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はじめてのアイスホッケー ~横浜GRITS観戦記~

このnoteは、11月21日に行われたアジアリーグアイスホッケージャパンカップ、横浜GRITS vs 東北フリーブレイズをはじめて観戦して感じたことをまとめたスポーツ観戦記です。

競技としての面白さはもちろんですが、ビジネス面での成長がとても楽しみなスポーツだと思いました。今後もGRITSには注目していきたいです。


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今回は、生まれてこのかた氷の上に立ったことがない僕がアイスホッケーを観戦してきました。場所は横浜GRITSのホーム、KOSE新横浜アイスセンターです。

スポーツを観ていると自分でやりたくなる性分なので、色々なスポーツを経験してきたと自負しているのですが、スキーやスノーボードなど含めて雪国のスポーツは未経験です。寒いの苦手なんで。

アイスホッケーももちろん未経験で、生観戦するのもはじめて。観に行くまでは何人でやるスポーツなのかもわからないくらいのド素人。今でもルールはよくわかっていません。


ただ、今回の観戦では諸々衝撃を受けました。

競技としての迫力やスピード感は、他の競技と比べても目を見張るものがありました。感想をざっくりまとめると、

・人間ってこんな早く氷の上移動できるんか!
・猛スピードから止まるときに氷が「シャーッ」ってなるのカッコいい!!
・パックが早すぎて見えん!!!
・相手吹っ飛ばしとるやん!!!!反則ちゃうんか!!!!!

という感じです。字面から凄みを感じていただけると幸いでございます。

選手やパックのスピード、相手とのコンタクト、シュートがフェンスに当たったときの音など、「迫力」という響きが一番合っているスポーツじゃないかと思いました。映像で観るのとは正直段違いです。

百聞は一見に如かずとは言いますが、競技としての魅力を文字で書いても伝わらないと思うので、あとは実際に観に行ってみてください。寒いので暖かいアウターと温かい飲み物はお忘れなくです。


ここからは実際に体験したことを踏まえて、感じたことをつらつらと書いていきます。今回はチームの方に「辛口でもいいので」とお言葉をいただいているので、オブラートは燃やし尽くして書いていきたいと思います。



◆会場

GRITSのホームは新横浜駅から徒歩5分ほどにある「KOSE新横浜スケートセンター」。僕、地元が横浜市なのですがこんなところにアイスリンクがあるのを初めて知りました…。

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写真引用:https://webyoko.com/film/?p=893

新横浜のビル街に「いて当然でしょ」みたいな雰囲気で建っています。周囲のビルとあまりに馴染み過ぎているので、どこが会場だか迷いました(笑)。壁面を真っ白にペイントとかしてあると可愛らしいかもしれないですね。


中に入って、初スケートリンクとご対面。思ったことは「白くて綺麗!」「近い!」です(語彙力)。

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はじめてチケットの価格を見たときは「なんで1階席のほうが安いんだろう」と思っていましたが、いざ来てみると2階席でも十分近いですし、全体が見えやすかったですね。

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ちなみに、僕の前の1階席には本場(?)の外国の方がGRITSを応援していて、「Good job!!」「Come on!!,Come on!!」「●●●●!!!!(コンプラ自主規制)」と叫びまくっていて、失点したときには帽子を下に叩きつけていました笑。本場のアイスホッケーも観に行きたいですね。

アリーナの所有は新横浜プリンスホテル(西部グループ)とのこと。指定管理などではなく、GRITSが試合の度に場所を借りているようです。なので飲食の販売など制限が多いらしく、苦労しているとのことでした…。


◆演出

【アリーナMC】

アリーナでは常時ポップな音楽が流れていて、MCが試合情報などを伝えてくれます。MCの方は声がすごく優しい&聞き取りやすくて、試合のときにはドスの効いた迫力のある声も持ち合わせているので、個人的にはとても好印象でした。

