SELECKを卒業しました。3年半の感謝を込めて。
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SELECKを卒業しました。3年半の感謝を込めて。

やまもとはなか

こんにちは。SELECK編集長のやまもとです。
本日をもって、大好きなSELECKを卒業しました。

2017年8月にジョインしてから、早いもので3年半。先日数えてみたら、通算113社に取材させていただき、138本の記事を執筆していました。(多いのか少ないのかよくわかりませんが、わたしの生活の一部だったことは間違いないです。)

最後までわりと普通に業務していたので今でも実感が湧きませんが笑、まだ記憶が新しいうちにSELECKの記録をnoteに残しておこうと思います。

「異世界の言語」に戸惑う日々

「はなちゃん、SELECKに来ない?」

前編集長のれいさんが、わたしにこう声掛けしてくれたのは、2017年の春頃でした。

運営会社のRELATIONSには、もともとコスト改善コンサルティング事業部のコンサルタント職で入っていて、その時点で入社1年ほど。前職は商社だったし、コンサルタントとして支援していた先はレガシーな企業が多かったし、IT界隈やWebメディアとはかなり縁遠い世界にいました。

でも、新しいことしたいなという気持ちと、れいさんと一緒に働いてみたいなという気持ちがあって、取材同行からスタートし、同年の8月からSELECKに正式ジョインすることに。

当時は、週次で編集会議をしていたのですが、最初に参加したときの戸惑いを今でも覚えています。話の内容が全然わからなかった。笑

CVR、CPA、MA、LP、コンバージョン…??? 

そのときは、横文字だらけで異世界の言語だ…!と思ったけれど、まぁ普通にWebマーケティングの事例について話し合っていただけ。こういう基本的なWeb用語すら本当になにもわからない状態で、わたしの編集者としてのキャリアがスタートしました。

とにかく最初は、SELECKの過去記事を読んで知らない単語を調べたり、取材同行してよくわからなかった部分を質問したりして、メディア以前にIT界隈の「言葉」を理解しようと必死でした。

そうしてインプットしているうちに、なんとなくは理解できるようになってきたものの、なかなか取材が獲得できない…

というのも、SELECKの取材基準は「先進的かつ再現性がある取り組み」なのですが、当時の私にとってはすべてが先進的すぎて「世の中からみて先進的かどうか」の感度がありませんでした。

しかも、SELECKは特定のカテゴリに特化したメディアではないので、マーケティング、人事、営業、プロダクト開発、デザインetc…いろんな領域にアンテナを張っておく必要があり。これがすごく難しかったです。

ちなみに初めて自分で獲得できた取材案件は、セブン銀行さん。

意外かもしれませんが、初期の頃は自分のITリテラシーがベンチャー企業の事例に追いついてなくて、住友林業さん、味の素さん、丸紅さんみたいな、大企業への取材ばかりでした。(これはこれでよく獲得できたなとも思う。笑)

一方で「書くこと」については、そこまで立ち上がりに苦労しなかったという記憶。(当時は、執筆の奥深さを知らなかっただけもある。)

▼はじめて執筆した記事を、れいさんに編集していだいたときのSlack

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その日の自分の日報を見返したら、こう書いてました。

れいさんに「ベースは過去最強」と言われて、素直に嬉しい。
でも、「ベース『は』高い」じゃなくて、「ベース『も』高かったよね」と振り返って言われるくらい、ここから進化させたい。

(宣言どおり進化できただろうか…)

他媒体や企業発信のブログ、Twitterなどの情報に触れまくって、取材を企画し、取材して、執筆して、フィードバックをもらって改善する。これをひたすら繰り返していました。

独り立ちし、メディアのおもしろさに目覚める

2018年に入り、ようやく取材を独り立ちすることに。初めてのひとり取材は、delyさんのエンジニア育成のお話でした。

いまだと取材時間は1時間くらいが普通ですが、このときは緊張で頭が真っ白になり話をうまく深掘りできず、30分くらいで取材を終えたと思う…。(不慣れでご迷惑おかけしましたが、温かく取材に応じてくださり本当にありがとうございました🙇‍♀️)

独り立ちして何回か取材するうちにだんだんと慣れてきて、この頃からはITベンチャーやスタートアップの取材獲得もできるように。そうなって初めて、「メディアの仕事って楽しいな」と思えるようになってきました。

メディアの顔であれば、いま知りたいこと、興味関心があること、いま会いたい人に、簡単にリーチできる。これは本当にすごいことだと思っています。

そして「これはおもしろい、学びになる、読者さんにも知ってほしい!!」と感じたことが世の中に届いたときの、ソーシャルな反響から得られる充足感。

2018年はメルカリさんの記事Gunosyさんの記事など、自分が取材・執筆を担当した記事がいくつかヒットして、ひとりの編集者として成長できたかなと思える1年間でした。

