その7
どんなことがあっても自分に負けない。
それは今どき、泥くさい言葉かもしれない、、
それはやがて、彼の生き方そのものになっていた。
オヤジ、おかんと話し、心が強く穏やかな状態で、彼は残りの会社員生活を過ごす、、、
このころ、彼は職場=フィットネスクラブでお客さん達から「いつも生き生きしてるわねぇ!」なんて言ってもらえていた。
新入社員のころは「大丈夫?」「応援してるわよ」「困ったことがあったら言ってね」と言われていた、、
それが今は、、、お客さんに元気を与える側になっている。
彼はそうやって、小さな手ごたえを毎日毎日積み重ねていった。
職場の後輩やアルバイト達からも、急に仕事のことを聞かれたり、、
何故だか慕われるようになっていった。
そんなある日、職場の一番上から、、、
「フリーランスになったばかりは仕事がないだろ?引き継ぎもしっかりした方が良いと思うし、うちでアルバイトしない?」
(てめぇ、マジでふざけんなよ!)
プライドと、甘えたい気持ち。
両心が入り交じる中、、期限や日数を決めてお世話になることにした彼。
もちろん、それだけでは金銭面が厳しいことは分かっていたので、深夜のコンビニでアルバイトをすることも決めていた。
んーーそれにしても、周りの人々が何かどんどん変化していくな。
俺のことを認めたのか?
それとも応援しているのか?
んーーーまいっか、なんか結果オーライじゃんよ。
実はそれは、、
彼自身が変わったから、が正解。
彼が変わったから、そう思える強さが手に入っただけのシンプルなこと。
闇をつくり出すのは、いつだって自分自身。
彼がそれに気づくのは、まだまだ何年も先の話。
このときの出来事は、彼の人生で、はじめて闇を断ち切った感覚・感触・経験になっていた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?