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7|子どもの帯飾りと猩々さん

 長いあいだ手つかずだった和箪笥をあけ、整理をはじめました。
触れるたびに出合いがあり、いともたやすく何処かの時空へひょいーっと飛んでいってしまうわたしにとっては、遅々として、なかなか進まない作業…。
 
 これまで、何度も、“未遂(笑)”に終わったカコがあり、肚と腰を据えてやる踏ん切りが、なかなかつかなかったけれど、こんどは、と、碧々と輝く新緑と薫風に、背中を押されるように、扉を開きました。

 おそらく、1ヶ月ほど時間をかけ、ゆっくりと、風を入れていきます。

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 手にとっているのは、子供用の帯飾り。
わたしが七五三や、幼稚園でのお遊戯会での晴れ姿に、着用したものです。
これも、島根の祖母が、見立て送ってくれたもの。
色名は、紅(くれない、べに)か韓紅花(からくれない)、深紅(こきくれない)でしょうか。
鮮やかな濃い深紅色のことを、猩猩緋(しょうじょうひ)とも。

 猩猩しょうじょう(猿に似た伝説上の霊獣)さんは、毎年、地元のお祭りに登場します。
紅い顔をした猩猩さん、小さな頃はほんとうにおっかなくて(汗)、なかなか近づけなかったものです。

〜以下引用〜

猩々とは、永8年(1779年) 今から約230年ぐらい前の昔より、東海道五十三次の宿場町であった鳴海(名古屋市緑区)に
伝わる人形。神様猩々(しょうじょう)は、鳴海八幡宮の礼大祭に神輿行列の警護を務める神様猩々は子供たちを追い掛け
子供のお尻を手の団扇で叩き幸運を呼ぶ慣わし。

子供たちは、お祭り期間中に猩々に追いかけ回され、恐ろしい思いをしますが、それは大人になってもインパクトが残る。

地域的に、緑区鳴海を中心として 大高・有松・笠寺・大府・東海市名和・豊明に存在するらしい。

鳴海は、熱田神宮と所縁があり、日本武尊(やまとたけるのみこと)が神剣「草薙の剣」を緑区大高町のインター横にある「火上山」に留め置いたとされる。(氷上姉子神社 ひかみあねごじんじゃ)

また、「成海神社」も創建朱鳥元年(686年)、草薙神剣が熱田に還座された時に、日本武尊の縁由により鎮座されたと云われる。

鳴海八幡宮の神様 猩猩(しょうじょう)

 折しも、昨日は端午の節句でしたが、赤は古くから武士に好まれていたようで、武具にも多く取り入れられていたようです。井伊家の赤備(あかぞなえ)など。

 深紅。わたしにとっては、子どもの頃の思い出と共に、深いセクシャリティ(産霊)、よろこびと祈りの祝祭を、想起させる色でもあります。

【2019.05.06記】


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