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役員14人連続雑談からみえたゴールデンルール

これは自分でもわけのわからない体験だったが、おかげで成功のためのゴールデンルールが見えた。成功するための一般法則として有名なのはナポレオン・ヒルの「思考は実現化する」だ。1937年の作品であるにもかかわらず、綿々と読み継がれている名作。

この本は、鋼鉄王のカーネギー(大金持ち)が、成功する人間の一般法則を明らかにするために、著者のナポレオン・ヒルに依頼して、成功者500人への子細なインタビューをもとに彼らの思考や行動を体系化したものだ。ものすごい予算とリソースのかけかた。

わたしは、なぜかそのプロジェクトの小型版をわずか一日で体験することになる。わけのわからないことも起きるものだ。

仕事内容としては、ただの役員撮影だ。別にゴールデンルールを探しに行ったわけではない。わたしはある1兆円企業のクリエイティブ制作を請け負っており、先方の担当者と打合せをしていた。

今回、役員全員の写真を撮る必要がある。大企業なので、役員は20人近くいる。先方は予算のことを気にしだした。わたしはカメラマンの事情を説明する。「写真何点でいくらというより、彼らの拘束時間に対して費用が発生します、拘束されているあいだ別の仕事が入れられないので」と。

「ただ、これだけの人数です。役員様もお忙しいですから、ある程度の日数になることは仕方ないのではないでしょうか」
「そうですよね……」

ところが、その担当者は恐ろしい実務能力を発揮する。一日で14人。全員は無理だったようだが、そのほとんどを一日に突っ込んだ。

焦ったのはこちらだ。先方にとってはお得だが、まさかここまでの執念を見せるとは思わなかった。ひとり当たり、いろいろなカットを撮るので時間がかかる。自然に語っているふうのカットも必要なため、工夫も必要だ。

カメラマンからは「こんなボリュームはじめてだ」と言われたが、なんとか陣容を整えて当日を迎えた。まさに一日仕事。撮影用の会議室に缶詰だ。

難しいのは「自然に語っているふうのカット」。これは会話のテーマ選びが重要になる。仕事の話にしてしまうと、堅い表情になってしまって、写真になったときに自然さがでない。ある程度の笑顔も必要だ。

経験則がある。このケースでふさわしい話題は、毒にも薬にもならぬ雑談なのだ。というわけで、わたしは成功者たち14人と1日の制約のなかで連続雑談をすることになった。1兆円企業の役員なのだから十分に成功者だ。

「お酒はよく飲みますか?」「お休みの日は何をして過ごしていますか?」結局、こういう無難な話を振ることになる。ゆいいつ社長には「なんで君にそんな話をしなきゃいけないの?」と言われたが、他の役員はこれも仕事だと割り切ってくれて、普通に会話のラリーを続けてくれた。

それどころか、けっこう本音が出ていたと思う。カメラマンから細かな指示を受けながら、撮影されながらの会話だから、発言の内容を吟味している時間も余裕もない。

わたしはわたしで仕事に集中しており、はじめて会うお偉いさんと真剣勝負を繰り返しているうちにゾーンに入ってきた。1日14人という時間の圧縮効果も相まって、対話に何か求めていたわけでもないのに、成功者たちのある共通点が見えてきた。

それは「圧倒的な顧客第一主義」だ。雑談の内容はそれぞれ違う。「お酒が好きでよく飲む」とか、「趣味はゴルフです」とか、スポーツの話もあったかもしれない。それだけなら一般人と何も変わらないのだが、彼らはそこに必ずお客さんがいる

彼らは「お客さんと」酒を飲んでいて、「お客さんと」ゴルフをしているのだ。仕事と切り離した話題を振っているのに、何がなんでもお客さんとともに戻ってくる。土日も祝日も関係ない。彼らは常に「お役様とともにいる」。

成功者に例外はない。これは真似できないと思った……。

わたしは過酷な業務の果てに、なぜか成功のためのゴールデンルールを得ることができた。そして絶対に真似ができないので、まったくが必要がなかった。

※成功者はSNSもうまく活用しているはず! ぜひXでもお会いしましょう!

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