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Hana Tutumiのしごととくらし No.4

こんにちは。Hana Tutumiの前田です。
あっという間に2020年も終わりを迎えようとしています。
Hana Tutumiのnote記事投稿も、今回が2020年の最後となります。

たくさんのことが起こった2020年。私たちの生活は一変してしまいました。
新しい年を目前にして、多くの人が様々なことに考えを巡らせていることと思います。
来年はきっと明るい年になる、そう信じて私たちができることをひとつひとつ丁寧に行っていきたいと思います。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。


さて、2020年最後のテーマは、「Hana Tutumiのひと」です。

今回は、Hana Tutumiオーナーの栗城についてお話しします。

今回は過去3回の投稿記事とは視点を変え、娘の視点から栗城についてお話をしていきたいと思います。
「観察日記」だと思って読んでいただければと思います。

母は、花屋での職務経験も無いまま、2004年に「Hana Tutumi」を始めました。

まったくの無鉄砲です。

右も左もわからないまま、ただ「草花が好き」という想いだけで花屋を始めてしまったのです。
創業後、たくさんの失敗を繰り返しながらも草花と真剣に向き合い続けるうちに、草花の魅力にどんどん引き込まれていきます。
その中で、草花にも人のようにそれぞれの物語があることに気づき、それを少しでも多くの方に伝えていきたいと思うようになりました。

創業当初から現在に至るまで、たくさんの方に支えられ、大好きな草花を仕事にしています。

大好きな草花を仕事として確立させるまで、母はたくさんの失敗を繰り返してきました。
しかし、普通の人では諦めてしまいそうなことも、決して諦めません。
「三度起きる子」という名前がついているせいか、いくら倒れても、また立ち上がります。

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なぜ、草花に対する情熱だけで、今日に至るまで活動することができたのでしょうか。
それは、母の中では「やりたいこと=できること」という方程式が成り立っているからです。

人は大人になるにつれて、「やりたいこと」と「できること」を無意識のうちに分けてしまうように思います。私もその一人です。

自分の能力をある程度客観視し、どの程度の努力をすれば何がクリアできるのかを、小さいころからの経験で計算できるようになってしまっているからだと思います。

これは決して悪いことではなく、むしろリスク回避のためには重要なことだと考えています。

けれども、「やりたいかどうか」ではなく「できるかどうか」が何かを始めるときの判定基準となってしまうと、自分が今現在持っている能力の域を超えることはできません。

そのため、私は何かを始めるときには「できるかどうか」ではなく「やりたいかどうか」を基準に選択をすることを心がけています。

母は、このようなある種の“危機管理能力”を持ち合わせていないので、「草花が好き」という想いだけでどこまでも突っ走ってしまいます。

「やりたいこと」と「できること」を無意識に分けてしまう大人は、何かを始めたときのワクワク感をずっと保ち続けるのが難しいと思います。

しかし、「やりたいこと=できること」と信じて突き進む母は、常に草花に対して常にワクワク100%で向き合っています。

このような母の性格は、困ったところであると同時に、すごいところでもあります。

常にワクワクしながら草花に向き合うことで、普通は見過ごされてしまったり、刈り取られてしまったりするような道端に咲いている草花の美しさにも気づくことができました。

そして、現在のHana Tutumiの代名詞でもある「かわきばな®」という世界を見つけることができました。

母と散歩をすると、たった10メートル進むだけでも非常に時間がかかります。

目に入る草花全てにコメントをし、触れ、匂いをかぎ、見てるこちらとしてはただの散歩なのにかなりの重労働だなと感じます。

車に乗っている間でも、右、左と忙しく周囲の草花に視線を送っています。

そんな母の見る草花の世界を、現在は多くの方が一緒に見てくださっているかと思うと、とてもありがたい気持ちでいっぱいです。

それと同時に、目に入る草花全てにコメントをし、触れながら道を進んでいく母の横に、たくさんの方が同じように歩いている情景が目に浮かびます。

普段気づかないほど近くにある道端の草花のような、身近な季節を見つめる母の草花探求は続きます。


今日のお話はここまでです。
また次回、Hana Tutumiの活動やオーナーの栗城の話をお伝えいたします。

筆者プロフィール
前田彩
Hana Tutumiオーナー・栗城の長女。
2013年3月、武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。
2015年3月、武蔵野美術大学大学院造形研究科デザイン専攻建築コース修了。
大学院修了後、ドイツに半年間滞在。
帰国後、都内設計事務所に勤務。
設計事務所を退職、オーストリア・ウィーンに1年間滞在。
2020年、Hana Tutumiの一員として活動開始。

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