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会社員時代、私はトイレの花子さんだった

東京に出てきてから二社の会社で会社員を経験している。
一社目は大手、途中で部署異動や立ち上げもあった。
二社目は中小企業だったが、会社の入っているビルは、とても大きな高層ビルだった。
どちらも中途採用だったので、入社日が同じ同期、という存在はいなかった。

自分でいうのもなんだが、割と初対面の人とはすぐに打ち解けられるほうだと思う。自分から話しかけることも難しくないし、知らない場に一人でいるのも全く苦ではない。

だけど、私はトイレの花子さんだった。

始業の10分前と、昼休みが終わる10分前、
何をするでもなくトイレの個室で精神統一をしなくてはいけなかった。

会社の人たちはみんな良い人だったし、人間関係は良好だった。

大きなビルの、10個以上ある綺麗なトイレの個室は、始業前はいつも人がいなかった。(みんなデスクにいるからだろう)
そこで社会に出る直前、静かな空間で、私は目をつむって精神統一をするのだった。


人感センサー搭載のトイレの電気は、じっとしていると真っ暗になってしまうため、時たま一人エグザイルのような動きをしなくてはならなかったが、
それでも私は、エグザイルになってでも、トイレにこもりたかった。

社会、というものは、理不尽なこと、意味がわからないこと、やるせないこと、そして、楽しいこと、達成感、いろいろある。本当に色々。
仕事に救われることも、たくさんあった。

仕事で得たものは計り知れない。
一社目は大手だったので研修もたくさんあり、基本のビジネスマナーから顧客対応のノウハウ、接遇、契約やクレーム対応、事務処理、論理的思考、部下育成や行動心理学まで一通り学ばせてもらった。

二社目では裁量権が大きく、入社まもなく大きなプロジェクトを任せてもらったり、新しいシステムを提案したらすぐに受け入れてもらったり、やりがいのある仕事をさせてもらった。

でも私はトイレの花子さんだった。

苦しかった。どんな時も、自分が自分でない感じがした。
ここにいていいのだろうか、なぜここにいるのだろうか、
いつもそう思っていた。

毎日出社ギリギリに目が覚め、満員電車に押しつぶされて、最後の方は通勤中水の音を聴いていた。

普通を装いながら普通でいられない自分が嫌で嫌でたまらなかった。

そうして色々あり、
独立してイメージコンサルティングの小さなサロンをはじめた。

サロンへ行くのには満員電車に乗らなくて良い。
自分のやりたいようにやれる。
しかし、自分で全てやってみて、会社という組織のありがたさも感じた。

もう、私はトイレに篭らない。

自分の居心地の良い空間で、
お客様を今日も迎えられるありがたみを感じている。

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