まず車内読書のメリットとして、通勤中の片道1.5時間、ほぼ強制的に読書を継続できることを挙げたい。


休日に自宅で読書をしていても、1時間以上集中して読書を続けることはあまりない。

それがオーディオブックの場合、車のスピーカーから一方的に流れ続けてくるため、集中力や根気がなくても、目的地に着くまで自動的かつ簡単に読書を続けられるのだ。


目で追うよりは読書スピードが落ちるが、1日3時間確実に読み進めていけば、結果的には読書量は増えそうだ。再生スピードのコントロールもできるので、一度聞いた本は再生スピードを上げてもう一度聞き、理解を深めることもできる。


さらに、オーディオブックの方が本の内容を記憶しやすい


皆さんも、「あの人とのドライブ中に、海の見える交差点で、この曲がラジオから流れてきたなぁ」などと思い出したことがあるだろう。

人の脳は、それぞれ別の情報を組み合わせた方が、記憶に残りやすいという。


通常、読書中は、ほぼ視覚情報だけを活用して脳に信号を送っている。

一方、オーディオブックでは、耳から本の内容が入ってくるのと同時に、目からは景色や交通状況など全く違う情報が入ってくる。

これは、想定外の効果だ。


動く書斎

通勤時間は、生産性のない無駄な時間だと考えていたが、オーディオブックの活用により、私の通勤時間は、誰にも邪魔されず、スマホの誘惑もなく、一人で集中して読書できる貴重な時間となった。

自宅には私専用の書斎はないが、一人で移動している車の中は、さながら書斎といえよう。

いろんな予期せぬ変化は常に起きるが、その変化をチャンスとして生かす、一つの好事例になるかもしれない。


次の目標は、

読書でインプットしたことを、家に帰ってからアウトプットする。

時間の活用方法、アウトプットの方法を工夫をして習慣化をめざす。


翻楽家 立崎 直樹


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