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満足する報酬なんて得られない

「幸せ」という価値観が共有されていた一昔前、目指すゴールは、分かりやすいものでした。

懸命に勉強して高学歴をゲット。

大企業に入社して云々。

しかし、現代では「幸せ」の捉え方が多様化しました。

すると、「お金」というものが「幸せ」の価値観として力を失っていくではないですか。

どうやら「お金」よりも、「時間」とか「自分らしさ」の方に重きが置かれてきているみたい。

ただ、それなりに「お金」も追い求めなければ「時間」とか「自分らしさ」が手に入らない場合もあるでしょう。

要するに、ドストレートに「お金」目指すのではなく、「何のために稼ぐのか?」という「意味」の方に価値観が移ってきたのでしょう。

なぜなら、「いくら大金を稼いでも満足できない」というのが僕たち人間の本質なのですから。

「比較的単純な作業をこなしてもらい、報酬額を変えてみる」という実験があります。

数百人の実験参加者が、「数枚の画像を整理する」とか「単語を見つける」という作業を行いました。

肝心の報酬は、一セント、五セント、十セントと、敢えて異なった報酬を与え、実験参加者の取り組み方と気持ちを確かめました。

おもしろいのは、「報酬によって作業の質は変わらなかった」こと。

意外?と「どうせ一セントだから適当に…」とはならないみたい。

ただ、「報酬額が高いほど、作業量が増えた」というのは納得できますよね。

さらに、おもしろいのは、実験参加者に「作業に対する適正報酬」を聞いてみた結果。

なんと、

「一セントをもらった人は、適正報酬は、五セント。五セントをもらった人は、適正報酬八セント。そして、十セントもらった人は、適正報酬が十三セントだ!と感じていた」

というのです。

みんながみんな、「私の報酬はもうちょい高くてもいいはずだ!」と感じていたところが、何とも人間らしいですよね。

こんな人間の本質を知っておくと、少しだけ謙虚に振る舞うことの大切さを改めて実感することができるでしょう。

さらに、報酬を払う側の人にとっては、「上手く行ったら給料アップするよ!」というのが効果なしということも分かります。

もちろん、「テストで100点取ったらお小遣い」なんて約束も、ただただ勉強嫌いへの路線を敷いているだけ。

ちなみに、先生を対象に「自分のクラスの子どもの成績が良かったら報酬ゲット!」みたいな取り組みもあったのですが失敗に終わりました。

「先生のモチベーションがアップして子どもも勉強好きに…」と期待されたのですが、「テストの答えを改ざんする」とか「テストの答えを教えちゃう」なんて不正が増えちゃったなんて顛末。

「折り紙を楽しんでいる子どもたちに『1枚折るごとにご褒美をあげるよ!』なんて提案すると、折り紙で遊ばなくなる」なんて実験は有名ですよね。

やはり、自分の内側から湧き出てくる「楽しさ」とか「使命感」に「報酬」が与えられると、盛り上がるどころか逆効果。

その根底にあるのは、

「お金を目的とすると、永遠に満足することはない」

というもの。

このような実験を目にすると、「お金なんて…」となりそうなのですが、そう極端に考えない方がよいかもしれません。

▼大切なのは「価値観」に合わせた適正額

現実問題、「お金が全く必要ない」という状態で生き抜いていくことは、かなりのハードモード。

しかし、お金ばかりを目的として行動していると、必要以上に消耗してしまうでしょう。

だからこそ、「自分にとっての適正額」を知ることが必要。

ここで大事なのは、「自分にとって」というところ。

「他者と比べて…」という視点で適正金額を出そうとすると、メンタルをもっていかれるので注意です。

「自分にとっての適正額」は、人と比較して算出されるものではありませんからね。

あくまでも、「自分の価値観」に従って生活をする中で、適正額を算出していきましょう。

その時に必要不可欠なのが「価値観リスト」。

この「価値観リスト」を判断基準としてお金を使用し、リストを日々更新していくことで見えてくるのが「幸せな自分」なのです。

▼まとめ

本記事では、「人間は油断するとついつい多くを求めてしまうよ」という内容をまとめました。

ぜひとも、「価値観リスト」を日々更新し、自分なりの幸せを見出してくださいね。

📘参考文献
#偶然の科学

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