まりこの部屋

花模様作家 Mariko Matsuhashi 水彩で描く花模様に詩を添えて感情と記憶…

まりこの部屋

花模様作家 Mariko Matsuhashi 水彩で描く花模様に詩を添えて感情と記憶の物語を描いています。 日々のことや様々な人たちのお話を聞きながら 気づいたことなどを綴ってます。 ーーー marirandesign 絵とデザイン atelierMapeige アトリエ

記事一覧

いつもの景色

いつもの景色は、 だれかにとっては 過ぎゆく景色かもしれないし、 だれかにとっては 特別な景色かもしれない。 そんなことを日々思いながら 色々な景色を記憶する。 た…

まりこの部屋
6か月前
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「こんにちは」は、いつのまにか

雨があがり、晴れた秋は冬が近いせいか、 空気がスーッとしていて 何か纏っていたくすみが、 すすぎ洗われたようだった。 それとともに、スルスルと導かれるように あちこ…

まりこの部屋
6か月前
7

はじまりの

いまいる場所、いつも話す人、 当たり前のように行く場所、 最初から知っていたかのように 会話をしている時間、 訪れる場所、 その「はじまり」を覚えていますか? 時間…

まりこの部屋
6か月前
1

旅立ちのときに

ある日、一通のメールが届いた。 「わたし、あたたかいところへ引っ越すよ」 そのメールを受け取った日、 私は空港にいた。 何でもない日に、20年近くも来たことのない …

まりこの部屋
6か月前
4

寄り添うこと

いつのまにやら季節は変わって緑で街が溢れてきた。 雪があったことすら 桜が咲いていたことすら 忘れてしまう景色が青空とともに広がっている。 日々も季節も繰り返して…

まりこの部屋
11か月前
2

いつかの…。

2021.5/5.立夏 春から夏に向かう途中に出会うは雨。気づけば雪の日々は消え、桜の日々も消えた。 日々は呼吸をするだけでも通りすぎ、呼吸することが大事なことだからゆ…

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雪と一緒に春を待つ

2021年が始まって2週間が経った。 雪が多い今年の冬、そのせいか日々が止まっている気がする。 というか、雪を寄せると1日が終わっていて動いているけれど何も進んでいない…

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小さな子とお話しする。

風吹く秋、今日はススキがビュンビュンと空になびいている。 そんな中、いつものアトリエのお客さま、小学生の可愛い女の子がやってくる。 「風、大丈夫だった?」 「すご…

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季節の変わり目にチグハグベール

いつも、となりあわせ。 終わりも始まりも、始まりも終わりも。 繰り返しで日々が出来ているけれど、 いつもとは違う何かが隠れている。 9月の始まり、風は秋の風に変わっ…

2

最後には「ありがとう」と書いていたい

いつの間にか7月の真ん中を歩いている。下半期が始まっていた。 わたしは夏が苦手というか、暑さと眩しさが苦手だけれど、 なぜか、夏がいい転機になったりする。だからか…

3

道のりは長くて短い。

最近、懐かしい人たちに出会ったり、連絡がきたりする。 何か新しく始まるのか、それとも終わりを告げるのか、どちらかは分からないけれど、なんだか嬉しくもある。 会う人…

話していると見えてくるもの

ある人とお話をしていて信念っていう言葉がスーッと浮かんだ。 そういえば、私の周りにはこの「信念」という言葉を浮かばせる人たちが 多いような気がする。 正しいと思っ…

14

モノからモノへ。人から人へ。

いつの日から、お菓子とお花が集まってくるようになった。 何もしていないのに、いつも差し入れをいただいたり物々交換になったり、 わらしべ長者のようになったりする。 …

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目の前に広がる先には

お天気がいい。晴れている。空は薄い水色にぽやりとした白い薄い雲が広がっていて、眩しい光が広がっている。 ここは、ぼろぼろになった壁と、きちんと閉まらない建付…

mariko no hanamoyou

【「nijimi」シリーズ】 記憶と想いを色で繋いで花模様を描いています。 描いている日の光や温度や場所、その時の気持ちで、筆にとる色も変わります。 そしていつも描く…

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春に添える記憶

桜が咲くと空も空気も春色へと変わる。 いつの日も、どんな時も、季節はめぐる。 春は一瞬なのか、桜も花が咲くまではゆっくりでも花開くといつのまにか舞っている。 色…