色々なスポーツ観戦をしてきましたが、各地に素晴らしい声の表現者がいらっしゃるので、もっとMCに光が当たってほしいと毎回思っています。

会場やSNSでの露出が増えたりキャラクターとして表に出てくると、MC自体のファンも増えるんじゃないかと思いました。

後から調べたら、Bリーグの実況やテレビ神奈川の「ファイト!川崎フロンターレ」のナレーターを務める木部さんでした。そりゃ聞きやすいわけや…。



【チア】

GRITSにはチアリーダーズの「TOPAZ」もいて、会場を盛り上げてくれていました。

なんとなく「スポーツ観戦×チア」はBリーグが一歩リードしていると思っていいましたが、TOPAZのレベルの高さにびっくりしました!ダンスもキレッキレで、めちゃくちゃかっこよかったです!

お客さんの前にいるときは常に笑顔で、「人を楽しませよう」っていうプロ意識がすごく伝わってきました。MCと同じく、もっと注目されてほしい存在ですね。

あとはチアのユニフォームにもスポンサー企業がいくつかプリントされていたり、TOPAZのTwitterでスポンサーの紹介もしたりしていて、めちゃくちゃいいなと思いました!

この日は入口でぺパリーゼの配布がありました。アルコール販売のある会場なら印象的なサンプリングかもしれませんね笑。


【入場セレモニー】

試合前の選手のアップが終わると、会場の照明が落ちて入場セレモニーになります。お客さんはスマホのライトを振って、リンクにはプロモーションムービーが投影されます。ワクワクが沸いてきます!

ただ、スマホのライトがリンクやフェンス(パックが観客席に入らないようにするための透明なアクリル板みたいなもの)に反射して、肝心のムービーの内容がわかりませんでした…。リンク横の自販機の光もかなり気になったので、布をかぶせるなりしたほうがいいと思いました。

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あとはライトでスマホを使ってしまうと動画や写真が撮りにくくなるので、SNSに投稿しにくくなっているかもしれません。お客さんが発信したくなるような設計が組めるといいと思います。光の演出ができるのはアリーナの強みだと思うので、今後に期待したいです!

選手の入場からの円陣はめちゃくちゃカッコよかったです…!

スティック「カーンッッ!」てするとこ!(語彙力)


また、入場セレモニーで大きな音を出すぶん、試合前から流しているBGMはもう少し音量を落としてメリハリをつけたほうがいいかも…、とも思いました。

特にこのご時世マスクをつけているので、今回の音量だと会話するときに何度も聞き返してしまうことが増えると思います。逆にコロナが明けて歓声もokになったときは音量を徐々にあげて、お客さんが大声を出しやすくするのもアリかなと思いました!



・試合

【競技面】

試合時間は1ピリオド20分の、合計3ピリオドで60分。ピリオド間の休憩は15分。始まってしまえば、そのスピードと迫力に圧倒されてあっという間に時間が過ぎていきます。

中でもフェンス際の攻防は迫力満点で、ガシガシ身体をぶつけ合います。選手同士が猛烈な勢いで衝突するのは、もはや交通事故です。フェンスにぶつかる音を聞くたびに「すご…!」と声が漏れてしまうほどです。

激しさの中にも、後ろから足を引っ掛けたりするのは反則らしく、2分間の退場になっていました。反則した選手はベンチとは反対側の「ペナルティボックス」という小さいスペースに入ります。完全に反省部屋です。「反省部屋」と張り紙してほしいくらいの反省部屋です。


ほかにも色々な場面で笛がなっていましたが、ルールはよくわかりませんでした。MCの解説やルール解説のパンフとかあれば嬉しかったですね。

でも見た感じ複雑なルールは無さそうなので、試合開始前か開始後の数プレーでルール解説があれば、最後まで楽しく観戦できると思いました!

あとは選手は試合以外での「顔」の露出を増やしたほうがいいと思いました。

・試合中ヘルメットを被っている
・防具をつけているので同じ体型に見える
・スピードが速いので背番号が確認しにくい

という感じで、競技特性的に選手を覚えにくいスポーツだと思ったので、試合前後やSNSでどんどん顔を見せてくれるとわかりやすいかなと思いました!



