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◆ 気になった本 06.2

「旅の断片」(若菜晃子 アノニマ・スタジオ 9784877588038)

書店さんの棚で積まれているこの本を目にして
この書き手さんのことは全く知らないけど
「かわいくてつくり込んでいる本だな」と思った
「街と山のあいだ」(9784877587673)という前作があるのを知り
まずそれを借りて読み 装丁どおり“いいな”と思った
そして ようやく 本作の順番が回って来た
読みはじめても なんだか 前作のようにはノッて来ない
やっぱり 最初の本は いろいろ選ばれたテキストだからなぁ
それでも
中盤以降 お土産やインドのあたりから エンジンが掛かってきた
ボクもドバイの骨とう品屋へ行ってみたくなった
もちろん サハリンやスリランカへも...

でも
今作で最も腑に落ちたのは ほぼ冒頭...
>メキシコという国が、そこから出てきた瞬間に私の後ろでぱたんと扉が
>閉まり、その扉がすぐさま遠くに飛び去っていって、そして地図上のひ
>とつの国にすうっと納まってしまったかのように感じた。
この感覚 よ~くわかる
もうすっかり忘れてしまっていたけどね
ボクが去った街角
ボクが居ても居なくても そんなことは関係がなく
連綿と続く時間をくり返していく...
ほんの今まで繋がっていると思っていたけど もう切れてる
ボクの記憶の中でお互いが文字として存在しているだけ
あの扉が開いてたなんて信じられない...

出来れば
前作から続けてお読みください
この書き手さんの 繊細な視線や優しさがおわかりになると思います
すぐに読めます
そして おすすめ!

#旅の断片 #若菜晃子 #アノニマスタジオ #9784877588038