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いつもの景色

いつもの景色

いつもの景色は、
だれかにとっては
過ぎゆく景色かもしれないし、
だれかにとっては
特別な景色かもしれない。

そんなことを日々思いながら
色々な景色を記憶する。

ただ壁に映った影も、
たまたま目の前にあった枝も、
雲の隙間からさしこんできたひかりも、
カーテン越しにゆらめく葉の姿も…。

そんな些細だけど、ひとときの場面は、
わたしにとっては
いつも特別な景色で、
ひとり心のなかでときめいてい

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「こんにちは」は、いつのまにか

「こんにちは」は、いつのまにか

雨があがり、晴れた秋は冬が近いせいか、
空気がスーッとしていて
何か纏っていたくすみが、
すすぎ洗われたようだった。

それとともに、スルスルと導かれるように
あちこちに足を運ぶ。

「こんにちは」

その一言から会話は始まる。
お互いの何かを、知っているわけでもなく、
いつのまにか、何でも話していたりする。

いつもふらりと、近くを通ったら寄るお店で、
ランチをしていると、
そこに居合わせた人に

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はじまりの

はじまりの

いまいる場所、いつも話す人、
当たり前のように行く場所、
最初から知っていたかのように
会話をしている時間、
訪れる場所、
その「はじまり」を覚えていますか?

時間を重ねるほど「はじまり」を思い出すのに
時間がかかったり忘れてしまったりします。

この人と最初に出会ったのは
何がきっかけで、
このお店を最初に知ったのは
何がきっかけで、
そして、気づけばいつのまにか
当たり前に変わっていて
そし

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旅立ちのときに

旅立ちのときに

ある日、一通のメールが届いた。
「わたし、あたたかいところへ引っ越すよ」

そのメールを受け取った日、
私は空港にいた。

何でもない日に、20年近くも来たことのない
空港にいた。

もう20年以上前から苦楽を語らっては、
お互い見守っている
大切なあの子からのメールだった。

だから私は一瞬だけ驚いたけど、
それ以上に嬉しさを感じた。

「おめでとう!やったね!」

そんな気持ちでメールを返した

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寄り添うこと

寄り添うこと

いつのまにやら季節は変わって緑で街が溢れてきた。
雪があったことすら
桜が咲いていたことすら
忘れてしまう景色が青空とともに広がっている。

日々も季節も繰り返していき
変わることもあれば、変わらないこともある。
そのなかで人は何を求め、考え、想っているんだろうと、突然とぼんやり考えることがある。

答えを出したいとか考えていたいとかではなく
ただぼんやりと呼吸をするかのように。
あるとき、湯船に

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いつかの…。

いつかの…。

2021.5/5.立夏

春から夏に向かう途中に出会うは雨。気づけば雪の日々は消え、桜の日々も消えた。

日々は呼吸をするだけでも通りすぎ、呼吸することが大事なことだからゆっくりでもある。

人は忘れてしまうと覚えているを繰り返して生きていくからか、嬉しさと寂しさを心に貯えているんだろう。

人生のそれぞれの節目で、人はその記憶を呼び起こす。

いつかの、あのときの…

そしてその後には、これか

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雪と一緒に春を待つ

2021年が始まって2週間が経った。
雪が多い今年の冬、そのせいか日々が止まっている気がする。
というか、雪を寄せると1日が終わっていて動いているけれど何も進んでいない。
普段諦めがつかないことも、雪のせいにして諦めてしまうから
変な気持ちになる。
新しい年が始まってから諦めてしまうという気持ちを体験して
人はなんて欲張りなんだろうかと感じたりもする。

一生懸命というより一所懸命、一緒懸命、そん

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小さな子とお話しする。

風吹く秋、今日はススキがビュンビュンと空になびいている。
そんな中、いつものアトリエのお客さま、小学生の可愛い女の子がやってくる。
「風、大丈夫だった?」
「すごかったぁー」
から、ゆったりとお話しする。
そして私のつくる、はんこちゃん(スタンプ)の試しコーナーで
ペタペタと捺している。こんな風にペタリとするとこんな風になるんだよと
ちょっと高度なペタペタを教える。
そんな風な時間を何回も繰り返し

