図14

ヒトコト社 村上美香さん

ハナウタカジツってこんな人。
片山さんって愛が深い人

5,6年前でしたか、災害特番直後で心身ともに疲れ切っていた時に、ディレクターからハナウタカジツさんの桃を誕生日プレゼントにいただいたんです。かぶりつくと身体の隅々まで瑞々しさと優しい甘さが染み入り、すごく元気になれて…それからハマりました(笑)テレビタミンの取材でも何度もお世話になっているんですが、印象に残っているのは桃園の美しさ。職場を見るとその方が分かりますよね。きっと木や果実に対して片山さんの愛情が深いから、木々が育つ場所をあんなに綺麗に整えてらっしゃるんだろうなと思うんです。そんなお人柄が、あの優しい味わいを生み出しているのではないでしょうか。

お茶の間の顔

熊本県民でこの顔を知らない人はいないのでは?といっても過言ではない元KKTアナウンサー・村上美香さん。入社3年目から21年間にわたって夕方の人気番組「テレビタミン」のキャスターを担当し、「美香ちゃん」の愛称で幅広い世代に親しまれてきました。コミカルなツッコミもやってのける天真爛漫さで人気を博す一方、動物の殺処分問題、食肉解体業者を取り上げたドキュメントなど「命」をテーマとした番組を手掛け、大きな反響を呼びました。その村上さんが2018年3月末に24年勤めたKKTを退社したのは記憶に新しいところです。「とにかく仕事一筋の猛烈サラリーマンでした」とこれまでを振り返る村上さん。退社を決意した背景には、命にフォーカスした取材を重ねる中で「ひとつひとつをもっと丁寧に伝えたい」という強い思いがありました。

自分らしい
生き方を目指して

今の活動の原点は、12年前に犬を譲り受けて飼い始めたことだといいます。「当時、ペットブームの裏で収容・殺処分される犬や猫は熊本県内だけで約6000匹を数えました。同じ命なのになんかおかしい、と思ったんです」。取材を進めるうちに、言葉に出来ない辛いシーンにも立ち会いました。放送できなかった内容は、学校や企業で講演会を行い、伝え続けました。夢中で仕事に没頭する中、自身の子宮頸がんが判明。そして最愛の母の死に直面します。「命に向き合う取材をしているのに、一番大切な存在の母の不調に気付いてあげられなかった」。その悔恨の念が己を見つめ直すきっかけとなりました。「自分が納得のいく人生を送りたい。もっと勉強して、人の思いや生き方を紹介していきたい」。今追いかけている対象の一人に、熊本の自撮りおばあちゃんこと齢90歳の写真家・西本喜美子さんがいます。「西本さんは煙草もお酒もやるし、飲みに行ったら帰らない(笑)毎日を本当に楽しんでいるんです。好きなことをやっている人は人生の最期を迎えた時も明るいんですよ。そんな生き方に私自身も学び、皆さんに提案していけたら」。

伝えること、
繋げること

退社後、新しく立ち上げた会社名は「ヒトコト社」。今後も、「“ヒトコト”が人を救い、幸せにする」をモットーに、講演会やイベント、番組制作などで「伝えること」を生業としていくという村上さん。先日のこと、動物愛護センターの取材中に若いスタッフが駆け寄ってきてこう言いました。「私、小学生の時に美香さんの講演会を聞きました。その時にセンターの存在を知り、動物たちを救いたくて職員になったんです」。「それを聞いた時、もう鳥肌が立つほど嬉しくて。『やったー!繋がった!』と思いました。次世代に何かを残したいと活動してきたことは無駄ではなかったんですね」。村上さんの、思いのバトンを繋げる旅は、これからも綿々と続いていきます。(聞き手/ライター上原直美)

今回、お話を伺ったのは ヒトコト社代表 村上美香さん
ヒトコト社HP/https://hitokotosha.com/
ブログ/https://hitokotosha.com/blog/
Instagram/https://www.instagram.com/mika_murakami712/


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