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青いテントウ虫はどこにいる?

梅雨の季節に入り、
めっきりとテントウムシをみかけなくなりました。
雨が降らない日は30度を超える日が多く、暑い日は草の影の奥深くに隠れてしまった虫たちを探すのは骨が折れそう。

今回のテントウムシの話は
こちらの本を読んだ感想になります。

この本の面白いところは、語り口が親しみ深くて、視点が面白い。
たいていの人は、自分が好きなものに対して嫌いだという人に会うと、拒絶してしまうものなのに「なぜ嫌いなのか。嫌いの中にもまだマシなものは存在するのか」と質問をして、掘り下げていく。その話の中で現れたのがテントウムシだ。

私が子どもを産んで、面白いなーと思ったのは、自分が知らないことを子どもが教えてくれることなんです。テントウムシはその一つで、子どもを喜ばせたい故に読み始めたのに、どっぷりとハマっている感じがする。

青いテントウ虫を見つけたのは、子どもとYoutubeでテントウムシ動画を探しているときだった。私は大人になるまでナナホシテントウしか見たことがなかったので、青いテントウ虫を見たときは興奮した。(草取りしていてナミテントウを見つけたときは、絶叫してしまった、笑)

青色テントウと言っても日本には存在しない種なので、日本名がない。
名前はsteelblue ladybirdとのこと。
オーストラリア原産の虫で、現在はオセアニア地域やハワイなどで見つけることができるようです。とても希少な虫で幸運をもたらすとかなんとか。
金属っぽい色のテントウ虫で綺麗な虫です。

プロフィール画像に載っているのはナナホシテントウとsteelblue ladybirdの雑種なのかな?と思っている。もしくはこのナナホシテントウが捕食していたアブラムシが青の色素を持っていたのかなぁ?とか夢が広がります。(注:私は素人です)

冒頭で紹介した盛口先生の本を読めば、だいたいテントウ虫の謎は楽しく解決できる。もちろん、青いテントウムシについても記載されているのでおススメです。文章が軽快で、読みやすい。

この本の中で個人的に印象的だった箇所を
まとめていこうと思います。

1.テントウ虫の名前の由来について

名前の由来について、私が今まで読んできた本の中では「お天道様に向かって飛ぶ虫だから、テントウ虫と呼ばれる」という風に書かれていた。
だが盛口先生は本の中で、

P19より もうひとつ、思いもよらなかった話が紹介されていた。それは「一六世紀の後半、キリスト教の布教にやってきた宣教師が神のことを『テントウ』と呼び、この虫に神の虫の意味でテントウムシと名付けたのが始まり」という説だ。(中略)欧米では、テントウムシは神様とかかわりのある虫とされているからだ。英語でテントウムシを「レディバード」と呼ぶが、この「レディ」は聖母マリアのこと。また、フランス語やドイツ語でも「聖母の虫」という意味を持っている。

と書いているのに驚いた。この話は「農作物を荒らす害虫に困っていた農夫がマリア様に祈りを捧げると、沢山のてんとう虫が現れて害虫を食べてくれて豊作になった」ことから「聖母様の鳥」となった説や「ナナホシテントウの赤い羽が、聖母マリアの赤いローブを象徴し、背中の斑点は聖母マリアの7つの喜びと悲しみを表している」などの説がある、とのことですが、それを示す文献はどれなのかまでは分からなかったので、また時間があるときに調べようかと思います。もしご存じの方がいらっしゃいましたらコメントお願いします。

2.虫の標本について


P47~48 虫を標本にするには、虫を殺さなくてはいけない。虫の殺し方にもいろいろある。(中略)毒ビンというのは、その名のとおり、毒の入ったビンだ。(中略)甲虫の場合、一般的な毒としては酢酸エチルが使われる。酢酸エチルを使うと死んだあとの脚などの関節が硬直しないので、標本として整形するのに便利なのだ。ただし、酢酸エチルは、虫によっては体色を変色させてしまう場合がある。

虫の標本を見たことがあるけれど、そういえばテントウムシだけ見かけなかった、と思ったら、テントウムシは標本にすると体色が変色してしまう虫らしい。あと潰れやすいので標本に向かないのだとか。

3.テントウムシの餌であるアブラムシについて


P76 公園などに植えられることの多いキョウチクトウには強い毒がある(キョウチクトウの毒は、人間にも危険なぐらい猛毒だ)。このキョウチクトウにつくのが、キョウチクトウアブラムシである。高田肇さんらの研究によれば、飼育下で、キョウチクトウアブラムシを与えると、ナミテントウの幼虫は死んでしまった。しかし、ダイダラテントウはキョウチクトウアブラムシを平気で食べる。

キョウチクトウは優れた園芸植物ではあるが、強い経口毒性があり、野外活動の際に調理に用いたり、家畜が食べたりしないよう注意が必要である。花、葉、枝、根、果実すべての部分と、周辺の土壌にも毒性がある。生木を燃やした煙も有毒であり[3]、毒成分は強心配糖体のオレアンドリンなど[4](#薬用も参照)。腐葉土にしても1年間は毒性が残るため、腐葉土にする際にも注意を要する。
Wikipedia より

キョウチクトウがこんなに猛毒だったなんて知っていましたか? 私は知らなかったのでなかなか興味深いです。盛口先生の本によれば、テントウムシを探すためには、その餌となるアブラムシがいる場所(植物)を探す必要があるそうなのです。幻の虫と呼ばれているオオテントウも、オオテントウが食べるアブラムシが何の植物につくかを調べて、きちんと探せばもしかしたら出会えるのかもしれません。
ではなぜ、同じアブラムシを食べないのかという疑問にはこちらのサイトのコラムがまたまた興味深いので時間がある方は読んでみてください。

いろいろ書いてみて、素人がまとめるのは本当に難しい。けれど、読んでみてたくさんの知識が得られて本当に楽しかったです。
息子が大きくなっても、テントウムシが好きだったら、この本を読んでもらいたいです。




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