あなたが「周りに」流されるのには原因があります。
こんにちは。Taiyoです。
いきなりですが、こんな経験ありませんか?
あなたはお昼ごはんを食べに出かけています。様々ある選択肢の中で、以下の2つまで絞り込みました。
・味・コスパはそれほど良くないが、空席を待つ人々が並んでいる店A
・行列はないが、以前友達から「味・コスパともにレベルの高い有名店」と聞いた店B
今この記事を読んでいるあなたは、「そんなの店Bを選ぶに決まってるだろ」と思うかもしれない。
しかし、実際店Aを選んでしまう人も少なくない。
なぜだろう?
我々は”群れたがる”
少し難しい話にはなるが、人間の重要な特徴の一つに、「他者を真似し、群れをなして行動しようとする性質」がある。
これを「ハーディング現象」という。
このハーディング現象には良い面もあるのだが、一方で悪い面もある。その代表例が先ほどの店Aを選らぶという選択だ。
詳しく説明していこう。
店A・店Bを選ぶうえで私たちは2つの情報を得ている。
・友人から聞いた、店Bは味・コスパ抜群の名店であるという情報。
・ほかの人々がどちらの店を選ぶかを観察することで得られる情報。
あなたが仮に店Aに並んだら、それを見た②の情報を知らない人々も続々と店Aに並んでいく。
このようにハーディング(群れ)によって人々が群衆の行動に引きずられ、個々の持つ有用な情報(今回は情報②)が駆逐されてしまい、全体として不利益になることを、「ハーディング負の外部性」という。
もちろん、集団と行動を共にすれば安全であり、一定の条件下では集団の下す意思決定はより良い判断につながる。しかし、ハーディングは個人の貴重な情報が無視される恐れもあるのだ。
あなたが店Aを選んでしまうのにはもう一つ原因がある。それは「あなた自身の周りからの評価を気にしている」ことだ。
他人と一緒に店Aを選べば(誤った判断)、あなたの評判は傷つかない。よってあなたは、自分が店Bを選んで得る満足感よりも他人の評価を優先しているのだ。
”群れること”は決して悪いことではない
ここまでの話を聞くと、「群れること」=「悪いこと」のようなイメージを持つ人も多いだろう。だが決してそうではない。
ハーディング(群れること)は、迅速な意思決定のための手段なのだ。
例えば、あなたが一人暮らしを始めるにあたって冷蔵庫を購入する場面を考える。多くの人が冷蔵庫にはさほど興味がないだろう。しかし、世の中には様々な冷蔵庫メーカーがあり、様々な機能や価格で競い合っている。
膨大にある冷蔵庫の情報から一つの冷蔵庫を絞るのは至難の業といえる。そんな時あなたは、こんな行動に出るのではないか?
既に一人暮らしを始めている友人Aの使っている冷蔵庫を教えてもらいそれを購入する。
こうすれば、膨大な時間と労力を節約することができる。
行動経済学者はこれを”ヒューリスティクス”と呼ぶ。
これは群れをなすハーディング現象の一部と解釈されている。
情報は多すぎてもいけない
ここからいえることは、インターネットの発達により情報が簡単に手に入ったことでそこから取捨選択するのに労力が寄りかかるようになってしまったということだ。
私たちに求められるのは、単に与えられた情報を処理する能力だけでなく、限りなく多い情報から必要なものを選択し”比較的”合理的といえる判断を、限られた時間の中で下すことではないか。
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