[1年] 結成5ヶ月でCL合格も、1ヶ月後に消滅、辞退した話。②(10)

つづき。



(長いです。)






そうして練習にも熱が入り、

自分たちの世界観に入り込んで歌うのが

なんとも心地よく、誰にも渡したくなくて、

ただただ観客の心に届けたい一心で歌う。




みんな多忙で時間限られていたからこそ、

共有できる少しの時間も


しっかり創り上げるために

かなり話し合い、検討し、


着実なものにしていました。



そうして迎えた本番。


経験豊富な先輩方のバンドが19組いる中、

ぽつんと私たちのバンド。



肩身が狭い、


(本っ当に狭かった。。。)



控え室では、


先輩方のバンドが 衣装や小物、MCなど

細部まで仕上げられていて、それに萎縮。




私たちは、白黒の上下。

ぽつんと直立でスタンバイ。



憧れる方々の中で歌う緊張、

同期が目の前で聴いてくれる喜び、

審査される怖さや、審査員の刺すような目線。




一方で、見せつけたかった「私たちの意地」。



マイクトラブルで2度歌うハメになり

ショックや恐怖再来にパニクりながらも、

なんとか立って、歌いきった。



そうして、

同期からもらった「感動した」

先輩方から頂いた「上手い」

審査員の方々から頂いた「今後が楽しみ」




すべてが喜びとして体の隅々に染み渡り、

プレッシャーあって張り詰めていたのが

やっと解放された。





そして、20バンド中の8バンドに入り、

審査通過。





サークルライブの大舞台の切符を手にし、

・1.2年生バンドの出演 史上初
・1年生2人の同バンド出演 史上初
・1年生リードが杏沙子さんぶり



と、多数の快挙を現実に。





目指してたところにこれた…。

私たちがほめられてたのは

お世辞とかではなく、

自分たちで認めてあげていいものなんだ…。


そう思える成果が出せました。



その後の授業3講義分頭に入らず、

ずっと夢見心地で、

人生一、喜びに浸った日でした。




その後、また川沿いで喜びを叫びあい、

気を引き締めて練習して

目標の一つを叶えよう、と宣誓しあいました。




絶対に私たちの色に染った歌を

たくさん届けたいね、と。







そんなある日。








練習にくるはずのAさんが来ず、




「1日くらい寝坊してもいいよね」と

3人で練習を敢行。




次も、次の次の日も来なくて、




「Aさんがどこかおかしい」と、


これまでにない異変を感じました。





そんな状況でやってきたMVの撮影日、




MVの構成や衣装の熟考も、

Aさん不在ゆえ、3人の撮影。


グループとして100%で挑めなかった。





ライブのチーフも務めていたAさんだが、

会議にも無断欠席していたようで。




本当に4人で頑張ってきて、

受かって、喜びを感じあって、




「これからを期待してもらうためにも
頑張ろうね」

と約束した矢先だったのに。



みるみる焦りに変わっていきました。





そうして、2週間くらいが経過したある日。



「12月3日20時の練習に来なければ、

申し訳ないけど "辞退" になります」




代表からのLINEでした。


ただただ、それをのむしかない状況。

何度グループにLINEしても、「既読2」。

Aさんに何が起きてるのか分からない。

私たちにはどうしようもできない。




「Aさんお願い」と無事を祈りながらも、

諦めを受け入れられない 不安定な現実、

「もう歌えないの?」と信じれない気持ち。




全てが夢であるはず、と何度も思ったけど。






結局、Aさんが来ることはありませんでした。





そのまま、私たちは辞退しました。



4人で喜びを共にした川沿いで


3人で静かに泣くしかなく、



快挙といわれ手にしたものを

自らの手で手放すことになり、



全部が "夢" で終わってしまい

全部が幻になった。






そこからショックで、


学校やバイトに行けなくなり、

交友関係も亀裂が走り、



「こんなに苦しくなるなら

もう歌なんてやめてしまおう」


と、逃げることを選び。




落選した方への申し訳なさや、

合格した方を見た時の

どうにもできない悔しさ、


応援してくれてた同期への気まずさ、

ただただ「出たかった」の虚無感から



サークルにも行けませんでした。



全て失ったようでした、

毎日泣いて、布団から出れなくて。


出れたと思ったら、横浜駅の中央改札で

立てなくなるほどの大泣きで動けなくなったり。



「こんな歌が好きなんだ、私」

と思うたびに何度も締め付けられて、


結局、思い出を消すように

全てから逃げました。





年が明けたある日、



私たちが出るはずだった枠を

急きょ埋めるようにコンテンツが誕生。




「洋楽を歌う。リードボーカルを募集。」



まるで違う雰囲気。




他人事に思っていたら、


「しおりに挑戦してほしい」


と先輩からLINEが。




「このまま後悔してほしくない」

「でも無理はしなくていい」

と言ってくれて、考えて、



「今の私にはできません。ごめんなさい」

と伝えました。



傷が何も癒えていなかったんです。




でも。


内容から、私を想う気持ちが伝わって、

逃げていた自分に対して初めて

「このままどうするんだろう」

と疑問を投げかけたけど、


何も分からなかった。



その末、たくさん考え、悩んで、




「後悔してほしくない」

の言葉の重みに気づきました。




「このままだと後悔しない?」

と言われてるようで。




もっと辛くなるのが嫌だったので、

結局、ダメ元で挑戦してみることに。






この挑戦の結果、


「頑張ってきてほしい」と期待をもらい、




当時サークルにいた、ビートボクサーの

John-Tさん(日本一を経験したすごい人)、

ちねん、かわむーの同期2人
(今やBeatBox系YouTuber)

