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【海外レース参戦記】UTMG2019 #2

2019年4月に参加した台湾でも高難度のレース谷關越野G8 107kmのトレイルランニングレース参戦記#2を更新。

60kmの中間地点で自らリタイア宣告。
カラダも気持ちも折れてしまい弱さを思い知ったレースになりましたが…
同時に次に活かせる経験ができたいいレースになりました。

一歩ずつ

不注意からのコースロストからなんとかコース復帰しまだ20km。
装備していたトレランポールに頼って朝方に山を下る。

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ここからは谷關の温泉街を通過して700mから一気に1800mの”波津加山”に登りまた戻ってきて前半パートの大ボス2200mの馬倫山と難所続き。

間隔の違う階段をポール駆使して登っていると同じカテゴリーに出場しているランナーが折り返してきてすれ違う。

そのランナーは不思議そうな顔をして、

あれ?お前はなんでここにいるんだ??

もしかして、ロストか!?

と聞かれYES。と答えると指を指して大爆笑(笑)

ちょっといらっとしたけどフラストレーションがたまっていたのでここで少し笑顔も出てリフレッシュすることができた。

台湾のレースに出て感じるのはお国柄なのか良い意味でのんきなランナーが多い。

もしかしたら、このスポーツが国の文化とマッチしているのかもしれない!?と思うほど。

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写真は去年のだけど波津加山登山口。

たただ山を登って降りてくる。。。
体感気温は30度越え。

きつい。そして。暑い。

日本にいて高温順化していないランナーにとってはなりハード。
前半パートの馬倫山も2300mありできるだけ頭では何も考えずに一歩、そして一歩と数センチずつ前に進む。

この時点で水が500mlしか残っていなくて去年と同じことになるのか。。。
と頭をよぎるがそんな雑念は振り払いすぐに下山。

エイドステーションで待ち受けていたもの

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もう足が動かない。
足を着く度に大腿部の筋線維が一本一本ちぎれるような感覚。

それでも5km先のエイドステーションへ。

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馬倫山が近づくにつれて傾斜も強くなる。
足がむくんで水も切れた。気温は32~33度はあったと思う。

第2エイドステーションに到着。
気持ちでからだが動くとわかっていてもなかなかポジティブになれない。。。
そして、ここで待っていたのは…

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まさかの激痛マッサージ。
腕に血管が浮き出るほどの強さで。

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でも、ビールを飲んで愉快なマッサージおじさんたちに励まされてリラックスできた。

追い討ちをかける出来事

約30分ほど休憩させてもらい前半の大ボス標高2305m馬倫山(マーリンシャン)へ。

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実際はこれが最後の山になる。

延々と続く登りに疲労感、失望感、睡魔、痛み、擦れ

一気にいろんなものが自分に降りかかる。

これを越えたら楽になれる!

もうひと踏ん張り!

と思えば思うほど傾斜は増していき気持ちが折れてしまう所の狭間を行き来してようやく山頂。

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やっと。ついた。2300m。

風は全くなく、全然涼しくない。

展望もない。

即下山。

来た道を折り返しドロップバッグが置いてある地点まであと10km。

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こんなところを4kmも。
もう嫌だ。足に力が入らずに…かわの流れに負けて何度も何度も転倒。

なんとか、川をクリアしてよし!!!!!
踏ん張れない足をポールワークでカバーしながら、エイドでしっかり休んで
後半パート!!!!

と思っていた矢先。

ここで大事件。

腰に掛けておいたポールを取り出そうとするとない。

ない!!!

ない!!!!

ポールがない!!!!!!!!
ながされたーーーーー。

踏ん張りが効かない今、後半パートを完歩するにはポールに頼るしかなかった。それがこの激しい川に流されてしまった。

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ポキっっっ。

心が折れてしまいました。

そこからは牛歩のように中間地点までふらふらして歩きながら到着。

ここで、スタッフにリタイアを告げ G7のカテゴリーに出場している仲間を見送り今年の谷關越野G8 107kmが終了。

何としても完走したかったけど、自分の不注意から負のスパイラルへとはまり最後の最後は自然の力に完敗。

圧倒的な力不足と山力不足を思い知らされました。
でもありがとう!TAIWAN ULTRA RUNNERSの皆さん。

謝謝!!!


自分をコントロールするということ

今回のリタイアの原因は明らかに序盤の不注意によるコースロスト。
なんとかコースには戻れたものの頭では焦っちゃダメ。足が持たないとわかっていても実際にはオーバーペースとなり走れない急な下りを急いだことで大腿四頭筋に想像以上の負荷がかかった。

今回のレースの目標は35時間以内。
セルフマネジメントができていれば達成不可能なタイム設定ではなかったはず。

途中自分を失って、メンタルの部分でコントロールができずに全て空回り。
その結果。

40時間動き続けるレースに限らずトレイルランニングレースでは日頃の練習の成果が出せるかどうかはレース中のセルフマネジメントにかかっている。

いかに長い時間自分を保てるか。

レース中に起こる様々な予想もしないハプニングに冷静に対処できるか。

走力だけではない。

補給は十分か?
水分量は適切か?
実際の体力レベル頭の体力レベルの一致。
コンディション、疲労度、柔軟性、筋力の把握
応急処置

あげたらきりがない。
全てが一致した時はじめて楽しんで走れる。

自分はその楽しめる時を楽しみにまたトレイルランニングレースに出場する。

だからこのトレイルラランニングというスポーツが好きでやめられない。

日常では感じることができない極限状態で頭と体が一致する心地よい感覚が感じたくて。
また日本人のいない海外の草レースに出ようと思う。

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