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「机間巡視」の価値とは。~話合いに生かすため、教師がみとるべきこと~

「きかんじゅんし」と打ち込んだら、一発で「机間巡視」と変換されたことに驚きを隠せないJUNです。

「机間巡視」って言葉を教師意外で使う方々はいらっしゃるんでしょうか。何はともあれ、変換が早くて嬉しい限りです。

分散登校による少人数指導のメリットとして、机間巡視について本記事で話題としたいと思います。ちなみに、机間巡視というのは、教師が子どもたちの活動を見回りながら歩いている状態のことを言います。きっと他業種では使わないですよね。

僕の学級の子どもたちは、40人近くいます。高学年で40人近い子どもたちが机を並べて学習に励んでいると、机と机の間が狭くて歩くのがきついです。

しかし、現在の分散登校期間は、机間巡視したい放題です。子どもの数が半分になるということは、やはり素晴らしいことですよね。一人ひとりに関わることができる時間が増えるということですから。全国的に30人以下学級となるよう強く願っています。

▶机間巡視の価値。

では早速、本題に移りましょう。

何のために机間巡視をするのかですが、

①子どもの学習進度の把握。
②必要であればアドバイス。
③その後の授業展開の計画。

が挙げられます。

授業では、必ずと言っていいほど、「個人追究」の場面が訪れます。

「じゃあ、この登場人物の気持ちについて考えてノートに書こう。」

という指示を出して、個人で考えるような場面ですね。当然、多くの子どもたちは、書き始めます。さて、子どもたちが個人学習を始めたのを見守って、僕たち教師は、ほっと一息つきたくなる気持ちをぐっと抑え、机と机の間をぐるぐると歩き回ります。机間巡視による指導ですね。

子どもたちのノートをみつつ、「誰が何を書いているのか。」を把握していきます。教師によっては、メモを取りながら歩き回る方もいらっしゃいますね。これが、①の行程です。

ひとしきり歩き回ったところで、②の行程へ移行します。

「書けずに悩んでいると思われる子どもへのアドバイス」

をするためです。子どもたちが「書くことができない。」理由は多様で、別記事にもなりそうなので、深入りはしませんが、

「考えはあるけど、何て書いたらいいのか分からない。」

という子どももいます。そんな子どもに対しては、教師が問いかけることで、考えを引き出し、

「そうだよね。そのまま書いてごらん。」

と、勇気づけることにより、書くことができる場合もあります。

そして、机間巡視をする上で必要不可欠なのは、③の

「作戦を立てる。」

ということです。

どういうことかと言うと、5分から10分という「書く」時間に、子どもたちの考えをみとり、その後に行われる「話合い」の作戦を立てるのです。具体的に書くと、

・一発目に当てるのは誰か。
・話合いの対立点はあるか。
・意図的に指名する必要はあるか。

などです。

何事もそうですが、話合いも「流れ」が重要です。そして、話合いの「流れ」というのは、最初に当たった子どもが方向性をつくります。だからこそ、多くの子どもたちに受け入れられる多数派の意見を最初に発表してもらうことで、その後の「話しやすさ」をつくりだすことができるのです。

2つ目のポイントとして意識したいのは、

「多数派を立ち止まらせる少数派の意見を効果的に取り入れる。」

ということです。立場に分かれるような話合いでは、「対立点」をつくることで、話合いを深めることもできます。多くの子どもたちと違った角度から捉えている意見を敢えてぶつけることで、自分の考えに立ち戻らせて「考えの再構成」をするきっかけをつくることができるのです。

最後に知っておきたい机間巡視のポイントとして、「意図的指名」があげられます。それぞれの教室には、発表してほしい意見を書いてはいるけれど、挙手をして表現することに前向きではない子どももいます。そのような子どもを机間巡視の際にチェックしておき、話合いに参加を促すのです。

先ほども書きましたが、「多数派の目を覚まさせるような意見」は、話合いの流れの中でどうしても「出しにくい」場合があります。そんなときは、教師の「意図的指名」が必要不可欠です。

このように、机間巡視は、「話合いをデザイン」し、「学習効果」を高めることができる、教師の技術なのです!

▶まとめ。

本記事では、「机間巡視の活用法」について書きました。もっとマニアックに書くと、机間巡視のルートや個別声掛けの法則などもあるのですが、また別の機会に紹介させてください。意識したいのは、子ども主体の授業を展開する上で、机間巡視は数少ない教師がもちうる武器の一つであるということです。日々の実践の中で精度を研ぎ澄まし、授業を深めていきたいものです!

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