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最近思ったこと、考えたこと

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ブログサイトで書いてきたジャーナルを、2020年6月からnoteで発表することにしました。テーマはその時々関心をもったこと、もう何年も続けています。葉っぱの坑夫の出版活動と直接的… もっと読む
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#上原善広

crazyをどう訳す? これは差別語?

crazyをどう訳す? これは差別語?

英日の翻訳をしていて、日本語にするのに困ることは結構あります。一つはその英語の言葉にあたる日本語(考え方、ものの見方)が存在しない場合。たとえばトランスジェンダー(英語圏では1965年ごろに造語された)とか。まあこれはもう、カタカナ表記で広まっているから、訳す必要はないとして。
title image : Insane graffiti, East London by duncan c(CC BY

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こぼれ落ちた声を聴く:情報の海の外へ

こぼれ落ちた声を聴く:情報の海の外へ

ノンフィクション作家・上原善広さんの『四国辺土記』の連載を読み始めました。noteで先月スタートしたもので、有料(1回分100円)です。

上原さんの本はこれまでに何冊か読んできて、どこかフィーリング的に合うな、と思ってきました。最初に読んだのは『被差別の食卓』という本でした。アメリカ、ブラジル、ブルガリア、イラク、ネパール、そして日本の被差別の民の食べものを取材した、非常にユニークな本です。他で

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ジャズのようなノンフィクション?

ジャズのようなノンフィクション?

日本語でノンフィクションというと、事実に基づいて書かれた文章、たとえばあるテーマを追ったルポルタージュとか、誰かの評伝とか、紀行文とか、そういうものを思い浮かべる。映像作品の場合は、ドキュメンタリーと呼ばれることが多い。写真作品の場合は、(本当はそうではないが)基本的になんであれノンフィクションと思われているふしもある。

前回の「Truth is somewhere between ○ and

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Truth is somewhere between ○ and ✗

Truth is somewhere between ○ and ✗

英語にはあいまいな表現があまりない、と言われることがあるけれど、ないわけではない。前回ファクトチェックやフェイクニュースについて書いたことに続き、今回は別視点で「真実とは」について書いてみる。

最近出会った言葉で、ピンときたのが上のタイトルにあげたもの。最近出会ったといっても、その言葉が世に出たのはかなり昔のことで、アメリカの写真家ロバート・フランクの言った言葉だった。書類の整理をしていてたまた

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