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季節の変わり目にチグハグベール

いつも、となりあわせ。
終わりも始まりも、始まりも終わりも。
繰り返しで日々が出来ているけれど、
いつもとは違う何かが隠れている。

9月の始まり、風は秋の風に変わったけれど、
フェーン現象だそうで30度を超える暑さが続いている。

8月は、とても動いた。
絵を描くこと、接客をすること、その2つのことは好きなことでもあり、自分の出来ることの1つなのだなと感じた。
そう思っているから、この長い間続い

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最後には「ありがとう」と書いていたい

いつの間にか7月の真ん中を歩いている。下半期が始まっていた。
わたしは夏が苦手というか、暑さと眩しさが苦手だけれど、
なぜか、夏がいい転機になったりする。だからか夏の苦手と好きなことが
一緒になって憎めない夏になる。
今年は、何故か人生の集大成のようなエピソードが色々と出てきていて何でなのか不思議だなと最近思えるようになってきた。
小説でいえば最後の章のようなものなのか(小説をあまり読まないからよ

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道のりは長くて短い。

最近、懐かしい人たちに出会ったり、連絡がきたりする。
何か新しく始まるのか、それとも終わりを告げるのか、どちらかは分からないけれど、なんだか嬉しくもある。
会う人会う人に変わらないと言われ、落ち着くと言われることが多い。
私は当時の自分を忘れているのか、それとも変わっていないのか、よく分からない。けれども、ひとつだけわかるのは、私と関りを持った人たちは変わっている。
それは、私の意識の問題なのか、

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話していると見えてくるもの

ある人とお話をしていて信念っていう言葉がスーッと浮かんだ。
そういえば、私の周りにはこの「信念」という言葉を浮かばせる人たちが
多いような気がする。
正しいと思って信じ、その気持ちを疑わないこと これは本当であれば
なかなか難しいことでもあると思う。いろんな経験があってこそ生まれてくる
ものだと思う。
本当にいいのかな、合っているのかな、どうかな…と石橋を叩いていく
タイプの私にとって とても眩し

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モノからモノへ。人から人へ。

いつの日から、お菓子とお花が集まってくるようになった。
何もしていないのに、いつも差し入れをいただいたり物々交換になったり、
わらしべ長者のようになったりする。
お菓子もお花も大好きだから顔に出ているのかもしれない…
もし焼肉が大好きだとバレたら生肉が集まってくるのだろうか…
きっとそうなったらブクブクになるので、美味しいお肉のお話を聞くだけで
も幸せです。
そんな風に不思議なことにいつの間にか幸

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目の前に広がる先には



お天気がいい。晴れている。空は薄い水色にぽやりとした白い薄い雲が広がっていて、眩しい光が広がっている。

ここは、ぼろぼろになった壁と、きちんと閉まらない建付がわるくなった窓のある物置の場所。

そこに無理矢理に長テーブルを置き、絵を描く場所にしてた。物に囲まれていて窮屈ではあるけれど、目の前には小さな庭が広がっていて小鳥のさえずりも聞こえて気持ちがいい。

人は積み重ねてきた経験と記憶で生

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mariko no hanamoyou

mariko no hanamoyou



【「nijimi」シリーズ】

記憶と想いを色で繋いで花模様を描いています。
描いている日の光や温度や場所、その時の気持ちで、筆にとる色も変わります。
そしていつも描くときには、窓から光がさしてきます。

心の温度と記憶を紙の上で色を滲ませながら繋いでいると、
いつの間にか心はほんわりとなっているから不思議だなと思うのです。

きっと私の記憶は小さな喜びの積み重ねで出来ているのかもしれないなと

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春に添える記憶

春に添える記憶

桜が咲くと空も空気も春色へと変わる。

いつの日も、どんな時も、季節はめぐる。

春は一瞬なのか、桜も花が咲くまではゆっくりでも花開くといつのまにか舞っている。

色んな月日の思い出も春にはリセットされてしまう。

新しい始まりを懐かしみながら人は空を見上げるのかもしれない。

ほら、また誰かが空を見上げてる。

隣に寄り添う記憶は、いつも風を運んでくる。春の風にそよぎながら優しい記憶も寂しい記憶

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