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とことん考えながら真似ることが、自分の力になる

小学校で授業をしていて、お手本としたい作品を紹介すると、同じように仕上げてきた子どもに対して「パクリだ!」なんて声をかける子どもさんがいます。

言葉の選び方について今回は議論せず、「パクってもいいんだよ!」と子どもたちには伝えます。

というのも、「先生、どうやって書いたらいいか分かりません。」と相談にくる子どもたちにとっては、「お手本」というものが必要だからです。

先生たちも授業をつくる上で、「先生が作った完成品」を「お手本」として提示し、子どもたちに学習の意図を伝えます。ただ、教師の作品よりも子どもたちのクオリティの方が素晴らしい。「こんな作品もいいね!」と、どしどし紹介させてもらいます。

本記事では、そんな「真似る」ことについて話題としていきますので、ぜひとも読んでみてくださいね。

▼「真似る」は、大切だけども・・・。

「なるほど!」と思う情報が、「#伝説の授業採集」に掲載されていたので、紹介させてください。

本書の中で、過去に「YOU」という番組内で放送された「誰でもミュージシャン 坂本龍一の音楽講座」の一幕が取り上げられていました。

それは、「ゲストの矢野顕子さんが童謡『サッちゃん』を弾き、その譜面をもとに音大生がピアノ弾き語りをしたらどうなるか?」というもの。

これだけでもめちゃくちゃ興味深いのですが、その実験結果もおもしろい。

「矢野さんの弾いた譜面通りに演奏をしたとしても、音大生に矢野さん風の演奏を再現することはできなかった。」

のです。

「でしょうね!」という結果となったのですが、その理由を考察する坂本龍一さんと糸井重里さんのやり取りもまたおもしろい。ざっくりまとめると、

「楽譜に書けなかったりピアノで弾けなかったりする音がある。」

だから、譜面を見ながらどれだけ正確に弾いたとしても矢野さんの演奏には近づけないという結論なのです。

思わず「なるほど~」と深く納得したのですが、もしかしたら、これは「学び」にも同じことが言えると思ったのです。

▼「真似る」+「考える」が大切。

昔から「技術」は「真似る」ことで伝え受け継がれてきました。

ただ、テクノロジーの進化により「真似る」という価値の変化も起きているのが僕たちが生きている現代。

「正確に真似る」ということに関してはAIに太刀打ちできないでしょう。だからこそ、「真似ながら考える」ことが大切になってくるのです。

上述した「矢野さんピアノ実験」でも確認されたように、「同じ曲を正確に弾いたところで人間の感情を動かすことはできない」のです。

そんな実験結果をふまえて 「考える」と、これからますます大切になってくることは、

「あなたは、どのようにその譜面を解釈してどのように表現するか?」

ということ。

「100人が100人同じ課題を与えられたとしても、『あなたなりの解釈方法』にこそ価値がある。」

のです。

しかし、ここで勘違いしてはいけないのは、ただただ単純に「自分なりの答えを表現すればいいのね。」という訳ではないということ。

堂々巡りとなりますが、その「自分なりの表現」は、「先人たちが繰り返してきた失敗」をなぞってはいけません。既に「失敗の法則」にあてはまっていることを調べもせずに「オリジナルだ!」とやってはいけないということです。

そう考えると「勉強する」ことにめちゃくちゃ価値が出てくると思いませんか?

あなたがチャレンジしようと思っていることについて「先人たちの結果」をありがたくいただいて、挑戦の成功確率を高めた方がいい。さらに予想される失敗に対して、先に対策しておいた方がいい訳です。

やはり、「真似る+考える」が本当の「学び」となり「あなたなりの価値」になっていくのです。

▼まとめ。

本記事では、「真似ること+考えることが『学び』だよ」という内容をまとめました。

ぜひとも、子どもさんにもシェアしてみてくださいね。



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