苦しくて逃げたかった編集長1年目

「はなちゃん、編集長やってみない?」

編集長になったのも、自分から手を挙げたわけではありませんでした。

2018年の秋頃に、1on1かなにかで「編集長やってみない?」とれいさんが提案してくれて、たしか「嫌ではないです」と答えたと思います。笑

正直に言うと、SELECKは大好きだし編集長になるのも嫌ではないけど、自信がありませんでした。

しかもその頃、SELECKから他事業部にメンバーの異動があり、れいさんと私という2人体制で運営を回していました。(よく2人で耐えたなと思う。笑)なので編集長交代といっても、れいさんの記事はほとんど編集する部分もないし、なにか変わるんだろうか…? という気持ちもありました。

でもせっかくの機会だし、やってみようと思い、2019年1月にれいさんのあとを継いでSELECK編集長になりました。

編集長になってがんがんやってくぞー!といきたいところですが、ここからが苦難のはじまり。

最初の3ヶ月は、引き続きれいさんと2人体制だったし、会社の広報も新たな業務として加わったので、正直SELECKにあまり変化はなかったです。でも、心の中では不安と焦りが常にあったと思います。

引き継いだ時点で、toBの事例を扱うメディアとしては結構な流入のあるメディアに育っていたし、IT・ベンチャー界隈ではそれなりに知名度もありました。だからこそ、そこで編集長を交代したわたしに、いったいなにができるんだろう。そもそも、編集長ってなにをすべきなんだろう。

メディア戦略考えて、なにか新しいことをしなきゃ…!

みたいな感じで、「現状維持は死」だと思っていましたが、なにをしたらSELECKがもっとよくなるのか、自分になにができるのかが正直わかりませんでした。わたしにとっては、それまでのSELECKが築いてきた資産が逆に重たかった。いま思い返すと、本当に未熟だったと思います。

4月に入り、新しいメンバーがひとりジョインしてくれて、編集部は3名体制になりました。それからメンバーの育成だったり、4周年パーティーでご挨拶したりしたことで、編集長としての自覚が徐々に芽生えてくることに。

▼唯一残ってた4周年パーティーの写真w SELECKのTシャツ作った。

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でもやっぱり、自分が編集長になってからSELECKに付加価値を与えられていない気がして悶々としていました。SELECKのビジョンを考えて、noteにしたためてみたものの、それを公開する勇気もなかったです。

▼2019年の秋に書いたけど、2020年のGWに公開した。

おまけに、いままで「教わる立場」しか経験してこなかったので、初めての「教える立場」はなかなか難しかったりして、メディアの運営を回すことでいっぱいいっぱいでした。

そんなこんなで、業務量も多かったし、自分の力不足も痛感していたし、れいさんが運営から徐々に離れていたのもあって、だんだん苦しくなってしまい、2019年の後半はあまり思い出したくないくらい病み期でした。笑

自分でミーティングを設定しておきながら泣き出して中止にしちゃうし、家では自然と涙が溢れてくる…でもSELECKの運営は止めたくない、記事のクオリティも絶対に下げたくないという気持ちで、なんとか仕事を続けていました。当時一緒に働いていたメンバーには迷惑をかけてしまい、なかなか負のループから抜け出せず、しんどい1年でした。

読者さんとの「ゆるのみ」が心の支えに

一方で、心の支えもありました。それが読者さんとの「ゆるのみ」です。

もともと編集長になる少し前に、読者さんの直接の声を聞いてみたいなと思い、とりあえず飲み会してみようと思い立ってはじめたイベント。

コロナになるまでは月イチの頻度で開催していて、そこから読者さんと一緒にコンテンツをつくる、という新たなスタイルができてきました。

競合対談」や「教えて!対談」などは、実際にゆるのみの企画から生まれたコンテンツたち。編集部の人数が少なかったからこそ、読者さんも巻き込んだコンテンツづくりは、自分たちにない視点をいただいたり、なにより運営のモチベーションになりました。

▼詳しくはこちらに。

ゆるのみやTwitterを通じて読者さんとのつながりが増えてきたことで、少しずつ編集部と読者さんとの距離が近づくような変化を感じ始めていました。

読者さんにもっと愛されるメディアにしたい。その願いが、少しずつ叶ってきました。

仲間が増えた、できることが広がった

2020年になって、編集部のメンバーが2人増えました。ふたりともメディア初心者だったけれど、仲間が増えたことはとても心強かったです。

実際、今までやりたいなと思っても手を出せないでいたことが、ふたりのおかげでできるようになってきました。

新卒で入っためるちゃんは、InstagramやLINEなど公式SNSの立ち上げ・運用を始めてくれたり、他事業部からの異動で入ってくれた榎本さんは、メルマガの改善や、めちゃくちゃ早い立ち上がりで運営を助けてくれました。