【ピリオド間】

ピリオド間は15分×2で合計30分。基本的には試合で削れたリンクの氷を整氷するための時間となります。

TOPAZも数分パフォーマンスをしていましたが、リンクに入れないので一部客席の前でしか行われないので、お客さんの大半はお手洗いに行くか、隣のセブンイレブンへ買い物に行くか、スマホをポチポチしているかになります。それなりに暇な時間です。

整氷があるので難しいとは思いますが、「アイスリンク」ってかなり非日常な空間なので、できるだけアイスリンクにお客さんの視線を集めてほしいな~と思いました。

例えばTOPAZがリンクの上でアイスショーをしたり、フィギュアスケートの選手が技を披露したり、お客さんを滑らしてチャレンジ型のイベントをしたり、暗転してリンクに映像を映したり、マスコットに整氷車を運転してもらったり…。

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アイデアは色々あると思うので、アイスリンクでしかできない&見れないような体験ができれば、ホッケーに限らずアイス競技に詳しくない人も興味を持ってもらえるんじゃないかと思いました!


【飲食】

施設の関係で飲食の販売は基本的になしとのこと。みなさん隣のセブンイレブンで何かしら買ってから入場しているようです。

ただ、試合途中はやっぱり冷えるので、めちゃくちゃ温かい飲み物やホットスナックが欲しくなりました。

もし「さみ~」と思ってるところにホットコーヒーとか肉まんの売り子さんが来たら、僕は100%買います。それくらい〔寒さ×ホット飲食〕の相性は抜群だと思います。

飲み物とかのカップがGRITSオリジナルのイケてるデザインだったら、リンクをバックに写真を撮って1000%TwitterとInstagramにあげます。

特に温かいお酒(ホットワイン、ビール、カクテルとか)をスポーツ観戦で飲む機会ってあまりないと思うので、「アイスホッケー観戦にはホットアルコール」みたいな習慣や文化を作っていくのも面白いかもしれませんね。ホットアルコールって響きに危ない雰囲気を感じるのは僕だけでしょうか。


あと感じたのは、アイスリンクの寒さって嫌な感じがしないんですよね。というのも、「もともと寒い場所だよね」ってイメージがある上で来場するので、寒さへのギャップが少ないんだと思います。

しかも屋内なので北風的な寒さではなく、むしろ氷ならではの清々しい寒さなんですよね(清々しい寒さって何ですか?)

この嫌気のない寒さは間違いなく武器だと思うので、寒さにマッチした飲食やイベントができれば、めちゃくちゃ魅力的だと思います!


【試合配信】

これは当日ではなくて後日談になるのですが、GRITSは試合をYoutubeで配信していて、アーカイブが残っていたので見てみました。これがめちゃくちゃ良いです…!

実況解説がルールや戦術のこと、チーム事情などをわかりやすく説明してくれていて、どんな意図があるプレーなのかを理解することができます。

配信映像も寄りや引きを上手に使い分けていて、リプレイも流してくれます。ピリオド間にはハイライトも流してくれます。かなりクオリティ高いと思います。観戦前の勉強で過去の試合を見るのもいいかもしれないですね!



◆マスコット

僕がこの日もっとも衝撃を受けたのがGRITSのマスコットです。今年6月に誕生した彼の名前は「グルーガ」。伝説のポケモンみたいに強そうな名前ですが、シロイルカをモチーフにしたかわいいやつです。

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チーム公式リリースによると、

シロイルカをモチーフに生まれた「グルーガ」はとても賢く、でもお茶目でいたずら好きな男の子。横浜の海で生まれ育ち、今も横浜に住んでいます。頭のコブを触ると頭が良くなると言われ、実は妹もいるんだとか。グルーガは選手にもいじられたりしながらチームのみんなから愛されています。是非みなさんも可愛がっていただければと思います。

