7|子どもの帯飾りと猩々さん
長いあいだ手つかずだった和箪笥をあけ、整理をはじめました。
触れるたびに出合いがあり、いともたやすく何処かの時空へひょいーっと飛んでいってしまうわたしにとっては、遅々として、なかなか進まない作業…。
これまで、何度も、“未遂(笑)”に終わったカコがあり、肚と腰を据えてやる踏ん切りが、なかなかつかなかったけれど、こんどは、と、碧々と輝く新緑と薫風に、背中を押されるように、扉を開きました。
おそらく、1ヶ月ほど時間をかけ、ゆっくりと、風を入れていきます。
手にとっているのは、子供用の帯飾り。
わたしが七五三や、幼稚園でのお遊戯会での晴れ姿に、着用したものです。
これも、島根の祖母が、見立て送ってくれたもの。
色名は、紅(くれない、べに)か韓紅花(からくれない)、深紅(こきくれない)でしょうか。
鮮やかな濃い深紅色のことを、猩猩緋(しょうじょうひ)とも。
猩猩(猿に似た伝説上の霊獣)さんは、毎年、地元のお祭りに登場します。
紅い顔をした猩猩さん、小さな頃はほんとうにおっかなくて(汗)、なかなか近づけなかったものです。
〜以下引用〜
折しも、昨日は端午の節句でしたが、赤は古くから武士に好まれていたようで、武具にも多く取り入れられていたようです。井伊家の赤備(あかぞなえ)など。
深紅。わたしにとっては、子どもの頃の思い出と共に、深いセクシャリティ(産霊)、よろこびと祈りの祝祭を、想起させる色でもあります。
【2019.05.06記】
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