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記事を書くときに気をつけていること


「アル開発室」のオンラインイベントで話をすることになりました

人前で話したら「あの、その・・!」しか言えない自信があるので、話す内容をnoteにしたためておきます。

テーマは、「こんなふうに記事を書いているよ」のシェアです。
「アル開発室」というのは、マンガサービス「アル」が運営しているサロンです。

ライター初心者のわたしですが、以下の記事はめちゃくちゃ読んでもらえました。

読んでもらえたのは、こうした理由だと思っています

・マンガを知らない人でも自分ごととして読めた
・作者の大童澄瞳(おおわら・すみと)先生がRTしてくれた
・アニメ放送で、『映像研には手を出すな!』の人気に火がついた

というわけで、記事のテーマを選んだ時点で勝利が確定していたのではないか!?とも思うのですが、もし、仮に、「コイツの文章、読みやすいな」と思ってもらえることがあれば...!

「こういうことに気をつけて書いていますよ」というポイント5つをお伝えします。

1.わかる言葉で書く

ここでいう「わかる言葉」というのは、二種類の意味があります。

ひとつは、読者が「わかる」こと、
もうひとつは、ライターが「わかる」ことです。

👨‍👩‍👧読者がわかる言葉で書く

「読者がわかる言葉で書く」というのは...アルだとつまり「固有名詞を出しすぎない」ことです。キャラクターやセリフ、町の名前など...

『映像研には手を出すな!』という、女子高生三人が主人公の作品があります。
この作品を、固有名詞をバリバリ出して説明するとこうなります。

芝浜高校に通う、浅草みどり金森さやか水崎ツバメが、”最強の世界”をつくるために映像研を立ち上げます」(ちょっと、悪意のある書き方ですが...)

「芝浜高校」「浅草みどり」「金森さやか」「水崎ツバメ」「最強の世界」「映像研」...作品を知らない人からすれば、聞き慣れないことばのオンパレードです。
ひとつひとつの言葉を説明できるといいのですが、記事では文字数がかぎられています。記事に登場させる固有名詞は、説明できる数にしぼるようにしています。

🤓ライターがわかる言葉で書く
「ライターがわかる言葉を書く」というのは、つまり「知らない言葉を使わない」ということです。私は、横文字に弱いです。たとえば「インセンティブ」、「フェーズ」、「コミット」...使ってみたいという憧れはあるのですが、ボロがでちゃうので使わないようにしています。

自分が腹の底から意味のわかる言葉以外は使わない
(池上 彰・竹内政明『書く力』より)


2.言葉えらびに迷ったら、「耳」に頼る

読売新聞で「編集手帳」というコラムを書いていた、竹内政明さんのエピソードを紹介します。
その日のテーマは、ある殺傷事件でした。
文章を「犯人よ、聞くがいい」にするか、「男よ、聞くがいい」にするかで迷っていたそうです。
採用されたのは「男よ」でした。

「耳」が気に入ったから、という理由だったそうです。

私も「耳」が気に入るかどうかは、言葉選びの基準にしています。

何度か声に出して読み比べ、最後は「耳」が気に入ったほうを選びました。
(池上 彰・竹内政明『書く力』より)


3.「目」にも頼る

さきほどは「耳が気にいるか」という話でしたが、こんどは「目」です。
編集者である、竹村俊助さんのnoteを紹介します。

このnoteでは、村上春樹さんや林真理子さんなどの文章がなぜ読みやすいかを、「デザインが優れているから」という視点でまとめています。

具体的には、以下の3つです。

①ひらがなを増やす
②4〜5行以内に改行する
③キャッチーな一文を入れる
(竹村俊助さんのnoteより)

くわしくは、竹村俊助さんのnoteにすべて書いてありますので、こちらを読んでくださいっ


4.ツッコミを入れる

読んでいる人に「コイツ何いっているんだろう」と思われたらゲームオーバーです。つまり、読者が読むのをやめてしまいます。

そうならないために「絶えず自分の文章にツッコミを入れる」というのをしています。たとえば「それどういう意味?」「さっきと言っていることが違うんだが?」「ソースは?」などなど...

この「ツッコミを入れる」は、古賀史健(こが・ふみたけ)さんの本から学びました。

読者の頭に浮かんだ「?」に対し、卓球のサーブを打ち返すように「!」の解をスマッシュする。
(古賀忠健『みんなが書き手になる時代の あたらしい文章入門』)


5.読みたいことを、書けばいい

『読みたいことを、書けばいい』は、田中泰延(たなか・のぶたけ)さんの本のタイトルです。
「あなたはゴリラですか」という、衝撃の一文からはじまります。

けっきょく、「読みたいことを書けばいい」だなんて!
今まで書いてきたことすべてを反故にしかねない、危険思想です。

でも、このことばには、「文章術」でガチガチになった筋肉をほぐしてくれる効果があります。

読んでいる私がおもしろい、それがいちばん大切だとおもいます。


さいごに:私に文章の書き方を教えてくれた本たち

ライターはまるっきり未経験な私に、文章の書き方を教えてくれた本たちを紹介します。ほかにも「これは読め!」というのがあれば、教えてください!



息子がグレて「こんな家、出てってやるよババァ」と言ったあと、「何言ってもいいが大学にだけは行っておけ」と送り出し、旅立つその日に「これ持っていけ」と渡します。