4月には「SELECK編集部マガジン」を立ち上げ、編集者の視点から事例に対する解釈を伝えたり、記事には書ききれなかった裏話などを届ける「取材後記」を始めました。

SELECKの記事は誰が書いたかが見えないので、中の人が伝わるコンテンツも届けたいなとずっと思っていて、それを実現することができて嬉しかったです。

加えて、2019年は読者さんとのコミュニティをつくることができたので、2020年はさらに広い範囲で「ひらかれた編集部」であろうと思いました。そこで、SELECKの人格が伝わるような取材基準や、企画制作の裏側取材獲得のノウハウなどをnoteに書いたり、取材ウィッシュリストの定期更新を再開したりしました。

また、個人的にはRELATIONS(運営会社)におけるSELECKの役割にもずっと悩んでいましたが、他事業部であるWistantのマーケティングも兼務させてもらったことで、SELECKを全社的なマーケティングアセットとして捉え直すことができたし、リード獲得でも大きな成果につなげることができて、ようやく点と点がつながったような、そんな気がしました

なぜSELECKを卒業するのか

せっかく良い方向に進んできたのに、なぜこのタイミングで卒業するのか。

お世話になった方々に今回ご報告したら、みなさんとても驚かれていたので(突然ですみません…)、なぜSELECKをやめるのかについても簡単に触れておこうかなと思います。

ひとつは、Webメディアの編集者としての限界を感じているから

企画、取材、執筆、編集などの一連のスキルがある程度身についたなかで、これ以上の伸びしろが少なくなってきているなと、ここ数年感じていました。

編集という仕事は奥深いので、まだまだ私はひよっこだと思うし、動画や音声コンテンツなど、メディアを拡張することで新しいスキルを習得することも十分できるけれど、それ以上に、Webメディアの編集者としてのキャリアをずっと続けたいとは思えなかったのが正直なところ。

これは私だけじゃなくて、多くのメディア編集者がそうなのかもしれないですが、良い取材ができたときほど、そのおもしろさを、学びを、読者さんにきちんと届けたい…!という気持ちが強すぎて、本当に書くのがしんどい。産みの苦しみというか、執筆は毎回、命を削っているようでした。

なので、Webメディアの運営を続けるよりは、編集というスキルをマーケティングやPRなど違う領域にも広げていきたかった。これがひとつめの理由。

もうひとつは、SELECKで多くのスタートアップ企業を取材するなかで、自分もイノベーションを生む側の当事者として挑戦してみたいと思ったから。

先進的な事例をメディアとして取材するのではなく、自分が生み出す側になりたい。その思いがあって、スタートアップに転職することに決めました。

実は、1月からお試しジョインでもう働き始めているのですが、正式入社できるかまだわからないので、無事入社できた暁にご報告できたらなと思います。(と言いつつ、一部の人にはすでに明かしてしまっているけど…笑)

今後のSELECKについて

さて、わたしの行く末より、今後のSELECKについて。

次の編集長は、わたしの師匠であり、初代編集長のれいさんに戻る形になります。わたしの背中を押してくれて、編集長を交代してからもずっと陰で支えてくれていましたが、この度運営に戻ってきてくれることになりました。

SELECKが存続する体制をどうつくろうかという点が転職においても悩ましかったので、れいさんが戻ってきてくれるのは本当に心強いです。近々またご報告があると思いますが、SELECKも大きな節目を迎えてさらにパワーアップしていきますので、今後もぜひご愛読いただけると嬉しいです。

すべての方々に感謝を込めて

つらつらと書いていたら5,000文字を超えてしまった…!最後に、SELECKを支えてくださったみなさまに改めて感謝をお伝えさせてください。

<読者のみなさまへ>
いつもSELECKをご愛読いただきありがとうございます!TwitterのエゴサをSlack連携しているのですが、みなさまのコメントを見るたびに、届いてよかった…!と嬉しい気持ちでいっぱいになります。今後も仕事に役立つ現場の事例をお届けしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
<取材先のみなさまへ>
改めまして、本当にお世話になりました!取材させていただいた記事を先日すべて読み返していましたが、どの取材もとても思い出深く、記憶に残っています。学び溢れる事例を共有いただき、本当にありがとうございました。今後ともSELECKをよろしくお願いいたします。
<SELECKメンバーへ>
SELECKの運営を支えてくれて、本当にありがとうございました。自分ひとりではなにもできなかったけど、みんなのおかげでSELECKでいろいろな新しい試みを始めることができたし、読者さんにより愛されるメディアになったなと思っています。本当に感謝です。そしてれいさん、度々名前をだしてすみませんw 今後のSELECKを、どうぞよろしくお願いします!

今後も、いちSELECKファンとして見守っていきたいと思います。
3年半の間、大変お世話になりました。すべてのみなさまに、感謝を込めて。

2021年2月28日 山本 花香

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やまもとはなか

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

書いてよかったです🙌
やまもとはなか
株式会社GaudiyでPR・HRまわりをやってます。前職では「SELECK(https://seleck.cc/)」というWebメディアの編集長をしていました。お酒好きだけど、3杯が致死量。noteはゆるゆる書いてますが、色んな人とつながれたらいいな。