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謎の白杖集団京都に現る~京都旅行記二日目~

二日目は午前7時に起きた。
 下半身が重たい。どうやら月1恒例イベントが始まってしまったようだ。
 朝食を食べてからチェックアウトの時間まで横になって過ごした。帰りの体力温存のためである。

10時前にチェックアウトを済ませると、そのままロビーでタクシーを待った。私の体調が良かったら京都駅までは地下鉄で行く予定でいた。少し歩くらしいがその方が安いからだ。仕方ないことだけれど、皆によけいなお金を使わせてしまって申し訳ない。

日曜日で道路が混んでいるのかなかなかタクシーが来ない。
 そんな中ロビーに人だかりができていくのが分かった。団体客がチェックアウトをしに来たのかと思ったらそうではなかった。
「おはようございます」
「おはようございます」
「本日も当ホテルをご利用くださりありがとうございます」
「ありがとうございます」
「ただいまから清掃に入らせていただきます。よろしくおねがいします」
「よろしくおねがいします」
 一人の女性が言うのに続き、たくさんの女性たちが最後の言葉を復唱していく。ホテルの清掃作業ってこんな風に始まるのかーと、私たち4人は衝撃を受けた。

ようやく来てくれたタクシーはジャンボタクシーだった。ジャンボタクシーに乗るのはたぶん人生で初かもしれない。
 声を聞く限り、運転手は若くて優しそうな女性だった。だが運転席から対角線上の1番後ろの席に乗っていたSさんが後から言うには、酔うかと思うほど運転が荒かったとのことだった(私はそうは感じなかったが)。人は見かけによらずとはこのようなことを言うのだろうか。

京都駅に向かう道も混んでいたので、思っていた時間よりもだいぶ遅く着いてしまった。当初の予定では、帰りの新幹線に乗る前に駅のコンビニで昼食を買うつもりでいたのだが、駅員に誘導をおねがいすることを考えるとそんな時間はなかった。
 10時40分頃、挨拶もそこそこに駅員に誘導されて新幹線のホームに向かった。

ホームに着くと、乗ろうとしている新幹線が来るまで20分ほど待つように言われた。20分もあればコンビニに行けたではないか。これがもしヘルパーさんとの外出だったらこの20分の間に充分行けるはずなのに…。そう思うと若干いらっとしてしまう。でも誘導をおねがいするにはどうしてもその分余裕を持たなければならないので仕方ない。昼食は家に帰ってから食べるか。

11時8分京都発のひかりで浜松へ。
「そこに荷物置けますよ」
 通路側の席に座ると、窓側席に座っていた女性が空いている真ん中の席を勧めてくれた。少し迷ったが、名古屋に着くまでの間はお言葉に甘えてその席にリュックを置かせてもらうことにした。

新幹線が名古屋に着くと、すぐ右横の座席に置いていたリュックを自分の足の下に下ろした。誰かが座るかもしれないと思ったからだ。しかし新幹線が走りだしてもその席に人が座る様子はなかった。リュックを席に戻そうか考えた結果、足の前に置いたままにした。

12時13分浜松に到着。
 新幹線の改札からロータリーとバスターミナルを繋ぐ階段まで一人で行ける自信がない。なのでいつもは駅員におねがいして階段の手前まで連れてきてもらっていた。ところが今回の駅員は改札を出たところまでしか行ってくれなかった。これも人によるので仕方ない。
 それでも何となくのルートは頭に入っているつもりなので、改札を出てからは点字ブロックをたどりながら適当に歩いた。
 この時少し焦っていた。乗ろうとしているバスは12時34分。それを逃すと次のバスまで30分待たなければならない。お腹も空いていたのでできるだけ早く帰りたかった。果たして後20分ほどで間に合うのだろうか。

そんな焦りを抱えながら点字ブロックの上を歩いていると、若そうな男女から声をかけられた。おかげでちゃっかり彼女たちに階段の降り口まで連れて行ってもらうことができた。
 階段を降りてからバスターミナルに続くエスカレーターまでは一人でも自信を持って行ける。

バスターミナルに着いたのは12時25分頃だった。そして予定通り12時34分のバスで無事帰宅したのは13時半前だった。この日は浜松もとても暑かった。

今回の京都旅行はmちゃんの誕生日会を兼ねての物だった。次はTさんの誕生日である2月に名古屋で、その次は4月の私の誕生日にここ浜松で、さらには7月のSさんの誕生日に大阪で会おうという話をしている。その時にもこのような旅行記をアップする予定でいる。

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