の3人をバックに

Beat-Box Stageでリードに。




本番の3ヶ月前、

大好きだったバラードバンドで
曲に命を吹き込んで練習。


本番2ヶ月前、その1人が失踪、辞退。
そしてバンドの消滅。

本番1ヶ月前、どん底ですべて真っ暗。



そして本番2週間前、

ビートボクサーと練習。



このときまで、

受け入れ難い現実から

現実を見ずに逃げ続けてたけど、


新しいことへの挑戦をして、初めて、

本当に本当にわずかですが、

前進できた気がしました。




「こうなったらもう引き返せない」


と思ってから、

気持ちを入れ替える準備に。




これまでの苦労や出来事から

多くの複雑な気持ちを抱え、

人生で1度も関わったことのない

ビートボクサーとの練習が開始。



バンドが出るはずだった枠に

異種のコンテンツで出ることが、


薄くても、少しの縁だと思いたくて、

何かのスタートになることを願って、

ひたすら練習するしかなくて。




迎えた本番の出来は

悔しい部分もあったけど、


歌いきって、やりきった。



一時は外に出れなかったほど傷心してたのに、

観客の前で歌って、ちゃんと楽しめた。



あの時伝えてくれた

「後悔してほしくない」に

こんな助けられると思わなかったけど、




「一歩踏み出さないと何も変わらない」


ことを、

さまざまな苦労を通して学んだ。





ライブ終演後、


落選に立ち直れなかったと噂されてた先輩が

私にLINEをくれたんです。


「悔しい経験をした人にしか

歌えない歌ってあるんだよ。


しおりには、それが歌える。

ステージに立ってくれてありがとう。」




本当に、涙が止まらなかった。




逃げ続けずに勇気を出した結果

見える景色が存在することを知り、


同時に、


大好きな歌を続けない選択を

少しでもしようとした自分に怖くなった。





このステージを経験して変わったことは、


想いを大切に歌う機会が増えたこと。



少しだけした期待が、膨大になって、


少し願った「何かのスタートになれば」が

アカペラ人生のスタートになった。





このライブ後に、

前出のkawamuuに誘われて結成したのが


JukeHouseです。



このグループがなければ、

私はいろんな人に知ってもらえる機会が

なかったと思うし、


あのステージに立たなければ、

きっと今も挑戦する勇気を持てていない。


[JukeHouseのLINK]笑。




バラードバンドが続いていたら

きっとJukeには私がいなくて、



バラードバンドが続けられなかったから

今の私がいます。





立てるステージ一つ一つが大切で、

本当に瞬間的な尊いもので、

届けたいものを明確に歌に乗せ、

「やりたい」に貪欲になれる自分がいる。






もし、一歩出すことに怯えてたり、

心配や不安がある人がいたら、


”意外とやってみる価値あるんだよ”

ってことが

これを読んで伝わっててほしい。



それを踏まえて、

「挑戦は財産になるかもよ」って伝えたい。


ならないかもしれないけど、

今後の自分を支えてくれるはず。



失敗しても、後悔しないんじゃないかな。




私はBeatBox Stageで最後にミスして

恥ずかしいくらい大泣きしたけど、

それが霞むくらい後悔してません。


[恥ずいけど、これがその演奏。]

3年前で全員若い。
3人有名だから、広めないであげて。笑






ということで。


こんなにも長い文章を読んでくださり、

ありがとうございました。



こんな一般人の私でも、

同じ悩みを抱いてる人の背中を

少しでも押したかったんです。




このバンドのことは未だによぎります。


「今も続いてたら」とか、

「何歌ってるかな」とか、

「JAM出れてたかな」とか。



学祭2回、審査1回、外ライブ1回という

少なすぎるステージだったけど、

これだけ想えるバンドの一員になれたのは

人生の幸福5選に入ると思う。



「合格したけどまだいける」っていう、


本当にこれからの状態で消滅したけれど、



その気持ちを常に胸に抱いて

大学卒業まで走ってきました。



あ、
これももし聴きたい人がいてくれたら、

演奏動画お渡しします。笑

いたらすごい。(嬉しくてね)





どうしても語りたかった。


本当に長い長い文章を読んで頂き、

ありがとうございました。



また近日、なにかしら投稿します。


読むまで15分くらいかかっちゃったかな、

そのときはごめんなさいね。






おわり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?