妹がいるらしいので、たぶんそのうち出てくると思います。楽しみです。


そんなグルーガですが、僕がはじめて彼を見たのは地上ではなく、氷上でした。

それはもう、破壊的なかわいさです。

シロイルカのくせに前髪があるんですよ。エグイて。

光の加減によってはサイコパスになります。


ピリオド間ではファンとの写真撮影が行われていて、行列ができるほどの人気でした。一緒に観戦したハンドボール仲間の音無さんはグルーガの虜になっていました笑。ちなみにグルーガがスケートしたのはこの日が初めてらしいです。進化したみたいです。

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グッズは今後つくっていくとのこと。このかわいさですから、めちゃくちゃに売れると思います。大きめのぬいぐるみとかあれば、絶対抱き枕にします。売ってください。

せっかくこのキュートでチャーミングでサイコパスなグルーガなので、もっとお客さんの前に出てきてほしいですね。今回は試合前の整氷のときだけだったので…。

それこそピリオド間に整氷がてらスケートしたり、お客さんに混ざって観客席に座っているだけでも写真撮りたくなります。そこにいるだけで価値がある教祖のような存在、それがグルーガです(違う)。今後の活動に期待です!


◆LEADS TO THE OCEAN

「LEADS TO THE OCEAN」は、スポーツと清掃活動を一緒に行うことで、環境問題への意識を高めて次の世代へ綺麗な自然を残していこう、というステキな活動です。海のゴミの8割は街や川からきているんだとか。

Jリーグクラブを中心に各スポーツチームで取り組まれていて、GRITSも今年からSDGsの取り組みとして始めたそうです。試合後に選手も交じってアリーナ周辺のゴミ拾いを行います。


活動自体が素晴らしいのはもちろんなんですが、一緒にゴミ拾いしている人とコミュニケーションが生まれることがめちゃくちゃいいなと思いました!

試合の感想をすぐに話せるってすごく大切だと思うんですよね。話しているうちに不思議と「また行きたいな~」って気持ちが湧いてきます。SNSで感想をつぶやく前に、話して共有したい人は意外と多いんじゃないかと思います。

なので、今はスタッフの方にゴミ袋とトングをもらって「ハイ行ってきてー!」という形ですが、はじめましての人も含めた複数人のグループを組んで、選手やスタッフが仲介しながら一緒にゴミ拾いするのも面白いと思いました。

「またアリーナで会いましょう!」「このあと飲み行きますか?」みたいなコミュニケーションが生まれれば、次も観に行きたくなります。ゴミ拾いでアイスホッケー仲間が増えていくなんて、めっちゃステキじゃないですか!

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◆まとめ

神奈川生まれ千葉在住の僕にとってアイスホッケーは未知で、アイスリンクに行くことすらはじめてでしたが、GRITSのおかげでとても楽しい時間を過ごすことができました。

ここに書いた以外にも、選手たちはいわゆるデュアルキャリアで仕事と競技を両立していたり、スポーツ界として新しい取り組みをしているチームです。興行としての成長のほかにも、色々なインパクトを与えてくれるんじゃないかと期待しています。

競技自体ももちろん魅力的で、お世辞抜きで「迫力」についてはあらゆるスポーツの中でも突出していると感じました!映像と生観戦のギャップが大きいスポーツだと思います。本当に文字だと伝わらないので、このnoteを読んだ方は観に行ってみてください。試合の面白さはGRITSさんが保証してくれるハズです(人任せ)

今回のnoteでは感想のほか、色々と提案も書かせていただきましたが、本当に伸びしろのあるチームだと思いました。ファンを楽しませ続けるとともに、お金を循環させて、社会に影響を与えるチーム・スポーツになれると感じました。オブラートは燃やし尽くしたので、本心です。

この試合では残念ながら負けてしまいましたが、今度は勝ったときの雰囲気を肌で感じたいですね。また行きたいと思います。


最後に、チームの方へ。グルーガの大きめのぬいぐるみが出たら秒速で買いますので、商品開発のほどよろしくお願いいたします。



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次はどこに行こうかな~。


Twitter:坂シュウキ

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