「不登校」の子どもたちに提供されたプログラムの意外な結果
記念すべき新年初投稿で、中邑賢龍氏の「新しい学び」のプロジェクトを紹介させていただきました。
このプロジェクトとの出会いは、超絶おもしろい「#伝説の授業採集」という本だったのですが、さらに中邑さん自身にも興味がわいたので、「#どの子も違う才能を伸ばす子育て潰す子育て」という本も読んでみました。
ざっと、中邑さんの人間支援工学という分野の研究を書き出すと、
と、どれも気になるものばかり。まだまだ、さわりの部分しかインプットできていないのですが、そんな中でも「確かに!」と思う中邑さんの「考え方」がありましたので、自分への戒めとして、ここに書き留めておきたいと思います。
中邑さん曰く、「教育には明確な答えが見いだせるものばかりではないが、これははっきりと断言できる」とおっしゃっています。
僭越ながら、僕がGLSを立ち上げようと思った根底にもこのような思いがありました。
「学校」で勉強をするということは、ある意味「学校」という「文化」の中で自分を表現しないといけない。
そこには、「先生」という集団を整える役割の人がいて、「先生」が思い描く「集団」の中に収まることができないと「問題行動」と見なされて、子ども側に我慢を求められるという時代が確かにありました。
しかし、時代は少しずつ変わりつつあります。
これまでは、「我慢すること」にもそれなりの保証がついてきた面もありますが、そんな保障は既に消滅しました。
ここからは、「先生側」が子どもたちの特性に合わせてフォローしていく時代でしょう。
そんなことを考えつつ、読み進めていると、中邑さんのプロジェクトから思いもよらない「意外な結果」が導きだされていたので、その意外さもシェアさせてください。
▼「異才発掘プロジェクト」から得られた「意外な結果」
「異才発掘プロジェクトROCKET」は、
という思いからスタートしたそう。この構想だけでも、めちゃくちゃおもしろそうですよね。
そこで、この条件を満たす人材。「ユニークさゆえ不適応を起こした子ども」が集められました。
という、なしなしコンセプトのもと、
などなど、「何それ!」という課題が出されます。
さすがに、子どもたちからも弱音や文句も出ますよね。ある子は、「これって何の意味があるの?」的なことを聞いてくると。しかし、肝心の大人たちは、「『面白いから!』じゃいけないの?」と返してくる。
このやりとり、最高じゃないですか。
だいたいは、「大人がそんなことしたって意味がない!」とかあーだこーだ言うものですが、このプロジェクトでは、子どもたち側から意味を求めてくる。
さて、気になるのはこのようなミッションをくぐり抜けた子どもたちが「どのような変化をしたのか?」ということ。
「プロジェクトを通して学んだことアンケート」を見ると、意外な結果が出たのです。詳しくは本書を読んでいただくとして、僕が驚いたのは、
ということ。
中邑さんも、
と、語っています。
その理由としてプロジェクト参加メンバーの子どもさんは、
と、来期の参加者へ向け文章にまとめたということでした。
もちろん、この変容は「この子」の成長です。子どもたち一人一人にとって感じ方の違いはあるでしょう。
しかし、「不登校」という状況をこれ以上ないというくらいフル活用して取り組んだ答えの1つとして興味深いなぁとも思うのです。
僕たちGLSも、知らず知らずのうちに「学校で必要な力のサポート」という枠にハマっていた部分もあったのかなと。
大人が考える「必要なこと」を子どもたちに提供することも大切ですが、子どもたちの声を聴きながら、ときには子どもが想定していた以上のことを提供するおもしろい大人の集まりでいたいなぁと改めて気付いたのでした。
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