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サーバー・ダイバー

パラディンは4体のセキュリティボットに突進して、

「そっち、任せた」

ぶん殴り、叩きつけ、早くも大立回り。ボットどもの黒いボディをひしゃげさせ、青い火花を散らせた。前衛はパーティの花形だね。

あの女、今「そっち」と言ったか?

瞬間的に振り返り、ブラスターを牽制連射! 1発が通路の角から覗くガードマシンの頭をぶち抜いた。ボットが大男なら、こいつらは子供。だが悪ガキどもは基本、複数行動だ。残骸を踏み越え、さらに5、6体のガードマシンが現れる。


連中とウィザードとの動線を塞ぐように立つ。

「いけるか?」

「まだだね。準備は欠かせんよ」

俺は集中する。

1、2、3発で1体仕留める。4発目はラッキー、ヘッドショット。ショートする閃光に壁が照らされる。視覚的には石造りだか、隙間をよく見ると01001011ランダムな数字が流れていく。


技術の進歩はシステムから人の手を遠ざけた。誰も仕組みまで知る必要はなくなり、サーバーは残された警備システムのうろつくダンジョンと化した。

で、俺たちみたいなのが、頭にLANケーブル突っ込んで、必要なデータを掘り出しに潜るって寸法だ。


12発目で最後のガードマシンを倒した。ブラスターはタマ切れ。電子的なビジョンであっても、攻撃されればケーブル越しに脳を焼かれる。それだけは勘弁だ。
通路の角からおかわりが来る。ガードマシン3体、セキュリティボット1体。だが、間に合うはずだ。

ウィザードのよく通る声が響く。

「リムーブ!!」

極太ビーム光で視界は真っ白に染まり、目が戻ると跡には奴ら足首だけ残っていた。切り札は派手でいいね。


パラディンも最後の1体をスクラップに変え、戻ってきた。

「マザーには勘づかれたと見るべきだ。最短で行く」

二人は無言で頷く。俺たちはこのサーバーが崩壊する前に最深部まで潜り、いにしえのビルトイン・アドミニストレーターを奪取し、再起動を実施しなければならない。


【続く】

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