大人になるっていいね

大人になったな〜、と感じる瞬間。どんなものがあるだろうか。私が考えるその一つは、「幼い頃には分からなかった美味しさを楽しめている時」だ。

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友人と3人で、蕎麦を食べた。それを目的に出かけたわけで訳ではなく、目的地の近辺に蕎麦で有名な場所があり、せっかくなら、夏っぽいし、ということで行ってみた。

注文を待っている間、「実は小さい頃、蕎麦があんまり好きじゃなかったんだよね」とぽろりと言ってみると、「わたしもー！」という声が2人から返ってきた。味が、見た目が、硬さが‥様々な理由から蕎麦と距離を置きたがっていた私たちは、成長するにつれて、いつの間にか距離を縮めていたようだ。

ざるそば、冷やしきつねそば、冷やしたぬきそば。それぞれの蕎麦を、一緒に楽しむ私たち。

「ん〜このワサビが効き具合が最高」「蕎麦の硬さが丁度いいわ〜」「ネギがまたアクセントでいいね」

こんな言葉が、自然と出てくる日が来るなんて。しかも好きじゃなかった蕎麦と一緒に。成長したんだな、大人になったなあとしみじみと感じてしまった。

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大人になるというテーマについては、体力が落ちるとか、現実的になるとか、なんだかちょっと悲しさも込めて話される事もある。だけど、それだけじゃないんだな。

大人になるということはきっと、今までは知らなかったものの楽しみ方ができることでもあり、それが幼い頃は苦手だったものだった場合は特に、「楽しめる」という喜びは倍増する。そう考えると、いま苦手な事があることも、悪いことではないのかなと思える。これから好きになれる楽しみがあるかもしれない。まあ、もちろん、苦手は苦手のままかもしれないけど、それはそれで、そういう事だ。

美味しかったなあ、お蕎麦。夏を感じた、良い日でした。